ハムスターは寒さに弱い動物です。温度が10℃以下になると、冬眠状態に陥ることがあります。冬眠はハムスターにとって自然な行動ですが、飼育下による冬眠は「擬似冬眠」といって、生命に関わる危険な状態です。
ハムスターの擬似冬眠を防ぐために、寒さ対策をしましょう。
ハムスターの冬眠を防ぐ5つのポイント
ハムスターの冬眠を防ぐためには、以下の5つのポイントを押さえましょう。
- 室内温度を18℃以上に保つ
- ケージの周囲を断熱する
- 巣材を増やす
- 巣箱の断熱効果を高める
- ペット用ヒーターを設置する
それぞれ解説していきます。
1. 室内温度を18℃以上に保つ
ハムスターの冬眠を防ぐためには、室内温度を18℃以上に保つことが重要です。周囲の温度が10℃以下になると、ハムスターは冬眠状態に陥りやすくなります。
エアコンやストーブなどの暖房器具を使って、室内温度を常に18℃以上を保つようにしましょう。また、布団などでケージの周囲を囲んで、冷気が入り込まないようにするのも効果的です。
エアコン等による暖房は私たち人間にとっても温かくて良いですが、電気代が気になるもの。そんな時はペットのケージ専用のヒーターがおすすめです。
2. ケージの周囲を断熱する
ケージの周囲を断熱することで、ケージ内の温度を保つことができます。ケージの外に断熱材を貼ったり、ケージを置く場所を工夫したりして、ケージ内の温度が下がりにくい環境を整えましょう。
ただし、室温が極端に低い場合は断熱だけでは限界があります。
3. 巣材を増やす
巣材を増やすことで、ハムスターが寒さから身を守ることができます。
(※)巣材とは、ティッシュや綿、新聞紙などを細かくしたもので、ハムスターの寝床や出入り口を塞ぐためにハムスター自身が使うものです。
ハムスターは、寒いときには巣箱の巣材の中に隠れて、体温を保つ習性があります。ですので、これらの巣材を切らさないように、多めに入れておきましょう。
巣材はティッシュを割いたものが有効です。ティッシュを縦に細長く割いたものをケージに入れておくと、ハムスターが巣箱に持ち込み、ふかふかの柔らかいベットを自ら作ります。
4.巣箱の断熱効果を高める
ケージの断熱だけでなく、巣箱にも断熱効果があるとより快適な温度で飼育できます。
具体的には、
- 巣箱を大きくする
- 複数の部屋がある巣箱にする
- 開口部の少ない巣箱にする
といったことが寒さ対策につながります。市販のものは観察することを想定していて、保温性は高いとは言えません。牛乳パックや木材でDIYするのもおすすめです。
私は100円均一の木のティッシュボックスケースに、コンパスカッターで穴を開けたものを巣箱にしていました。
5.ペット用ヒーターを設置する
ペット用のパネルヒーターも有効です。
ケージの下に敷くタイプが便利です。ただしケージの材質によっては温まりにくいこともあるので注意が必要です。また、設置する際はハムスターが快適な温度を選べるように、ケージ全体ではなく一部分を温めるようにしましょう。
ヒーターをケージ内に設置する際はコードを齧られないように注意してください。
ハムスターの擬似冬眠とは?
ハムスターの擬似冬眠とは、寒さを凌ぐために、冬眠に似た状態に陥ることです。
ハムスターは本来、冬眠をしない動物です。地中深くに作った巣穴の中で、蓄えたエサを食べながら冬を越します。
しかし何らかの原因で寒さの中に投げ出されてしまったとき、生命を守るために仮死状態に入ります。この時はほぼ生命活動はストップしていますが、心臓はゆっくり動いています。
温かくなると再び活動しますが、冬眠以前より弱ってしまったり、後遺症が残ることがあります。つまり、ハムスターの冬眠はとても危険なのです。
ハムスターが擬似冬眠してしまったら?
ハムスターが冬眠してしまった!?まずは冷静に、擬似冬眠か、死んでしまったかを判断しましょう。
擬似冬眠の見分け方
擬似冬眠の場合は、
- 体にわずかに弾力がある
- かすかに呼吸をしている
- かなり遅いが心臓が動いている
擬似冬眠の場合は、極限まで生命活動を停止しますが、止まってはいません。鼻の先にティッシュの切れ端を近づけて、ティッシュが揺れるか(呼吸をしているか)を確認しましょう。
死んでしまっている場合は、
- 腐敗臭がする
- 体がカチカチに固い
- 尿をしている
といったことで判断できます。腐敗臭とは、部屋に入った瞬間にわかるほどです。ショッキングな状況ですが、確認できた場合は復活できません。供養してあげましょう。
擬似冬眠から復活させる方法
擬似冬眠ということが判明した場合は、安全に復活できるように以下のことに気をつけながら温めます。
- 揺すったりしない
- 急激に温度を上げない
- 濡らさない
急激に温度を上げない・・・自然界の「春の到来」のように、徐々に室温を上げます。18℃程度でも十分です。ドライヤーやお湯に入れるといったことは絶対にしてはいけません。
ハムスターを巣箱に優しく置いて、巣材などを敷き詰め、室温を18℃〜24℃程度に保って様子を見ましょう。
あなたに慣れていたハムスターなら、両手のひらで優しく包んであげます。あなた自身も冷やさない環境で行いましょう。数時間で目覚めることがあります。
まとめ
ハムスターの冬眠を防ぐためには、室内温度を18℃以上にする、ケージの周囲を断熱する、巣箱や巣材を工夫するなどの対策が必要です。これらの対策をしっかりと行うことで、ハムスターが冬を元気に過ごすことができます。
また、冬場はハムスターの体調をよく観察することも大切です。食欲が低下したり、元気がなくなったりしたら、すぐに獣医師に相談しましょう。
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