スポンジフィルターは生物濾過が優れていると聞くけど、デメリットは何?実際に使ってみた感想を知りたい!
こういった疑問にお答えします。
今回の記事は以下のような構成になっています。
- スポンジフィルターとは?簡単におさらい
- スポンジフィルターを項目ごとに5段階評価
- スポンジフィルターのメリット
- スポンジフィルターのデメリット
- オススメのスポンジフィルター
- 最後に、水草水槽好きから見たスポンジフィルターの感想でまとめています
知りたいところだけ目次から読んでいただくと良いと思います。
それではどうぞ!
スポンジフィルターとは【簡単におさらいです】
スポンジフィルターはアクアリウム用の濾過装置の一種です。
スポンジフィルターのろ材はスポンジです。
スポンジの部分でゴミを物理的にキャッチしつつ、スポンジ内に定着したバクテリアにより有害物質を分解・無害化します。
スポンジ部分の全体から水を吸い込み、上部の排水部分から水を出します。その際、エアーポンプから送られる空気が上昇する力(エアリフト)を利用して水を循環させています。よって、別途エアーポンプが必要で、設置条件によっては逆流防止弁もあると良いです。
プレフィルターとして、他の種類のフィルターと接続して使うこともありますが、一般的にスポンジフィルターといえば、円筒状のスポンジ+エアリフト式のシンプルなものを指します。
スポンジフィルターのメンテナンスは、本体からスポンジを抜き取り、飼育水を汲んだバケツの中で数回揉むという作業になります。これを状況によりますが月に一回程度、可能ならより短いスパンで行います。
スポンジフィルターの評価【項目別・5段階】
物理濾過 | ★★ |
生物濾過 | ★★★★ |
化学濾過 | |
導入コスト | ★★★★★ |
ランニングコスト | ★★★★ |
メンテナンス性 | ★ |
スポンジフィルターのメリット
スポンジフィルターは以下のようなメリットがあります。
- 生物濾過の能力が高い
- フィルター本体の値段が安い
- 酸素の供給ができる
- 小型水槽に設置しやすい
- ランニングコストが抑えられる
- 稚魚や魚のヒレを吸い込まない
- 他のフィルターに接続して使える
それでは1つずつ解説します。
生物濾過の能力が高い
シンプルな見た目とは裏腹に、高い生物濾過の能力を誇るのがスポンジフィルターです。
スポンジの表面積は驚くほど大きく、水を浄化するバクテリアが多く住み着く事ができます。
同時に酸素も供給でき、酸素によりバクテリアを活性化させるので、生物濾過に特化したフィルターといえます。
フィルター本体の値段が安い
スポンジフィルターの本体価格は1,000円前後です。外部フィルターと比べるとかなりお手頃ですね。ただしエアーポンプと逆流防止弁がない場合はこれらも用意する必要があります。
酸素も供給できる
エアリフト方式なので、水面が動く際に酸素を取り込みます。生体はもちろん、バクテリアにも酸素をたっぷり供給できるので、より生物濾過に有利な環境になります。
生体が多い水槽でも、酸欠のリスクを抑える事ができます。
小型水槽に設置しやすい
コンパクトなスポンジフィルターなら、小型水槽にも設置できます。モーターポンプ式のフィルターでは水流が強すぎて洗濯機状態になってしまうようなサイズの水槽でも、エアリフト方式なら穏やかな水流を得る事ができます。
ランニングコストを抑えられる
エアーポンプの1ヶ月の電気代はおおよそ50円程度です。
電気代(円)= 1時間あたりの消費電力(kW)× 使用時間(時間)× 料金単価(円/kWh)
水心SSPP-3Sの場合(2.8w)で料金単価を25円/kWhとして計算しました。
他に、スポンジは消耗品なので目詰まりしたり、ヘタってきた時は新品と交換します。
稚魚や魚のヒレを吸い込まない
エアリフトの水流が穏やかであることに加え、スポンジによって水流が分散されるので、魚が吸い込まれる事がありません。
モーターポンプ式のフィルターによっては、給水口のスリット付近は急流になり、稚魚や小さいエビが吸い込まれる事があります。特にベタのような大きなヒレが給水部分に張り付き、動けなくなるという事故が起きやすいです。
スポンジフィルターではそのような事が起こらないので、小さい魚がいても安心して飼育できます。
他のフィルターに接続して使える
外部フィルターや外掛けフィルターの給水部分にスポンジをかぶせ、大きなゴミをキャッチしつつ生物濾過も助けるといった使い方ができます。大きめなゴミが濾過層に入ってしまうのを防ぎ、メインのフィルターのメンテナンスのスパンを伸ばせるといったメリットがあります。
スポンジフィルターのデメリット
アクアリウムにおいては、メリットよりもデメリットの方を意識すると良いかと思います。スポンジフィルターのデメリットについてお話しします。
- スポンジが水槽内で目立つ
- 目詰まりを起こしやすい
- メンテナンスが面倒
- 水草水槽には不向き
- エアリフト式である事
- 化学濾過がない
- コケが付着しやすい
スポンジが水槽内で目立つ
有機物なバクテリアが多く定着するとはいえ、無機物的な物体は水槽内でかなり浮いた存在です。鑑賞の際の大きなノイズとなります。自然感の強いレイアウトには合いませんね。
目詰まりを起こしやすい
