水草水槽の立ち上げ時にバクテリア剤は入れた方がいい?

基礎知識

こんにちは、ラッシュです。

アクアリウマー
アクアリウマー

水草水槽の立ち上げ時に、市販のバクテリア剤は入れた方がいいの?

バクテリア剤を入れることで、水槽の立ち上がりが早くなる?

水槽内の環境には影響を及ぼさない?

こういった疑問にお答えします。

ろ過バクテリアが増えれば水質は安定します。

水槽の立ち上げの目的は主にそこですね。

ということは、ろ過バクテリアが入ってる製品を使えばあっという間に水槽が立ち上がりそうですが、実際はそうはなりません。

この記事では、

  • 立ち上げ時のバクテリア剤の有効性
  • バクテリア剤に入っているもの
  • バクテリア剤を使う際の注意点

についてお話します。

バクテリア剤は入れた方が立ち上がりが安定する

市販のバクテリア剤は、入れた方が水槽の立ち上がりが安定します。

ですが、バクテリア剤を使わなくても問題ありません。

あまりハッキリしない答えですね。笑

というのも、バクテリア剤というと「水をキレイにする、ろ過バクテリアが入っている」と思いがちですが、実際は「ろ過バクテリアをアシストするバクテリア」が主な成分だからです。

ですので、市販のバクテリア剤を使うことは、

  • ろ過バクテリアの増殖を促すことで少し早く立ち上がる
  • 製品によってはろ過バクテリアも入っている(あまり長生きはしない)
  • セット初期のトラブルのリスクを抑える

といったメリットがあります。

ここから先は、バクテリア剤について少し詳しく解説します。

そもそもバクテリア剤とは何をするもの?

バクテリア剤の目的は、水槽のセット時に投入することで、ろ過バクテリアの増殖、定着をサポートし、スムーズに安定した水質を作ることです。

バクテリア剤そのものは、私たちが水槽の立ち上げで増やそうとしているバクテリアは含んでいません。

白濁りといった、なにかトラブルがあったときに応急処置として使うケースもありますが、ここではセット時に使うことを解説します。

バクテリア剤は何が入っているの?

バクテリア剤は主に有機物分解菌というものが含まれます。

液体タイプには、硝化菌が含まれるものもあり、やや高価です。

それぞれの働きを解説します。

有機物分解菌

フンやエサの食べ残しなどの有機物を分解している菌を有機物分解菌といいます。

分解するときにヌルヌルした、バイオフィルムを作り出します。

風呂やキッチンなどに発生するヌルヌルもバイオフィルムです。

バイオフィルムは、次で解説する硝化菌が定着するベースとなります。

硝化菌

毒性の強いアンモニアを亜硝酸に変えるアンモニア酸化細菌

まだまだ毒性の強い亜硝酸を、毒性の弱い硝酸塩に変える亜硝酸酸化細菌

アンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌をまとめて硝化菌と呼びます。

難しい単語ばかりですが、水をきれいにして魚が住みやすい水にしてくれるのが硝化菌です。

そして大事なのが、硝化菌はろ材にくっつかない、ということです。

有機物分解菌が作り出したバイオフィルムが接着剤となって、硝化菌はろ材や低床などに定着することができます。


主にバイオフィルムを素早く形成し、硝化菌の定着をサポートすることがバクテリア剤のメリットですね。

バクテリア剤を買うときは、有機物分解菌、硝化菌をチェックしましょう!

バクテリア剤を使うときの注意点

せっかくバクテリア剤を使うので、効果を最大限発揮するために以下のことに注意しましょう。

  • 魚を入れよう
  • 順調に増やすためにエアレーションをしよう
  • バクテリア剤の入れすぎに注意
  • バクテリアを守ろう

これら注意点について解説します。

魚を入れよう

ろ過バクテリア(硝化菌)にとってエサとなるのはアンモニアです。

せっかくバクテリア剤を投入しても、ろ過バクテリアのエサとなるものがないと増えることができません。

なので、エサを発生させる魚がいることが大切になります。

パイロットフィッシュを泳がせて、無理のない範囲でバクテリアの増殖を促しましょう。

順調に増やすためにエアレーションをしよう

バクテリアは酸素を必要としますので、十分な酸素を供給しましょう。

水草水槽の場合は、水草の光合成により酸素が供給されます。

光合成がストップする夜間はエアレーションをすることで、酸欠を防ぐとともにバクテリアを活発にすることができます。

バクテリア剤の入れすぎに注意

バクテリア剤はたくさん入れればいいというものではありません。

入れバクテリア剤が多すぎると酸欠を招いたり、環境のバランスが崩れて取り返しのつかないことになる可能性があります。

とはいえ2倍程度なら問題なく、10倍など極端な量はダメということです。

バクテリアを守ろう

バクテリアは水道水に含まれる塩素や、薬品、急激な環境変化により死んでしまいます。

特に水換えの際のカルキ抜きは忘れずに行いましょう。セット初期はやらないと思いますが、オキシドール、木酢液、p H調整剤などは注意が必要です。

まとめ

バクテリア剤について解説してきました。

バクテリア剤を使うことで、バイオフィルムが素早く形成され安定した立ち上がりが期待できます。

とはいえ、使わなくても立ち上げることはじゅうぶん可能です。

安定して立ち上がったかというのは結果を見ないとわからないので、「おまじない」としてバクテリア剤を使うのもいいですね。

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