ヤマサキカズラは強力な水質浄化作用のある水草です。
しかし、育て方に関する情報が少ないのも事実。
この記事では、ヤマサキカズラの育て方をご紹介したいと思います。
最初にお断りしておきますが、当記事の内容は筆者の経験によるもので、実際に水質を調べたり温度を細かくチェックしたりはしていません。
ヤマサキカズラの植栽方法
ヤマサキカズラの植え方は、茎を水に浸けておくだけ。
葉は空気中に出すようにします。といっても、葉の何枚かが水没していても問題ありません。
低床に埋める必要はなさそうです。茎の節のところから根を出し、低床や流木などに絡まることで結果的に固定されます。ミクロソリウムなどのような活着はしませんが、物理的に同じような結果となります。
植えるというより、差す、に近いですね。ビニタイで固定するといっためんどうなことはしなくて大丈夫です(笑)。その理由は次の見出しで。
ヤマサキカズラの根
ヤマサキカズラは茎の節から、真っ白いモヤシのような根を出します。
これの成長スピードは凄まじく、1週間で30cm水槽の底をぐるっと一周するくらい。
根は真下に伸びていきます。ヤマサキカズラを動かして根が空気中に露出しても、また水中に伸びます。
根は他の水草ほどソイルや砂利が絡みつくことはありません。ある程度動かしたりして「環境が変わった」と感じると、根の色がくすんで伸びなくなり、節から新たに根が生えてくるようです。
ヤマサキカズラの成長
根と比較すると葉の成長は極端に遅い、という印象です。具体的には、2年で葉が2枚増えた程度。とはいえ、ヤマサキカズラを動かした後に葉が上を向くまでは、それほど時間がかかりません。
追記(2024/10/18)
成長は遅いと言いましたが、実際は早いかもしれません。別の水槽に移してしばらくすると、環境が良いのか成長が早くなりました。気づいたら葉が8枚ほどになっています。
照明 | 約30WのLED |
ろ過 | 投げ込み式フィルター |
生体 | メダカ4匹、ヒメタニシ1匹 |
低床 | ひゅうが石 |
植物 | ヤマサキカズラ、アマゾンフロッグピット |
ヤマサキカズラに適した環境
光量は、水中の水草が育つ程度で問題ありません。筆者環境は30WのLEDひとつです。
水質は中性〜アルカリ寄り(メダカ水槽)。
低床はひゅうが石で、投げ込み式フィルターを使用。
水草は他にアマゾンフロッグピットのみ。
上記環境ではヤマサキカズラが問題なく維持できています。
成長スピードは遅く、2年で葉が2枚程度しか増えていません。これが普通なのか、高光量だともっと早くなるのかはわかりませんが、個人的に成長が遅い方が助かるのでヨシとしています(笑)。
ヤマサキカズラの増やし方
実際に株分けしたことはありませんが、茎の節(根が出るところ)と葉が2枚ほど残るようにカットすれば問題なさそうです。
その理由は、その状態で入手したから。入手経路はメルカリでした。輸送にも耐えたので、もし増やしたりするならその方法で問題なさそう、と考えています。
茎はアヌビアス・ナナのように、わさびのような見た目になるので、アヌビアス系を育てたことがある方はイメージしやすいかと思います。
ヤマサキカズラの注意点
注意点としてはやはり、根の成長が凄まじいこと。ソイル環境では低床環境に影響が出そうです。というのも、物理的に根がソイルをほじくることに加えて、ヤマサキカズラの根からは毒が出ている説があり、他の水草の成長を阻害する可能性があるからです。
自らが成長する栄養を得るため、他のライバル水草を抑え込んでいるんですね。
ソイルではなく砂利や石で、浮草をメインに育てている環境とは相性が良いと言えるでしょう。
まとめ
ヤマサキカズラはカンタンに維持できます。
茎が水に浸かるように差します。葉は一枚くらい空気中に出ていれば問題ないです。
葉の成長は遅い分、根の成長スピードが凄まじく、あっという間に水槽の端から端に伸びます。そのため、一般的な水草水槽には向かず、シンプルなレイアウトやビオトープがおすすめです。
成長は遅いですが、葉は硬くて大きいことから、水槽の養分を吸ってくれていることは見受けられます。
水質浄化に一役買っているヤマサキカズラ、ぜひ挑戦してみてください。
コメント