水草水槽にエアレーションは必要?
どんな効果があるの?
どういうタイミングで行うべき?
こういった疑問にお答えします。
正直なところ、エアレーションは必須ではありません。実際にプロアクアリストの方でもエアレーションをしていない人もいます。
ですが、水槽の環境にとって良い効果があるのは間違いありません。
場合によってはエアレーションをしないと危険な時もあります。
本記事ではエアレーションの効果と、エアレーションの方法、エアレーションをするタイミングなどについてお話ししていきます。
そもそもエアレーションとは?
エアレーションとは、エアーポンプより発生した空気をエアーストーンへ送り込み、水槽内で気泡を発生させることをいいます。
学校や家で水生生物を飼っていた人なら、見たことがあるのではないでしょうか?あれは飾りではなく、ちゃんと意味があります。
エアレーションをすることで、水槽内に酸素を供給できるのです。
エアーストーンから気泡が上がるときや水面が波打つ際に、空気中の酸素が水の中に取り込まれます。
酸素が十分にあれば魚たちが快適に暮らせます。
私たちも、エレベーターが停電で止まって何時間も閉じ込められたら、酸素が薄くなって苦しいですよね?
魚も同じで、特に数が多いほど酸素が消費されやすくなります。過密な水槽ではエアレーションは大切です。
水草も酸素を作っている
自然界では、植物が光合成をすることで酸素を作り出していますね。
水草水槽でも、水草が光合成をしているので酸素が供給されています。
じゃあ、水草水槽にはエアレーションは必要ない?
と思いますよね。
はい、水草水槽にはエアレーションは必須ではありません。エアレーションをしないからといって、大きなトラブルには繋がりにくいです。
ですが、エアレーションをすることで水槽環境に良い効果もあります。
エアレーションをすることで得られる効果
エアレーションをすることで、以下のような効果が得られます。
それぞれ解説していきますね!
水草が酸素を作らないときの酸素供給
水草が光合成をすれば酸素が供給されるとお伝えしました。
ただしこれは水草が起きている時間で、水草が寝ている時は酸素を作ってくれません。むしろ、水草も二酸化炭素を吐き出しています。
そのため、照明を消した後は酸素が薄くなりがちです。
この時にエアレーションをしてあげると、酸素がじゅうぶん供給され、酸欠のリスクを軽減できます。
照明を落としてから、翌朝ふたたび照明を点けるまでの間はエアレーションすることをおすすめします。
バクテリアの活性化
水をキレイにするのはバクテリアの働きによるものです。
バクテリアも酸素を必要とします。
とくにセット初期はバクテリアを増やすことが成功のカギとなるので、なるべく多く酸素を供給したいところ。
日中は水草によって酸素が供給されるのでエアレーション不要。酸素の供給がストップする夜間はエアレーションをすることで、効率よくバクテリアを増やしていけますよ。
つまりエアレーションによってバクテリアを活性化させることは、水槽立ち上げを安定させるとともに、魚たちに快適な睡眠を届けられるということです。
油膜の除去
水面に油を垂らしたような「油膜」に悩まされたことはありませんか?
油膜の正体は「死んだバクテリア」。
これらはエアレーションによって攪拌し、他のバクテリアに分解してもらうことで除去できます。
ブラックソードテールというお魚も油膜の除去効果があるので有名ですが、エアレーションの方が簡単・確実です。油膜にお悩みの方はお試しください。
有害な物質やガスを抜ける
水槽内で発生した揮発性の有害物質や毒性のガスを、空気に触れさせる(ばっ気)ことで気化しやすくする効果もあります。
とくにこういった有害物質に敏感なエビ類を飼育している場合、エアレーションは有効です。
二酸化炭素濃度を下げる
水草を育てるために、CO2を添加している方は多いのではないでしょうか。
CO2(二酸化炭素)は空気中に逃げやすいという性質があります。水面が凪のように動かない場合は、空気に触れる面積が少ないのでCO2が逃げにくいですが、エアレーションによって水面が波打つことでCO2が逃げてしまいます。
水草を育てる上でこれはデメリットですが、例えばCO2の添加量を間違えてCO2濃度が上がってしまった場合に、エアレーションをすることで人為的にCO2を逃してあげることができます。
エアーポンプを使ったエアレーション方法が簡単
エアレーションの方法ですが、エアーポンプ+エアーストーンが一般的です。エアーポンプは家庭の交流電流を利用してポンプを動かし、空気を発生させます。これをエアーチューブを通してエアーストーンから放出します。
エアーストーンの位置については決まりはありませんが、以下の記事で詳しくご紹介しています。
エアーポンプ以外のエアレーション方法
水面を動かすことで酸素を取り込めるので、エアーポンプ以外の方法でもエアレーションは可能です。たとえば、
- フィルターの排水位置より水位を下げて水面を動かす
- フィルターの排水口の向きを変えて水面を動かす
- プロテインスキマーを使う
- フィルターの排水口に接続する、酸素供給用のデュフューザーを使う
といった方法でもエアレーションはできます。エアーポンプやエアーストーンを見せたくない人は良いかもしれません。
水草水槽におけるエアレーションのタイミング
エアレーションをするタイミングとしては、夜間が最適です。
昼間は水草が酸素を供給してくれます。光合成を盛んに行わせるためにCO2を添加します。エアレーションをするとCO2が逃げてしまうため、昼間のエアレーションはNGです。
夜は水草が光合成をしなくなり、むしろ水草も酸素を吸ってCO2を放出します。魚もバクテリアも酸素を必要とします。この時にエアレーションをすることで、生き物の酸欠を防ぎ、バクテリアに十分な酸素を供給して活性化させます。
ついでに有害物質やガスを抜き、油膜も取り除けるのでメリットがたくさん!
照明・CO2添加器具と同様にタイマーで制御しても良いですが、もう一個余計にタイマーが必要になります。エアレーションは手動でやっても問題ありません。
まとめ:夜間エアレーションはメリットたくさん
いかがでしたか?
エアレーションの効果と、具体的なやり方やタイミングを解説しました。
エアレーションによって得られる効果は
- 水草が酸素を作らないときの酸素供給
- バクテリアの活性化
- 油膜の除去
- 有害な物質やガスを抜ける
- 二酸化炭素濃度を下げる
でした。そしてエアレーションを夜間のみ行うことで、効率よく酸素供給ができるほか、エアレーションのメリットを享受できます。
エアレーションのポンプは水心SSPPシリーズが定番です。夜間のエアレーションにオススメです。
エアーストーンを投げ込むとソイルが崩れていや!という人には、ガラス面にキスゴムで固定できるエアーストーンなんてものもあります!あまりショップでは見かけませんね。
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より良い状態を維持するのに役立つエアレーション、ぜひやってみてください。
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