【アクアリウム】ソイルとは?

基礎知識

アクアリウムの低床材のひとつ、ソイル

初心者の方には聞きなれない名前かもしれませんが、アクアリウムではとてもよく利用される低床材です

水槽の低に敷くものといえば砂利が有名ですね

ですが水草が繁茂した水槽を見ると、だいたいソイルが使われています

なぜ砂利や砂じゃなく、ソイルが良いのか?

この記事では、

  • ソイルについて
  • ソイルのメリット・デメリット

をご紹介します!

ソイルとは?

ソイル(soil)を日本語にすると

ソイルとは土を粒状に焼き固めたもので、アクアリウム用の低床材の一つです

簡単に特徴を説明すると、

  1. 原料由来により、黒〜褐色をしています
  2. 大きさは5mm以下程度で、粒のひとつひとつは球体に近い形をしています
  3. 水質を安定させる働きがあります
  4. 多孔質で、不純物などを吸着する働きがあります
  5. 指で潰せます
  6. 潰すと細かい土になってしまいます
  7. 長年使用していると形が崩れます

3つ目の水質を安定させるというのは、具体的には弱酸性の軟水をキープしやすくなります

この働きによって、魚や水草にとって良好な環境を保ちやすくなりました

ソイルの働き

ソイルは多孔質のため、水中に漂う物質を吸着します

黄ばみや濁りの原因となる物質を吸着し、水槽セット初期の水の濁りを抑えます

ミネラル成分を含まず、水質をアルカリ性に傾ける物質を吸着できるので、弱酸性の軟水を作りたい時に最適です

ソイルの機能的には、以下の2種類に分けられます

  • 栄養系ソイル
  • 吸着系ソイル

栄養系ソイルは水草の栄養入り

栄養系ソイルは天然由来の栄養分を含み、水草の育成に適しています

反面、コケにとっても栄養豊富となり、セット初期にコケが生えやすいというデメリットがあります

栄養は水草によって消費されていき、吸着系ソイルと同等になります

水草を水槽スタートから勢いよく育てたい時や、ミスト式で立ち上げるときは栄養系ソイルがオススメです

吸着系ソイルは水を綺麗にする

吸着系ソイルは、水の黄ばみ・濁りの原因となる物質を吸着し、水中に漂わないようにする働きがあります

水質をアルカリ性に傾ける物質を吸着し、水質を弱酸性に保ちやすくなります

栄養分はほとんど含まれません。とはいえ水草育成はぜんぜん可能です

余分な栄養を含まない分、追肥によってコントロールしやすいというメリットがあります

栄養をあまり必要としない陰性水草が多い水草水槽や、水質に敏感な魚の飼育、エビ水槽にオススメです

粒のサイズの違い

ソイルは粒の大きさによって

  • ノーマル
  • パウダー
  • スーパーパウダー

というふうに分けられ、下に行くほど粒が小さくなります。厳密な規定はありません

サイズの使いわけ

ノーマルタイプ単体だけでも全然OKですが、粒のサイズが違うものを組み合わせて使うこともあります

基本的にはノーマルタイプを敷き、その上にパウダータイプを1cm程度の厚みになるように敷きます。そうすることで、水草の植栽時に水草が抜けにくくなります

スーパーパウダータイプは超小型水槽やボトリウム以外ではあまり使われません

ソイルの使用方法

  • ソイルは洗わずに使用できます
  • 袋に切り込みを入れ、水槽に直に注ぐように入れます
  • 三角定規やサンドフラッター等で平に整えます
  • 手前を薄く、奥を厚くすることで奥行き感を演出しやすくなります

ソイルを入れる前に、底にあらかじめ固形栄養剤や、低床の微生物の環境を良くするために軽石をベースにした低床を撒く場合もあります

ソイルには寿命があるため、一度使用したソイルは新たな水槽に使用しないことをおすすめします

もったいないと感じる方は、発泡スチロールの箱に古いソイルを入れて水を張り、余った水草を水上葉栽培するのに使うという方法もオススメです

ソイルを使用するメリット

ソイルを使用するメリットは以下の通りです。ほとんど水草にとってのメリットですね

  • 水質を弱酸性に保つ
  • 水草を育成しやすい
  • 水草を植栽しやすい
  • 水草が根を張りやすい
  • 栄養系ソイルは水草のスタートダッシュに最適

水質を弱酸性に保つ

アルカリ性に傾ける物質を吸着するので、水質を弱酸性に保ちやすくなります。多くの熱帯魚や水草は弱酸性を好むので、飼育の失敗を抑えることができます

水草を育成しやすい

上記の水質は多くの水草に好環境。そのため、水草育成の難易度が下がります

多孔質で微生物も住みやすいため、根からの栄養の吸収が良くなります

水草を植栽しやすい

ソイル自体が軽く粒状のため、水草の植栽がしやすいです。ノーマルタイプの上にパウダータイプも敷いている場合は水草が浮いてしまうのをある程度抑えられるので、さらに植栽がしやすくなります

