こんにちは、ラッシュです。
アクアリウムショップに行くと水草コーナーやレジ横に、「水草その前に」があったりしますね。
水草を水槽に入れる際の様々なリスクを減らしてくれる、アクアリストにはお馴染みの商品です。
ただ、その必要性とかはわかるものの、ひとつ200円はちょっとお高い。何か他のもので代用できたりしないのでしょうか?
本記事では、水草のトリートメントの重要性と、「水草その前に」の代用品についてお話しします。
※本記事でご紹介する方法について、安全性を保証するものではありません。ご了承ください。
水草をそのまま入れると様々なリスクがある
「水草その前に」の代用その前に(笑)、前知識として知っておくべきこと。
水草をそのまま水槽に入れると、次のようなリスクがあります。
- 残留農薬リスク
- 害虫リスク
水槽の今後に関わるので、ぜひ意識していただきたいところです。
残留農薬リスク
海外から輸入される水草には殺虫効果のある農薬が付着しています。
代表的な成分であるアセフェートは、魚は耐えられますが、エビなどの甲殻類にはごく少量でも致命的。興奮作用があり、エビが元気よく泳ぎ回ったと思ったらピタっと止まって沈み、を繰り返したら農薬の作用を疑った方がいいでしょう。
害虫リスク
水草に付着したスネールやプラナリア、ヒドラなどを持ち込んでしまうリスクです。それらが水槽内で大繁殖し、除去しても増え続け手に負えなくなってしまうこともあります。
ショップで管理している水槽から持ち込んでしまうことが多いです。
まだ水が出来上がっていない状態でこれらが大発生してしまうと、維持するモチベーションも下がってしまいますね。
なぜ農薬が付着しているの?
海外から輸入された水草は検疫を通すために農薬が使われています。検査に通らないと水草は処分されることもあるため、メーカーは対策として農薬を使用します。よって外国産のものは注意が必要です。
日本に害虫を持ち込まないために農薬は大切な役割を持ちますが、アクアリウムで使用する際は注意が必要です。
「水草その前に」の成分と効果
「水草その前に」の主成分は焼成カルシウムです。水に反応すると強いアルカリ性になり、酸性の農薬の中和や殺菌効果があります。
「水草その前に」はパッケージにもあるように、
- 農薬
- 付着生物
- 腐敗菌
の除去に有効です。
前述したリスクを抑えることができます。ただし、水草の内部に残った農薬には効果が期待できません。ですがこれは、どのような処理方法でも同じことが言えます。
お手軽さと信頼性を考えると、200円でも納得ですね。それにしてもキャッチーな商品名(笑)
水草その前に、は消石灰で代用できる
「水草その前に」は、主成分が同じ水酸化カルシウムである消石灰で代用できます。
圧倒的コスパで代用できます。ためしに「消石灰(しょうせっかい)」で検索してみてください。同じ値段で1kg買えます(笑)
消石灰の使い方
消石灰と水の割合は以下の通りです。
水 2Lに対して、消石灰 1g
「水草その前に」と同じですね。
浸けるのは最大で10分までです。長時間浸けると水草が痛むので調整してください。
薄い葉はとくに傷みやすいので気をつけてください。メダカ水槽によく使われるアナカリス、マツモ、そしてウィローモスも該当します。
消石灰の取り扱いの注意点
消石灰は水と混ざると強いアルカリ性になるので、体に付くと粘膜を傷つける恐れがあります。特に、目に入らないようにご注意ください。
「片栗粉と間違えて料理に使ってしまった」という報告もあります。食品添加用のパッケージを見てご家族の方が間違えないよう、徹底した管理をおすすめします。
その他の、水草の下処理でできること3選
その他の、水草の下処理の方法を3つご紹介します。
- 炭酸水
- 重曹
- トリートメント水槽
炭酸水
炭酸水は水草に付着したスネール除去に効果があります。
炭酸水は強い酸性を示し、スネールを窒息させたり、害虫にpHショックを起こさせる効果があります。スネールの卵には効果がありません。
ショップ水槽管理の水草など、農薬は抜けているがスネール等が心配という場合におすすめです。
重曹
重曹(重炭酸ソーダ)は弱アルカリ性で、pHは8.5程度です。酸を中和する作用があり、農薬の中和に多少なりと効果があります。pH12以上から殺菌作用があると言われているので、付着生物の除去は期待できません。
「水草その前に」が無い時に、家にあるもので代用したい場合はありかもしれません。
トリートメント水槽でしばらく管理
買ってきた水草をトリートメント用の水槽でしばらく管理し、農薬を抜く方法です。1ヶ月程で農薬はほぼ抜けます。農薬を吸着する活性炭も併用すると効果的です。
別水槽が必要なうえ、すぐに水草を使えないというデメリットがあります。
農薬の付いていない水草は?
以下の水草は農薬がついていない、または比較的安全と言えます。
- 国産の水草
- 組織培養の水草
- ショップでエビが泳いでいる水槽の水草
- フリマサイトから買った水草
国産の水草
検疫を通す必要がない国産の水草は、無農薬のものが多いです。ひとつのウリになるので、無農薬のものは「無農薬」と表示があります。表示がない場合は、ショップスタッフに確認してみましょう。
ホームセンターで売っているビオトープ用の水上葉は、農薬が使われていることが多いのでご注意ください。
組織培養の水草
無菌状態で栽培される組織培養の水草は、農薬もスネールも付きません。
ADAのカップに入って売られている水草などが組織培養の水草になります。ADA製のものは少々高いですが、安全性と品質は最上級です。
ショップでエビが泳いでいる水槽の水草
ショップの管理水槽で、エビがの〜んびりと泳いでいる水槽の水草は農薬が抜けて安全といえます。
ただし、スネールや黒ヒゲはチェックしましょう。
フリマサイトから買った水草
近年ではメルカリなどのフリマサイトでも、水草の売買が盛んに行われています。中にはショップ顔負けの環境で管理された高品質な水草も出品されていることも。流通コストが低い分、低価格で出品されるのがほとんどで、ショップよりも安く購入できるメリットがあります。
出品者を見極める目が必要ですが、信頼できる人が見つかれば頼もしいですね。
まとめ
水草のトリートメントの重要性と、「水草その前に」の代用品についてお話ししました。
「水草その前に」は安全性が高いですが、同じ成分の消石灰で代用できる、ということ。
その他にもトリートメント方法があり、農薬リスク・害虫リスクによっていくつか選択肢があるとお話ししました。目的に応じて、ご紹介した方法を試してみてください。
手間はかかりますが、水槽の維持に重要なステップになります。
適切なトリートメントで、快適な鑑賞を!
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