水草水槽では、夜間のエアレーションは重要な意味を持っています。
水槽内に酸素を供給し、酸欠を予防、バクテリアの増殖を促します。
その他にも油膜を取り除くという効果もありますね。
ところで、エアレーションの際にエアストーンは水槽のどの位置に設置したらいいのか、ご存じですか?
設置位置で、酸素の供給量に違いがでたり、気になる音や飛沫に影響が出るのでしょうか?
本記事では、こういった疑問について解説していきます。
そもそも酸素はどうして供給されるの?
エアストーンの位置を考える前に、水槽に酸素が供給されるしくみを知る必要があります。
といっても簡単ですよ!
エアーポンプによって酸素が供給されるしくみは、
- エアストーンから出る気泡から溶け込む
- 水面が波打つときに空気中から取り込まれる
酸素は水に溶け込みやすいという性質があります。
上記の2つの方法で酸素は取り込まれますが、1は数メートルの水深がある水槽を除いてはあまり効果がありません。
なぜなら、エアストーンから発生した気泡は一瞬で水面に到達するためです。
家庭で楽しむアクアリウムでは2の方法を利用しています。
つまり、水面が波打ちさえすればOKです。
1の方法を利用したマイクロバブルというものもあります。こちらは後術しますね。
エアストーンの位置は深くても浅くてもあまり変わらない
エアストーンの位置は、水面が波打たせることができればどの位置でも問題ありません。
- 酸素の供給
- 油膜除去の効果
は、しっかり発揮されるということですね。
もちろん、エアストーンが水面に露出している、とかはダメですよ。
結論が出てしまいましたが、位置の違いは他の事に影響しないのでしょうか?
ここからはエアストーンの高さによる、
- 水流
- 飛沫(しぶき)
- エアポンプへの負担
の影響について、解説します。
エアストーンの高さによる水流への影響
画像はエアレーションによって起こる水流を表します。
太い矢印ほど水流は強いです。
気泡が浮かび上がる力を利用するので、エアストーンが底の方にあるほど循環の効果が高くなると言えます。
投げ込み式フィルターはこれを利用してろ過しています。
外部フィルターなどでそもそも水流があればあまり考える必要はありません。
エアストーンの高さによる飛沫(しぶき)への影響
エアレーションによって発生した気泡が水面で弾けるとき、飛沫が発生します。
水槽内ならいいですが、水槽台や床に跳ねると材を痛めてしまうのでやっかいですね。
飛沫は、泡が大きいほど遠くに飛びます。
それを踏まえて、
- エアストーンを低めに設置・・・水面での泡は小さくなるが、波紋によって泡が遠くに運ばれて弾ける
- エアストーンを高めに設置・・・水面の水流が弱く泡はエアストーン上付近に留まるが、泡は大く飛沫も遠くに飛ぶ
・・・つまりトータル的にはあまり変わらないですね!
飛沫を避けるには?
ガラス蓋を使ってガードするのが一般的です。オープンアクアリウムでは水上葉を育てている場合はエアストーンの設置場所によっては水草によって多少緩和できるかもしれません。
とはいえ、小さい泡でも弾けるとそれなりに遠くまで飛沫します。それが一晩中繰り返されるとなると家財へのダメージが気になりますね。
トットのアイテムはそれを解決しているので、どうしても気になる方は検討してみてください。
エアストーンの高さによるエアポンプへの負担
エアストーンが低い位置にあるとその分水圧がかかり、エアポンプに負担がかかります。
これによってエアーの量が弱くなったり、エアポンプのゴムの劣化を早めることがあります。
エアーの量が弱く感じるときは、エアストーンの位置を高くしてみましょう。
マイクロバブルとは?マイクロバブルを使ったエアレーション
マイクロバブルとは50〜100μのサイズの泡をいいます。
要するに、とても小さい気泡のことですね。そしてこれは長時間水中にとどまるという性質があり、飛沫を回避しながら酸素供給ができそうです。
もともとは牡蠣の養殖場で発案された技術でした。
牡蠣を育てている水槽にマイクロバブルを導入したことで、牡蠣の成長が早くなり、味も良くなったそうです。他の貝類にも効果が確認されています。
アクアリウムとも関係が深そうですね。
マイクロバブルよりさらに細かい泡のファインバブルも登場していて、シャワーヘッドなどに利用されているのはご存知の方も多いのではないでしょうか?
【関連記事】ファインバブルシャワーヘッド
アクアリウム用としては、種類は少ないですが、マイクロバブルを発生させるアイテムがあります。
アズー スーパーバブラーV
アズーのスーパーバブラーは、手軽にマイクロバブルを水槽に導入できます。50〜100μのサイズの泡を発生、ゆっくりと漂う微細な泡は神秘的。前述した「水面を揺らす」ではなく、「水中から取り込む」事で酸素供給。
利用には、90cm水槽に使用されるようなパワーのあるエアポンプが必要です。
GardenWW
アクアリウム用ではありませんが、こんなアイテムもありました。
こちらはさらに細かい、5〜50μの超微細な泡を発生させます。一般的な蛇口である16mmの自在水栓のネジ山と、反対側はチューブを直接繋げるようになっています。チューブ側の径の記載は無し。
DIYが得意な方ならホームセンターで手に入るものでアクアリウムに適用できそうですね。
どちらかというと、洗濯機の蛇口に取り付けたいな。笑
エアストーンのおすすめの設置の位置
エアストーンをキスゴムやU字ジョイントなどで高さを決められる場合は、水面から低床までの高さの3分の1がおすすめです。
理由は、水換えのときにエアストーンとエアポンプを繋いだチューブを利用して水換えがかんたんにできるからです。
やり方としては、
- まずは大きめのバケツを用意。
- エアポンプ側のチューブを外し、口で少し空気を吸い込みます。
- そうするとサイフォンの原理で水が逆流するので、バケツで水を受けます。
自動的に3分の1の量の水を排水でき、魚を吸い込んだり低床を巻き上げたりしないので便利ですよ!
エーハイムのキスゴムでくっつけるエアストーンが便利でした。
まとめ
エアストーンの位置による違いを解説しました。
結論、どこでもOKということでしたね。笑
それでも僅かな違いはあるので、飼育スタイルによって「これがベスト!」と思われる高さを考えてみてください。
【関連記事】メダカにエアレーション(ぶくぶく)は必要!?
どの高さにしても飛沫はあるので、どうしても回避したい人はトットのアイテムもあり!
エアストーンの高さを固定したいのならU字ジョイントかエーハイムのデュフューザーがオススメです。
マイクロバブルを試してみたい!という人はアズーのスーパーバブラーVが手軽でおすすめです!これだったら設置位置を低めにして、微細な泡を楽しみましょう。
コメント