アクアリウムは楽しい趣味ですが、水草を思うように育てるのは意外と難しいもの・・・。
水草を健康に育てるためには栄養が欠かせません。
その栄養の一つが「カリウム」ですが、カリウムは水槽内ではほとんど供給されません。
だから人の手で添加してあげる必要があります。
そこで今回は、そんなカリウム水溶液を自作して、コスパ良く水草の栄養補給をする方法を解説します!
嬉しいことに、カリウム水溶液は誰でも自作可能で、しかも市販品の10分の1以下の価格で作れてしまいます。
水草を健康で美しく育てたい方はぜひ最後まで読んでみてください。
カリウム水溶液とは?

炭酸カリウム粉末を水に溶かした液体肥料のことです。
水草の栄養の一つである「カリウム」を供給するために使用します。
市販のカリウム液体肥料も中身は基本的に炭酸カリウム水溶液なので、実は家庭で自作することが可能です。
水草の三大栄養素「NPK」とは?

そもそもなぜカリウムを添加するのか?
その理由を理解するために、まずNPKについて知っておきましょう。
NPKとは、植物の成長に欠かせない肥料の三要素である、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)のことです。
| 記号 | 元素名 | 主な役割 |
| N | 窒素(Nitrogen) | 葉や茎を育てる 葉緑素の主原料 |
| P | リン(Phosphorus) | 花や実、根の発育 |
| K | カリウム(Potassium) | 光合成の効率を高める 抵抗力を高める |
そして水草水槽では、このNPKのバランスが偏りがちになります。具体的には、Kだけが足りないという状況です。
| 栄養素 | 水槽内での供給 | 過不足の傾向 |
| N(窒素) | 魚のフン・餌から自然発生 | 余りやすい |
| P(リン) | 餌から自然発生 | 余りやすい |
| K(カリウム) | ほぼ供給源なし | 不足しやすい |
これが、カリウム単体の液肥が広く使われている理由です。
カリウム水溶液の重要性(不足するとどうなる?)
カリウムが不足すると、
- 前提として、植物はNPKのどれか一つが欠けてもダメ
- 水草の光合成や成長が抑制され、コケが付きやすくなる
- 根本側の葉が白化したり、穴が開く
「肥料もCO₂もちゃんと入れているのに水草の調子が悪い……」という方は、カリウム不足を疑ってみてください。
カリウム水溶液を自作するメリット
自作最大のメリットは、なんといっても圧倒的なコスパの良さです。
市販品は1本数千円のものが多いですが、自作すると材料費が驚くほど安く済みます。
具体的にはADAのグリーンブライティ・ニュートラルKは300mLで6,600円。
チャームさんで「炭酸カリウム 50g」を買った場合、500mL作れて260円(300mL換算で156円)。
ただし、グリーンブライティ・ニュートラルKはpHや炭酸塩硬度(KH)を上昇させないといった特徴があり、生体や水質に対して安心して使える品質が素晴らしい商品なので、そこは念頭に置いておいてください。
カリウム水溶液を作るのに必要なもの

用意するものは以下の5つです。
- 炭酸カリウム粉末
- 精製水
- プッシュボトル
- ロート
- 計量器
それぞれがどういったものか、見ていきましょう。
炭酸カリウム粉末
水草の栄養となる、カリウムの粉末です。
街のお店ではなかなか手に入らないので、ネットで購入します。
精製水
精製水とは、不純物を除去した純度の高い水のことです。
水道水をそのまま使うとカリウム水溶液が劣化しやすくなるため、精製水を使うのがおすすめ。
ドラッグストアで100円前後で購入できます。
代用する場合は、水道水を沸騰させてから冷ました水でもOKです。
プッシュボトル

添加する際は、プッシュタイプの容器が安全で便利です。1プッシュで1ml出るタイプを選ぶと、毎回の添加量が正確にコントロールできます。100均でも手に入ります。
ロート
粉末をこぼさずボトルに入れるために使います。
私はいらないDMハガキを折り曲げたもので代用しています。笑
計量器
0.1g単位で量れるデジタルスケールが理想的です。
粉末の量が多すぎると強アルカリが濃くなりすぎて危険なので、しっかり計量できるものを選びましょう。
カリウム水溶液の作り方
手順はとてもシンプル。以下の5ステップで完成します。
- ボトルの容量に対して10分の1の炭酸カリウム粉末を用意
- ボトルに炭酸カリウム粉末を入れる
- ボトルに精製水を注ぐ
- キャップを閉めてよく振る
- 冷ます
① ボトルの容量に対して10分の1の炭酸カリウム粉末を用意

