アクアリウムで失敗しないために知っておきたい水質の話

アクアリウムで失敗しない水質の話 水質

この記事では、アクアリウムでとても大切な、水質についてお話しします。

魚を飼うのだから水質が大事っていうのは当たり前ですが、意外と意識していないものです。見た目に違いがわからないから意識しづらいのもあると思います。

ですが、水槽の生物たちにとって影響”大”なので、ぜひとも気にかけて欲しいです。

難しい言葉は省いています。化学の科目が苦手な方でも大丈夫です!

一度にたくさんの事を覚える必要はありませんが、基本的な水質について理解しておくことでアクアリウムにおける失敗を減らすことができます。

また、何かトラブルが起きた時も原因を考えるのに役立ちますので、ぜひ覚えておきましょう。

水質とは?

水質とは、水の性質や成分のことです。アクアリウムで重要となるのは、

  • 水温
  • pH
  • 硬度

この3つが特に重要なので覚えておきましょう。それぞれ簡単に説明します。

水温

水温はそのまんま、水の温度ですね。

pH

pH(ペーハーと読む)は水素イオン指数といい、水素イオンの濃度によって水が酸性かアルカリ性かを表します。pHは1~14の数値で表し、低いほど酸性、高いほどアルカリ性を指します。pH7のときは中性です。

硬度

硬度は、軟水~硬水の度合いを表します。水の中に含まれるミネラル成分の量が少ないほど軟水、多いほど硬水になります。

難しい言葉が出てきましたが、ここから先はもう出てこないので安心してください。笑

この3つの度合いが今どれくらいなのかを(できれば1週間に1度くらいは計測して)把握しておくことが大切です!

どうやって水質を測るの?

水温は水温計で測ります。ヒーターが正常に作動しているか確認するためにも水温計を設置しましょう。

pHや硬度を測るには、試験紙を使うのが簡単でおすすめです。試験紙を飼育水に浸し、試験紙の色の変化で水質を判断します。

いくつかの項目を一度に測れるものなら各要素の関係も掴めるので最初はオススメです

オススメな水質は?

水質を知る方法がわかったところで、結局どうするべきなの?

結論から言うと、熱帯魚と水草を育てるなら弱酸性の軟水で水温は26℃前後を保てれば調子が良くなります、と言う話です。

なぜなら、多くの熱帯魚や水草はこの水質の環境で生きてきたからです。

弱酸性とは、中性よりもちょっと酸性寄り(pH6〜6.5)のことを言います。

水質がズレてしまうと魚が調子を崩したり、水草が光合成をしなくなることがあります。

全ての魚が弱酸性の軟水を好むわけではなく、プラティやシクリッドなど、弱アルカリ性を好む種類もあります。

水質がズレている、その度合いが強いと魚にとっては生存の危機にさらされます。生物的な生存欲求が満たされないと、その先の生殖欲求を満たすこともできません。本来の美しい婚姻色を発揮することも当然できないので、適切な水質をキープすることはアクアリウムを管理する上でとても重要なのです。

自然界の水質

世界には様々な川があります。川の水は、気候や土壌から溶け出すものによってそれぞれ異なった水質を作り出しています。

川には様々な生物が暮らしています。そこにいる生物は、その環境に適応しているからこそ、生き延びてきました。

環境が変わると、新しい環境に適応できない生物は淘汰されていきます。

アクアリウム水槽も一つの環境です。水槽に新たに魚を入れるときは、その魚が適応できる環境にしてあげることが重要です。

例えば、アマゾン川に生息していた魚を導入するときは、アマゾン川の環境を再現してあげることが好ましいです。

弱酸性の軟水を作るためには

水質を弱酸性の軟水に調整する方法です。

水質調整に即効性のあるもの、急変させてしまうものは生物にショックを与えてしまうリスクがあるので注意が必要です。

オススメは以下の方法です。

  1. ソイルを使う
  2. CO2を添加する
  3. 石を使わない
  4. 貝殻を入れない
  5. 流木を使う
  6. 水草を育てる
  7. pHを下げる効果のあるろ材を使う
  8. 水道水の硬度に気をつける
  9. ゼオライトを使ってみる
  10. マジックリーフを使ってみる

ひとつずつ解説していきます!

ソイルを使う

最も簡単に水質を調整できると言われているのがソイルです。ソイルは硬度を上げる物質を吸着するため、水を軟水に傾けます。天然の腐食物質を含むソイルなら、水を弱酸性にもしてくれます。

こちらはpH4.5〜5.5程度に下げます

CO2を添加する

CO2を添加することで、化学的な作用で水を弱酸性に傾けます。水草の光合成に必要なものでもあるので、水草水槽にはいいことづくめです。

石を使わない

石からミネラル成分が溶け出し、水を硬水に傾けてしまいます。青味がある石ほどその作用が強く、赤っぽい石はそれほど影響しません。

貝殻を入れない

石と同じ理由で、成分が溶け出すことで硬水に寄せてしまいます。オブジェとして入れるのはあまりオススメしません。砂利や砂に貝殻が含まれていないか注意してください。カキ殻のろ材も使わないようにしましょう。

流木を使う

流木からも腐食物質が溶け出し、水を弱酸性に傾けます。アク抜きをあまりしない方がこの効果がありますが、水が茶色くなってしまいます。

水草を育てる

硬度を上げる物質を水草に栄養として吸収してもらいます。水質も良くなり、水草もさらに成長が良くなるという好循環が生まれます。

pHを下げる効果のあるろ材を使う

一部のろ材には、pHを弱酸性・弱アルカリ性などに調整する働きがあるものがあります。水質が安定しやすくなるメリットがありますが、お値段は高めです。


水道水の硬度に気をつける

住んでいる地域によって水道水の硬度が高い場合があります。水道水の硬度は自治体のホームページなどで調べることができます。硬度が高い場合は水換えの頻度を減らし、硬度に問題ない場合は水槽内に残留するミネラル成分を排出するため水換えを増やすといったことが効果的です。

ゼオライトを使ってみる

ゼオライトには硬度を上げる物質を吸着する効果があるので、水を軟水に傾けます。pHには影響しませんが、軟水になることで結果的にpHが下がりやすくなります。


マジックリーフを使ってみる

マジックリーフは天然の枯葉のようなものです。腐食物質が水に溶け出し、弱酸性に傾けます。水が茶褐色になることがあるので、気になる方は使わなくても大丈夫です。


水槽を新しくセットする時に、水槽の内容物やろ材等から狙った水質を維持しやすいかを考えてみましょう。

こうして見ると、水槽内にあるほとんどの物が水質に影響を与えていると言えますね!

まとめ

水質の重要性や管理方法などについてお話ししましたが、いかがでしたか?

見た目にどれも同じような水に見えるので軽視してしまいがちですが、私たちにとっての空気のように、魚たちにとっては重要なものです。

水質を適切に維持できれば魚や水草、バクテリアなどの微生物にとっても良いサイクルを作りやすくなり、水槽内の環境が安定し、美しいアクアリウムを長く楽しむことができます。

まずは試験紙などで、水質を測ってみることから始めましょう。

魚にとっての環境をいつでも気にしてあげることで、お返しのようにその体色の美しさで魅了してくれるかもしれません。

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