水質への理解を深めよう!
水質を示す重要な指標、水温、pH、硬度(GH)。
今回は水温についてお話ししていきます。
pH、硬度については以下記事をご参照ください。
水温について
飼育水の温度です。飼育する魚が好む温度にすることで、本来の美しさを発揮し、健康的に飼育することができます。
水温が低い場合は、アクアリウム用のヒーターを使うことで水温を上げたり、好みの温度に調整します。
30℃を超えるような高水温になると飼育水の溶存酸素量が減るため、酸欠のリスクが高まります。酸素を取り込むためのエアレーションが有効です。
観賞魚と水温
鑑賞魚は変温動物と言って、自ら体温調整ができません。魚にとって水温が1℃変わることは、人間にとって4℃変わるのと同等といわれます。
寒い時期の水温や、朝晩の寒暖差は魚にとって大きな負担となります。じっと動かなくなったり、餌の食いつきが悪い、白点病などの病気リスクが高くなるなどの症状が現れます。快適に過ごせるように、飼育する生き物にとって最適な水温に調整してあげましょう。
水草と水温
水草にとっても水温は影響します。10℃以下になるとほとんどの水草は成長が鈍り、逆に30℃以上の高水温になると枯れてしまうことがあります。特にミクロソリウム等のシダ類を育てている場合は、シダ病という病気の発症リスクが高まるので注意が必要です。
水草は20〜26℃を保つのが良いとされています。20℃を下回らなければ、成長には問題ないでしょう。
生き物によって好みの水温が異なります
最適な水温は魚によって異なります。一部ですが、種類別の適切な水温をご紹介します。
一般的な熱帯魚
出典:チャーム
ネオンテトラをはじめとする一般的な熱帯魚の適正水温は24℃~26℃です。
メダカ
出典:チャーム
日本の四季に適応しているメダカの飼育可能な水温は0〜38℃と幅広く、氷が張った池の下でも越冬することがあります。活発に活動するのは25〜28℃で、この水温を保てば一年を通して産卵も可能です。
金魚
出典:チャーム
金魚も飼育の適温は15~28℃と幅広いです。ただし急激な温度の変化には弱いため、寒暖差の激しい場所での飼育は注意が必要です。
エンゼルフィッシュ
出典:チャーム
エンゼルフィッシュの飼育可能な水温は22~32℃です。 幅広い水温に適応できますが、急激な温度変化は病気のリスクが高まります。
アカヒレ
出典:チャーム
アカヒレの飼育可能な温度は10~27℃です。 丈夫で適応力もあるため、室内であれば冬場でもヒーターが無くても飼育できます。それでも体に負担がかかってしまうことは気にしてあげましょう。
ベタ
出典:チャーム
タイの水溜りのような環境でも生息できるベタは、30℃前後でも耐えます。快適に暮らせる温度としては、一般的な熱帯魚と同じ位の26℃前後が好ましいです。
ビーシュリンプ
出典:チャーム
ビーシュリンプの飼育に適した水温は22〜27℃です。水質の変化に敏感なので、水温の変動の少ない場所での飼育が好ましいです。
夏場の高水温対策
水温を上げることは簡単ですが、冷やすにはどのような方法があるのでしょうか。以下にご紹介します。
- エアコンで部屋そのもの冷やす
- 水槽用ファンの風を当てる
- 外部クーラーを使う
エアコンで部屋そのもの冷やす
水槽をいくつも置いている部屋なら、効率の良い方法です。
室温30℃を超える日が続く時期だけエアコンで冷房を付けっぱなしにして、水槽の水も一緒に冷やします。人間の熱中症対策にもなります。
水槽用ファンの風を当てる
水槽に取り付ける小型の扇風機のような器具です。3〜5℃程度冷やすことが可能です。水面の水を気化させるので、水の減りに注意が必要です。
外部クーラーを使う
水を冷却する、アクアリウム用の装置です。外部フィルターや循環ポンプに接続して使います。本体がやや高価になるのがデメリットです。
まとめ
水質を理解する上で重要な水温、pH、硬度のうち今回は水温についてお話ししました。
水温は水温計ですぐに分かり、体感的にも理解しやすいと思います。しかしながら、鑑賞上ヒーターを設置したくない、電気代が気になるといった理由から、水温を軽視してしまう場合もあります(もちろん、魚の生態を踏まえた上でヒーターを設置しないという事もあります)。
飼育する魚や水草に合わせた水温を保つことは基本的ですが大切なことなので、他の水質の要素と合わせて、意識してみてください。
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