水草が根を張りやすい

適度な隙間に根を通しやすく、多孔質のためしっかり根を張ることができます

また、角が無いため水草を痛めにくいといえます

栄養系ソイルは水草のスタートダッシュに最適

水草の栄養を含んだソイルは根からの栄養吸収が良く、水草の成長を助長します

早く水草の繁茂した水槽を作りたい場合に最適です

ソイルを使用するデメリット

ソイルのデメリットは以下の通りです

  • 1年程度で交換時期が来る
  • 使い回しができない
  • 低床の掃除がしづらい

一年程度で交換時期が来る

長期に渡って使用していると、ソイルが崩れて土のようになってきます

そうなると通水性が悪くなり、低床環境が悪化、水質にも影響します。リセット、もしくは後述する創造配植を検討します

使い回しができない

ソイルがだんだん崩れてくるという理由から、一度使ったソイルの再利用はおすすめしません

低床の掃除がしづらい

ソイル自体が軽くすぐ動いてしまうので、ホースなどを使った低床の掃除は難しいです

ホースを近づけて、水流によって吸い出すという方法で掃除します

Q&A

紹介しきれなかったソイルに関する事をQ&A形式でお話しします

ソイルは底面フィルターのろ材として使えますか?

底面フィルターとの相性は△

吸着系のソイルなら利用できます。栄養系ソイルは栄養分が水流に乗って流れるので、コケの大発生が懸念されます

ソイルは多孔質でバクテリアが定着しやすく、不純物を吸着できるので、ろ材+活性炭のようなろ材といえます。ですがソイルはいつか崩れるという性質上、長期に渡っては使用できません。また、かき混ぜると崩れたソイルが舞うので、低床内のフンやゴミの掃除がしにくいです

底面フィルターには繰り返し使える砂利がやはり適しています

エビの愛好家の方は、吸着系ソイル+底面フィルターを好まれる方が多いです。

ソイルが締まるってどういうこと?

レイアウトの制作中に、ソイルが水を含むとソイル同士の隙間が少しだけキュッと詰まります。これを「ソイルが締まる」ということがあります

ソイルが締まることを意識しないと、セット時にソイルの上に乗せた石が注水時に動いてしまうことがあるので注意が必要です

ソイルを敷く前に石や流木をしっかりとレイアウトし、動かなくした上で周りにソイルを敷くとレイアウトが崩れる心配がありません

ソイルが崩れてきたらリセットしなきゃいけないの?

基本的には、ソイルが崩れたらリセット時期と考えましょう

ですが、創造配植という方法もあります

創造配植とは、レイアウトの骨格は変えずに、低床だけを一部・もしくは全部を交換する方法です

老朽化したソイルをスコップやホースで吸い出し、新しいソイルを補充します

石や流木をしっかりとレイアウトし、簡単には動かないようにしていれば創造配植が可能です

ソイルブレイクとは?

ソイルによって吸着された物質が、再び放出されることです

ソイルとしての機能が失われるタイミングを表します

水質が急に変わるので注意が必要です

まとめ

ソイルについて解説しました

もう一度おさらいすると、

ソイルには、

  • 栄養系ソイル
  • 吸着系ソイル

があり、栄養系は水草の栄養を含む。吸着系は栄養を含まない。どちらも吸着の作用はあります

根張りの良さ、植栽のしやすさ、水質の保ちやすさから、水草育成に最適

もちろん水草以外に魚にとっても良好な環境になるので魚・エビの飼育にも向いています。本来の美しさを見せてくれますよ!

粒のサイズは

ノーマル > パウダー > スーパーパウダー があり、基本はノーマルを選べばOKです

その上にパウダーを薄く敷くと、植栽がよりやりやすくなります

ソイルは崩れる、機能を失うといった寿命があるため、一年程度で交換(リセット)が妥当

それはあくまで目安で、一部のソイルを交換するか、創造配植といった選択肢もあり長期使用も可能

ソイルはアクアリウムの難易度を下げてくれるといえます

本記事がソイル選びの参考になれば幸いです

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