水槽内に、何やら小さい貝みたいな生き物が大量発生してしまった!
これらの小さな貝はスネールと呼ばれ、アクアリストから厄介者扱いされています・・・。
小さな命とはいえ、あまりにうじゃうじゃいると気持ち悪いですよね。
本記事では、
- スネールについて(種類や影響)
- 具体的な駆除方法
- スネール発生の予防方法
についてお話ししていきます。
大発生してからでも遅くはありません。しっかり対処していきましょう!
先日こんなツイートをしました。
このツイートに対して、多くのアクアリストの方からアドバイスをいただきました。ありがとうございます!この記事では実際に他のアクアリストの方が行って効果があった方法や、自分の経験を元に、スネール対策を解説していきます。
そもそもスネールとは?
スネールの本来の意味は、「巻き貝」のこと。
巻き貝にはたくさんの種類がありますが、小さくて、しばしば大発生して、美観を損なうような巻き貝をひっくるめて害貝、いわゆる「スネール」と呼びます。
アクアリウム界の厄介者のひとつです。
似たような厄介者に「プラナリア」というのもいますが、これはまたの機会にお話しします。
スネールの種類
代表的なスネールをいくつかご紹介します。
- カワコザラガイ
- インドヒラマキガイ
- モノアラガイ
- サカマキガイ
カワコザラガイ
笠型の殻を持つ貝ということで名前の由来となっている、体長3mm程度の貝です。その殻はもろく、潰れやすい。淡水としては珍しい笠型ではありますが増殖スピードが早く、害貝とされています。
野生で採取した水草には高確率でついています。
インドヒラマキガイ
レッドスネールの通称で古くから親しまれている体長10〜15mmの巻き貝。アクアリウムのタンクメイトとしての市民権はあるものの、やはり増えすぎると害貝認定されてしまう。
インドヒラマキガイが付着した水草を投棄して、野生で定着してしまったことが問題になりました。絶対にやめましょう。
ちなみにレッドラムズホーンはインドヒラマキガイのアルビノ種です。
モノアラガイ
2cm程度の薄茶色をした貝。モノアラガイの由来は「物洗貝」からきています。落ち葉や魚の死骸などを食べてくれて、爆発的に繁殖することはあまりない。
水面を逆さになって進む姿がよく確認されます。
サカマキガイ
殻が多くの貝類とは逆の、左巻きになっていることが特徴。
雄雌同体のうえに自家受精も可能で、あっという間に増殖することがあります。
水槽への影響
スネールが大発生しても、水槽への影響はほとんどありません。
貝類共通の懸念としては、
- 殻が炭酸カルシウムでできているため、pHが上昇する
- 死亡すると悪臭を放つ
- 水草が食害にあう
などがありますが、今回とりあげているスネールは小さいため、水槽への影響はほとんどないといえるでしょう。
ただしフィルターの濾過槽内で増えてしまうと、バクテリアが浄化されて濾過能力が低下する恐れがあります。
具体的なスネールの駆除方法
それでは具体的な駆除の方法です。
水槽に影響がないとはいえ、気持ち悪いものは気持ち悪い。鑑賞するためにアクアリウムをしているので、スネールはしっかり駆除して癒しの水景を取り戻しましょう。
スネールを駆除するには以下の方法が有効です。
- スネールを食べる生体を導入する
- スネール・バスターを使う
- テデトール
それぞれ見ていきましょう。
スネールを食べる生体を導入する
スネールを餌として食べてくれる生体を入れる方法です。薬品を使わず、安全にスネールを駆除できます。早ければ1週間程度でスネールは居なくなるでしょう。
アベニーパファー
世界最小の淡水で飼育できるフグ。愛嬌のある見た目や泳ぎ方が可愛らしくて人気です。人口餌に馴れにくい、気性が荒い性格、エビも食べてしまうといった難しい面もあります。
アノマロクロミス・トーマシー
スネールイーターとしても有名な約7cmのシクリッドの仲間。口に入る大きさの貝なら殻ごと豪快に食べてくれます。やっぱりエビちゃんも危ない。
キラースネール
約3cm程の、黄色と茶色の縞模様が美しい巻貝。自分と同サイズ〜小さい貝を捕食します。キラースネール1匹でラムズホーンを1日に2〜3匹捕食。
プレコ・オトシンクルス
こちらはスネールの卵を食べてくれます。ゼラチン質の卵嚢が食べられないと諦めてしまいますが、ある程度の予防として期待できます。
スネール・バスターを使う
安心・安全にスネール駆除ができるスネール・バスターという薬品を使う方法です。
スネール・バスターは魚・水草に無害な海藻抽出物質(ビタミンB3誘導体含有)を原材料とした安心・安全なスネール除去剤です。
https://www.uoharu.co.jp/SHOP/uoharu0001.html
薬品の効果によりスネールを麻痺状態にします。麻痺状態となったスネールをエビなどに食べてもらって駆除する方法です。スネール・バスターは軟体動物だけに作用するので、他の魚やエビがいても使用できます。
テデトール
全くお金をかけずに、かつ確実に数を減らせるのがテデトール、すなわち手で取る方法です。笑
飼育する生体や水草にも無害で、水質への影響もありません。他の駆除方法と併用することで、効率的にスネールの駆除ができます。
駆除する時の注意点
上記の対処法を行う際に注意していただきたいことです。
生体を入れる場合は、今後のことも考えて
スネール駆除生体を入れる場合は、混泳させる魚や、スネールが居なくなった後のことも考えて導入しましょう。
例えばアベニーパファーは気性が荒く、他の魚にちょっかいを出したりします。また人口餌に馴れないので、餌となるスネールが居なくなった後もちゃんと飼育できるかなどを導入前に確認しましょう。
日本に帰化しないように注意を払う
ラムズホーンは繁殖力が高いため日本への帰化が懸念されています。駆除した個体や卵塊の付いた水草を処分するときは十分注意してください。川に放流することは絶対にやめましょう。
スネールを未然に防ぐには
スネールの大発生を未然に防ぐには、水槽内に持ち込まないことが大切です。
多くの場合、水草を購入した時に小さい貝や卵塊が付いていたことで水槽内に持ち込んでしまい、そこから大繁殖してしまいます。
水草は水槽に入れる前に下処理をしてから植栽することで、スネールの混入を抑えることができます。
まとめ
スネールが大発生した時の対処法をご紹介しましたが、いかがでしたか?
駆除方法を軽くおさらいすると、
- スネールを食べる生体を入れる
- スネール駆除の薬品を使う
- 人為的に取り除く
でした。
注意点としては、
- スネールイーターと他の生体の混泳の相性
- スネールを駆除した後の飼育環境も見据えること
- 薬品による水質変化に注意する
といったことでした。
多くの生き物を飼育する水槽では、こういった生態系のバランスが変動することは起こり得ることで、
うまくバランスを取りながら環境を維持していくのがアクアリウムの難しさであり楽しさでもあります。リセットに踏み切る前に、さまざまに工夫を凝らして環境を改善していけると、アクアリウム上級者に一歩近づきますよ!
ご意見くださった方々、ありがとうございました!
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