コケ対策にはヤマトヌマエビと言われるが、実際、どれくらいの数を入れたらいいの?
こういった疑問にお答えします。
本記事では、
- 水槽サイズごとのヤマトヌマエビの適正数
- 他のコケ取り生体の働き
ついてお話しします。
コケ取り生体を入れる際の注意すべきポイントなども解説しますので、コケ取り生体の導入をお考えの方は参考にしてみてください。
この記事は動画でも解説しています。といっても見よう見まねで作ってみたので、クオリティは申し訳ありません(笑)。今後良くしていきます!
まずはヤマトヌマエビについて軽くおさらい
コケを食べて水槽をキレイにしてくれる生き物として、ヤマトヌマエビをご存知の方も多いのではないでしょうか。
ヤマトヌマエビは、ADAの創業者である故天野尚氏がその生態に着目し、水槽内の掃除役として導入。コケ取りに効果があることを世界的に広めました。
海外のアクアリストからは「アマノシュリンプ」と呼ばれるほど、ネイチャーアクアリウムに欠かせない存在となっています。
ADAが発信する水槽写真には、必ずと言っていいほどヤマトヌマエビの姿を確認できます。一緒にオトシンクルスと、サイアミーズ・フライングフォックスも居ることが多いですね。
天野氏の気づきがなかったら、多くの人が水槽のコケに悩まされていたかもしれません。笑
ヤマトヌマエビは60cm水槽に20〜30匹(ネイチャーアクアリウム)
そんな天野氏率いるADAのホームページには、以下のように書かれています。
ADAが提示しているので説得力がありますね。
ちなみにオトシンは3~5匹が目安とされています(60cm水槽)。
ですが、この例の水槽環境は、
- アマゾニアといった栄養が豊富なソイルを使っている
- 高光量の照明を使っている
- 水草にとってベストな環境を維持するメンテナンスが行われている
というリッチなもの。
初期段階でのコケ発生は想定したうえでの適正数と思った方がいいでしょう。
一般的な環境では60cm水槽で5〜10匹が目安
いっぽう、一般的に推奨されるヤマトヌマエビの数は、60cm水槽で5〜10匹と言われています。
水1Lあたりのヤマトヌマエビの数は0.083〜0.166匹となります。
他のサイズの水槽の場合は、総水量に上記の数字を掛け合わせた数でおおむね問題ないでしょう。
表にまとめますと、
水槽サイズ(cm) | 内寸容積(L) | ヤマトヌマエビ適正数 |
---|---|---|
W20×D20×H20 | 7 | 0〜1匹 |
W30×D18×H24 | 12 | 1〜2匹 |
W30×D30×H30 | 25 | 2〜4匹 |
W36×D22×H26 | 19 | 2〜3匹 |
W45×D27×H30 | 34 | 3〜6匹 |
W60×D30×H36 | 60 | 5〜10匹 |
W90×D45×H45 | 166 | 14〜28匹 |
目安ですので、環境やコケの具合によって調整してください。
ヤマトヌマエビの導入方法
ヤマトヌマエビの導入は、以下の手順がおすすめです(60cm水槽の場合)。
- まず5匹入れる
- 3〜4日ほど様子を見て、明らかな改善が見られなかったらもう5匹追加。
- さらに数日、様子を見る。
水槽によって環境は違うので、コケの増加(減少)スピードを見て判断してください。
コケが無くなった後は水草への食害リスクがあります。その時にエビたちを隔離できる水槽があると最高ですね!