長く使用しているとスポンジ内部にゴミが溜まり、目詰まりを起こします。また、エアーチューブを差し込む突起の内部が詰まる事があります。テトラのスポンジフィルターはこれを起こしやすいです。
排水部分から出る水流を日々チェックしましょう。
メンテナンスが面倒
スポンジフィルターのメンテナンスは、スポンジを抜き取り、飼育水を汲んだバケツの中で数回揉むという作業。頻度はそこまで高くないですが、水槽内に手を入れるので少し面倒かと思います。
スポンジが横向きよりも縦向きの方が少し作業性がアップします。スポンジ部分が脱着しやすいマグネットタイプもありますが、高いお金を出してスポンジフィルターを買うくらいなら外部フィルターにしたいという印象。
水草水槽には不向き
エアリフトにより水中のCO2が空気中に逃げてしまい、CO2添加の効率が悪くなります。
植物の成長(光合成)にはCO2は不可欠なので、水草を健康的に育てたい場合はエアリフトは不向きと言えます。
参考記事:CO2添加は水草にどのような効果があるのか【お金を掛けずに添加する方法】
エアリフト式である事
スポンジフィルターのデメリットというより、エアリフト式であることのデメリットになります。
エアリフトのデメリットとして、泡が弾ける際に跳ねた水滴が床や水槽台に飛び、材質の劣化につながる事があります。また、ブクブク音、エアーポンプの振動音など、神経質な方は睡眠の妨げになったりします。
化学濾過がない
スポンジフィルターは化学濾過ができないので、セット初期の濁りがなかなか解消されず、立ち上がりが遅いと感じるかも知れません。生物濾過が十分発揮されるまでは効果が実感しづらい面があります。
コケが付着しやすい
長期間使用していると、スポンジ表面に黒ヒゲ苔が生える事があります。見た目が良くない上、水流にも影響します。黒ヒゲ苔は除去が難しく、薬品による対策ではバクテリアにも影響を及ぼすため、交換するか水槽をリセットするといった選択になります。
スポンジフィルターがオススメの水槽
上記のメリット・デメリットを踏まえて、スポンジフィルターがオススメの水槽についてお話しします。
小型の水槽
モーターポンプ式のフィルターでは水流が強すぎてしまう場合でも、エアリフト式のスポンジフィルターなら穏やかな水流を生み出してくれます。また、水槽に対してフィルターが大きすぎるといったこともありません。
稚魚やエビの水槽
小さな生体を吸い込まないこと、スポンジ付近に発生する微生物が稚魚のエサになること、酸素が十分供給できることから稚魚やエビの水槽に向いています。
ベタ水槽
ベタのヒレを吸い込まない、ベタのストレスにならない水流、スポンジの上で休憩するベタが見られるかもしれないという理由です。笑
ベアタンク
見た目は気にせず、生き物のことを第一に考えた水槽であれば、強力な生物濾過と十分な酸素供給ができるスポンジフィルターは良い選択肢になります。
オススメのスポンジフィルター
オススメのスポンジフィルターをいくつかご紹介します。
- 【テトラ】ブリラントフィルター
- 【スドー】ベタのフィルター
- 【LSS Laboratory】Nanoスポンジフィルター
【テトラ】ブリラントフィルター
スポンジフィルターの定番商品です。適度な密度のスポンジが生物濾過を効率的に作用させます。グリーンのパイプはコケが付着した時に目立たなくなる効果があります。サイズも豊富で、スポンジが2個使用されるものや、水槽のコーナーに設置できるクォーター形状のものもあります。前述しましたが、長く使っているとチューブ差し込み部分が詰まりやすいと感じました。
【スドー】ベタのフィルター
超小型水槽にフィルターを設置するならこちらです。生物濾過と優しい水流をプラスします。ベタは水流をあまり好まず、酸素供給も必要ありませんが、少しでも水をキレイにして健康的に過ごして欲しいのならオススメです。
【LSS Laboratory】Nanoスポンジフィルター
シンプルなスポンジフィルターです。テトラのグリーンのパイプが好きじゃない人は、ブラックはいかがですか?かくパーツが結構しっかりして長く使えそうです。サイズも豊富ですが、このような2つのスポンジで上を向いているものは片方ずつメンテナンスができ、スポンジも引き抜きやすいのでオススメです。
まとめ【水草水槽とスポンジフィルター】
スポンジフィルターは安価でシンプルながら、素晴らしい生物濾過の能力がありますが、水草に焦点を当てて考えるとデメリットが目立ってしまいます。
ただ、私の水槽の60センチスリムタイプ、侘び草をハンガーで吊るした水槽では、スポンジフィルターが適度な水流と生物濾過を担ってくれています。水中葉が無いレイアウトなのでCO2は添加していません。水を止めないための適度な水流と、(おまけ程度で)水質安定のため生物濾過が得られれば十分で、それには小型のスポンジフィルターがぴったりでした。
アクアリウムにおいては各種アイテムのデメリットを知っておく事が大切です。CO2とエアリフトなどもそうですが、デメリットがどう影響するかを意識しましょう。その上でメリットを活かせられれば、水槽内の環境を良好に保てるはずです。
スポンジフィルターもメリット・デメリットを理解し、うまく使いこなしてみてください!
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