【アクアリウム】流木のアク抜きの方法と重要性

基礎知識

アクアリウムのレイアウトに欠かせない素材の一つ、流木。ですが流木をそのまま水に入れても浮かんでしまってレイアウトどころではありません。また、流木からはいわゆるアクが出て水が茶色く濁ってしまいます。これは無害ではありますが、鑑賞性は落ちてしまいますね?こういったことを防ぐためには「アク抜き」という作業を行います。

本記事ではアク抜きの重要性ややり方について詳しく解説します。アク抜きの知識を身につけて、レイアウトや環境維持にお役立てください!

そもそもアクって何?

アクアリウムにおける「アク」というのは、水中の流木から染み出る物質です。具体的には、流木の内部に残ったフミン酸やフルボ酸などの腐植物質のことを指します。その中にはタンニン色素も含まれており、これが溶け出すと水を茶色く染めてしまいます。タンニン色素はお茶や紅茶に含まれる色素と同じで、お魚にとっては無害です。

腐食物質とは、自然界で植物が分解を繰り返して最終的にできた物質です。腐食物質は水草の栄養の吸収を良くしたり、魚の健康維持に効果があります。

アク抜きをするメリットとデメリット

アク抜きの方法をご紹介する前に、アク抜きのメリットとデメリットについても知っておきましょう!

アク抜きをするメリット

流木のアク抜きをする大きなメリットは、水に色が付かなくなることと、流木が浮かなくなることです。

アク抜きをすることで流木からアクが出なくなり、水が濁らなくなります。また、流木の中の空気が抜けることでレイアウトした流木が浮きにくくもなります。完全に浮かなくなるわけではないので、しばらくは重石を乗せて沈めましょう。

煮沸でアク抜きをする場合は、カビ菌を煮沸消毒できるので水カビが発生しにくくなります。

アク抜きをするデメリット

流木内部に残った腐植物質は水に溶けることで、水草や魚にとって良い水質に近づけます。またタンニンによるブラックウォーター化は、外敵から見つかりにくくなるため、魚のストレスを低減します。

アク抜きをすることで腐食物質は失われ、上記の恩恵を受けられなくなります。

アク抜きの方法

アク抜きについての知識が身についたところで、実際にやり方を解説します!アク抜きには以下のやり方があります。

  • 煮沸する
  • 水に浸け置く
  • 重曹を溶かした水に浸ける

それぞれ解説していきますね!

煮沸する

大きめの鍋に流木を入れ、沸騰したお湯で30分ほど煮沸します。そのあとは冷水ですすぎ、冷ましたらアク抜き完了です。流木が水没しない場合は、途中で何度か向きを変えてあげましょう。

この方法では、最も早くアク抜きが完了します。

アク抜きに使用した鍋は料理には使えないので、アク抜き専用の鍋にしてしまいましょう。

水に浸け置く

流木を水を張った容器に沈め、1〜2ヶ月放置する方法です。流木は重しなどをして浮かないようにしておきましょう。水が腐らないように2〜3日ごとに水を換えます。

最も安全でお手軽にできますが、かなり時間がかかってしまう方法です。

重曹を溶かした水に浸ける

「水に浸け置く」方法と同じ要領ですが、真水ではなく重曹を溶かした水溶液を使います。浸透圧の違いでアク抜きが早く完了します。

水1リットルに対して重曹を5グラム溶かした水溶液に流木を2日間浸けておきましょう。そのあと重曹の水溶液は捨てて、真水で3日以上浸けておきます(重曹を抜くため)。

アク抜きのタイミング

アク抜きのタイミングは、レイアウトの前日や直前で良いでしょう。煮沸以外の方法で行うときはレイアウト日から逆算して行います。

煮沸から取り出したばかりの流木は熱いので、ウィローモスやシダを巻くときはじゅうぶんに冷ましてから作業してください。

アク抜きによる効果と効果的な環境づくり

アク抜きをすることで水が褐色に濁ることを避けられますが、より効果的に濁りを防ぐには「活性炭」を併用すると良いでしょう。活性炭は色素も吸着するので、アク抜きで取りきれなかったアクを吸着してくれます。使い方は、活性炭パックをフィルターの濾過槽に入れてフィルターを作動させておくだけです。


アク抜きしたけどアクが出続ける時の対処法

本記事でご紹介した方法でアク抜きをしても、完全にアクを取り除けるわけではありません。

うっすらと茶色くなることがありますが、これは普通のこと。そのまま維持していればやがて透明にななります。

気になる場合は活性炭を濾過槽に入れ、色素を吸着させてしまいましょう。

まとめ|アク抜きの効果とアクアリウムの楽しさ

アクアリウムにおけるアク抜きの重要性ややり方、ポイントなどを解説しました。

前もってアク抜きをすることで、レイアウト後の水の濁りは防げましたか?アクアリウムはやっぱり、透き通った水で鑑賞したいですよね?

今回マスターしたアク抜き方で、キラキラと輝く水槽を目指してください!

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