10匹も入れれば、ほとんどの場合は改善するでしょう。それでも改善されない場合は、
- 水質が不適切(アルカリに寄りすぎているなど)
- 水流が偏っている(強すぎる、弱すぎる)
- 太陽光がわずかに差し込んでいる
などが原因で、環境のバランスが崩れている可能性があります。
ヤマトヌマエビを入れた方が立ち上げがスムーズになる
水槽のセット初期には、ケイ藻という緑色のもやもやと揺れるコケが発生しやすいです。
ろ過が出来上がれば自然と減りますが、ケイ藻によって光を遮られた水草は弱ってしまうことも。そうなると栄養が水草に吸収されずコケばかりが勢いを増してしまい、良くないループに陥ってしまいます。
ヤマトヌマエビを導入することでその対策になるほか、以下のようなメリットがあります。
うまくメリットを活かすことで、水槽を良い状態に導きましょう。
その他のコケ取り生体について
そのほかのコケ取り生体について特徴やポイントをお話しします。
- オトシンクルス
- サイアミーズ・フライングフォックス
- ヒメタニシ
- レッドラムズホーン
- ミナミヌマエビ
それぞれ解説していきます。
可愛さは★5!オトシンクルス
オトシンクルスはナマズ科に分類される愛嬌のある魚です。
コケ取り生体としても知られ、ヤマトヌマエビが食べないガラス面のコケを食べてくれます。
しかし、ガラス面についたコケはスクレーパーという道具で一発除去できてしまいます。石や水草の葉についた苔はオトシンクルスもヤマトヌマエビも同じように食べるので、オトシンクルスならではのコケ取りのメリットは少ないです。
ですが、可愛いから入れるのはアリでしょう。コケを食べながら葉から葉へ泳ぐ姿はとても可愛らしいです。
人口餌は食べ損ねることが多く、コケがなくなった場合のエサ問題を対策する必要があります。少々デリケートな面もあるお魚です。
成長すると手に余るサイアミーズ・フライングフォックス
サイアミーズ・フライングフォックスもコケ取り生体として知られるコイ科のお魚です。黒ヒゲ苔を食べる稀有な魚として認知度は高め。
ただし、
- 成長すると大きくなる(最大約12cm)
- 人口餌を食べるようになると、コケをほとんど食べなくなる
- 気象が荒く、他の魚を追いかける(致命傷は与えないが、しつこく追う)
といったデメリットが多く、コケ取りとしては期待ほどの働きをしてくれません。
成長すると60cm水槽の幅の5分の1を占めるサイズになるので、良く考えてからの導入をおすすめします。
90cm水槽なら黒ヒゲ苔予防のほか、ほどよく他の魚にストレスを与えてくれるので導入もありでしょう。
水草水槽との相性は微妙なヒメタニシ
3cm程度の巻き貝です。
コケや餌の食べ残しを食べてくれくれるほか、水質浄化の効果もあります。グリーンウォーターを透明にすることで知られますが、これは水中の植物性プランクトンを摂取するためです。
コケ取りとしては効果は薄く、土に潜る際にいろいろ掘り起こしてしまう、☆になった場合に水質悪化+悪臭を放つなど、扱いにくい面があるのであまりおすすめしません。
水槽に彩りを与えるレッドラムズホーン
インドヒラマキガイのアルビノを固定した改良品種です。貝類の中では人気がありますが、いっぽうでスネールとして嫌われる存在でもあります。その理由はなんといっても、爆発的に増えて鑑賞性を損なうことでしょう。
水槽内に数匹程度なら可愛らしいのですが、ひとたび増えだすと駆除が追いつかなくなります。
意図的に入れる必要性はないでしょう。
ヤマトに無いもを持っているミナミヌマエビ
ヤマトヌマエビとよく比較されるミナミヌマエビ。ヤマトヌマエビより小さくて可愛らしく、色のバリエーションも豊富、水槽内の自然繁殖も楽しめます。
魅力的ではありますが、体格差でコケ取り能力は劣ります。
また、繁殖できるということは良いですが、まれに爆発的に増えて困ることも。コケ取り勢力としてコントロールしにくく、使いづらい一面があります。
コケ取りはヤマトヌマエビがメインで、ミナミヌマエビは観賞用くらいが良いでしょう。
まとめ
ヤマトヌマエビの適正数や、他のコケ取り生体について解説しましたが、いかがでしたか?
これが正解!というものはありません。実際によく観察しながら判断していく必要はあります。
その場合の参考になれば幸いです。
コケのないキレイな水槽で、良いアクアライフを!
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