例えばボトルが500mlなら炭酸カリウム粉末を50g、180mlなら18gです。
計量器を使ってきっちり量りましょう。
② ボトルに炭酸カリウム粉末を入れる

ロートなどを使って、こぼさないように注ぎます。このとき、絶対に素手で触らないように注意してください。強アルカリ性のため、皮膚が荒れる原因になります。
③ ボトルに精製水を注ぐ
精製水(または沸騰させて冷ました水)を注ぎます。ポイントは、最終的にボトル総量が規定量になるように調整すること。
500mlボトルなら、粉末50g+水を注いで総量が500mlになるよう調整します。一気に満タンにすると混ざりにくいので、半分くらいまで入れて一度混ぜてから追加すると溶け残りを防げます。
④ キャップを閉めてよく振る
フタをしっかり閉めて、粉末が完全に溶けるまで振ります。
このとき、溶解熱でボトルが熱くなります。これは化学反応による正常な発熱ですが、火傷しないようタオル越しに振ると安全です。
⑤ 冷ます
常温まで冷ましたら、カリウム液肥の完成です!
カリウム水溶液の注意点

カリウム水溶液は扱いに注意が必要なので、必ず目を通してください。
自作したカリウム水溶液はpH11〜12近い強アルカリ性で、扱いを間違えるとケガや事故につながる薬品です。
① 水槽への入れすぎ厳禁
規定量を超えて添加すると、pHが急上昇して魚がpHショックを起こします。pHはたった1変わるだけでも魚には大きな負担になります。適量を必ず守ってください。
② 肌・目に絶対つけない
作業中は以下の安全対策を強く推奨します。
- 保護メガネ(目に飛沫が入るのを防ぐ)
- ゴム手袋(皮膚への付着を防ぐ)
- マスク(粉塵の吸い込みを防ぐ)
万が一皮膚についた場合はすぐに大量の流水で洗い流し、異常があるようなら医師に相談してください。目に入った場合は最低15分は水で洗い続け、必ず眼科を受診してください。
③ 容器の選び方に注意
金属容器は腐食するのでNGです。ガラス製、または耐熱性のあるプラボトルを使いましょう。
④ 保管ミスによる誤用に注意
保管の際は、必ず「カリウム液肥・危険」とわかるラベルを貼っておきましょう。とくに、同居している方が知らずに触らないように配慮が大切です。
- お子様の手の届かない場所へ
- キッチンとは別の場所に保管
- 余ったカリウム粉末も同様
カリウム水溶液の添加の仕方

60cm水槽(約60L)の場合、1日1回、1mlを添加します。水草の量が多い水槽なら最大3mlまで増やせますが、それ以上入れるとpHが急上昇して危険です。
おすすめのタイミング
朝の照明を点けたときがベストです。
理由は、その後に来る光合成のゴールデンタイムに合わせて栄養を供給できるから。カリウムは光合成の効率を左右する栄養素なので、点灯直後の添加が効率的です。
水草繁茂には固形肥料もおすすめ
カリウムを添加して水草が調子づくと、次に起こるのが底床(ソイル)の栄養の枯渇です。
水草がぐんぐん栄養を吸収するので、根っこ側の栄養が先に切れてしまうんですね。
栄養系ソイルには水草の根に効く栄養が含まれていますが、半年ほどで切れていきます。
その後は固形肥料をソイルに埋めることで栄養を補いましょう。
液体肥料と固形肥料を組み合わせると、水草育成のレベルが一段上がります。
まとめ:カリウム水溶液を自作して、コスパ良く水草を元気に育てよう
いかがでしたか?
カリウムは水草にとって欠かせない栄養素であり、水槽内では慢性的に不足しがち。だからこそ人為的な添加が必要で、しかも自作すれば圧倒的なコスパで運用できます。
作り方はシンプルですが、強アルカリ性の薬品を扱う以上、安全対策は絶対に手を抜かないでください。保護メガネ・手袋・マスクを着用し、ラベルを貼って安全な場所に保管する。これだけ守れば、初心者でも安心して自作できます。
カリウム液肥をマスターすれば、あなたの水草育成は間違いなく一段レベルアップします。ぜひ色々な水草に挑戦して、美しい水景を楽しんでください!



コメント