オトシンクルス(通称オトシン)は、コケ取り生体としても知られていますね。
コケを食べる様子や、ガラス面や流木に張り付く可愛らしい姿も人気の要因です。
ところでオトシンは、何匹くらい水槽に入れたらいいの?
本記事ではオトシンについての基本知識や、おすすめの適正数などをご紹介していきます。
オトシンクルスとは?
まずはオトシンについてかんたんにおさらいしましょう。
オトシンはアマゾン川からやってきたナマズ系の小型熱帯魚です。
全長は4cm程度。吸盤状の口を使って、コケを削るように食べます。
オトシンクルスが食べるコケは?
茶ゴケをよく食べます。茶ゴケは、セット初期に発生しやすい茶色っぽいコケです。
やわらかいものが好みのようで、茹でたほうれん草なんかも食べます。
ちなみに人工の餌を餌付けするのは難しいと言われています。
オトシンクルスの人気の理由
オトシンが人気なのは、やっぱりその姿。
オトシンは中層を泳ぐことは少なく、水草やレイアウト素材、ガラス面についたコケを食べ歩いて(泳いで?)います。
向きを変える時はクルッと急旋回。小刻みに動きながらほとんど止まることなく食べています。そのような、一般的な小型魚とは違った特徴的なアクションも観察できます。
コケを食べるからと言うより、水槽内いたら可愛いよね
オトシンクルスの代表的な種類3選
実はオトシンクルスにはさまざまな種類があります。ここでは代表的な3種類をご紹介します。
オトシンクルス
背に斑点があり、側面に黒い線がある。並オトシンとも呼ばれます。
オトシンクルス・ネグロ
体色が茶褐色。並オトシンよりもコケ取り能力と、値段が高い。オトシンの中では繁殖も狙いやすいと言われています。
ゼブラオトシンクルス
体に黒い横縞模様が入り、鑑賞性が高く人気。
オトシンクルスのおすすめの飼育環境
オトシンクルスの飼育環境については、
- pH6.0~7.0(弱酸性が好ましい)
- 水温は20〜26℃
- 水草が茂った環境がおすすめ
一般的な小魚の飼育ができている水草水槽なら問題ありません。水質に関しては、丈夫なほうです。
問題はエサで、コケが減るとどんどんと痩せて弱ってしまいます。
人工餌に慣れさせるのはむずかしく、エサの供給が安定しません。仮に慣れても他の魚に先取りされずにオトシンに届けるためには、何らかの対策が必要です。
オトシンクルスの適正数
ガラス面、葉面に付着した藻類をなめ取ってくれます。 60cm水槽で3~5匹が目安。
ゼロから始めるネイチャーアクアリウム
”60cm水槽に3〜5匹”これはネイチャーアクアリウムの神、アマノ氏が言っています。
しかし、栄養豊富で贅沢な環境、つまり茶ゴケもたくさん発生しやすい環境での適正数ですので、通常の環境では60cm水槽に2、3匹で様子を見るのが良いでしょう。
30cm以下の水槽ではエサが安定しないため、導入しないことをおすすめします。
他の魚との混泳
オトシンの性格は、マイペースだけど臆病という感じ。つまりオトシンからは危害を加えないけど、オトシンをつついたり追いかけたりする魚とは混泳NGです。そういった魚がいるとストレスを感じやすく、生存率が下がってしまいます。
例えば、
グラミー
グラミーは興味を持ってつつくからストレス大!水草が茂って隠れ場所が多いなら可能ですが、混泳は避けた方が無難です。
ネオンテトラ等の小魚
体長がオトシン以下なら基本的には大丈夫です。ただし攻撃的な魚は避けるか数を調整しましょう。
ヌマエビとの混泳
ミナミヌマエビは問題ありません。ヤマトヌマエビは生活領域が近いため、ときどき事故が起こります(お互いに攻撃することはありません)。ヤマトヌマエビも茶ゴケをよく食べるため、オトシン向けのエサの枯渇には注意が必要です。
サイアミーズ・フライングフォックス
雰囲気が近いサイアミーズですが大きくなると攻撃的にもなるので、オトシンを蹴散らすようになります。混泳NGです。
オトシンクルスの健康チェック
オトシンが手前側のガラス面に付いている時に、お腹をチェックしてください。健康だとふっくらしていますが、エサが足りないと細くなっています。
そのような時は
- ヤマトヌマエビを別水槽に移してエサとなるコケを残す
- 茹でたほうれん草をオトシンのエサとして入れる
- 水槽内の栄養を増やしてコケを増やす
といった対策をしましょう。
オトシンで失敗するのはほとんどがエサ不足です。
まとめ
オトシンクルスの適正数は、業界で説得力がある方が言うには60cm水槽に3〜5匹。一般的な環境では2〜3匹から様子を見るのが無難です。
オトシンはエサを安定供給するのが難しいため、導入はよく考えてから行いましょう。
とはいえ、オトシンはとても可愛らしい種。ぜひ長生きさせて、その可愛らしさを堪能してください。
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