底面フィルターは、どんな水槽に適しているの?
底面フィルターのメリット・デメリットを教えて!
はい、お答えします!
この記事では底面フィルターのメリット・デメリットを解説し、それらを踏まえた上でオススメの底面フィルター3つと、買わない方がいい底面フィルター2つをご紹介します。
底面フィルターは一度セットすると、次のリセットまで交換・撤去が難しいので、メリットとデメリットを理解した上で導入することをオススメします。
また、メリット・デメリット以外の細かい疑問もQ&Aでお答えしています。本記事を読めば、底面フィルターで失敗することはないでしょう。
それではどうぞ!
そもそも底面フィルターとは?
底面フィルターとは、水槽内の底面に設置して使用するろ過装置です。
スノコ状のベースを敷き、その上に砂利などの低床を重ねて敷きます。
水が低床を通って循環することで、低床に住み着いたバクテリアが水を浄化します。
低床そのものをろ材にしてしまおう、というのが底面フィルターです。画期的な底面フィルターですが、メリット・デメリットが存在します。本記事でチェックして、底面フィルター導入にお役立てください。
底面フィルターのメリット
底面フィルターは他のフィルターに比べて以下のようなメリットがあります。
ひとつずつ解説します!
フィルター本体が格安
底面フィルターは構造自体は単純なので、価格が安いです。
エーハイムの2213という外部フィルターは本体が9,000円でろ材容量が3Lですが、バイオフィルターは底床をろ材とすると、約8L(60cm水槽の底床の適量)のろ材が使用できて本体は1,500円程度です。
ろ過能力に関してはコスパ最強です!
ただし、別途エアーポンプが必要です。
強力な生物ろ過
底面フィルターは底床を全てろ材として使用するのでバクテリアの定着面積が大きく、生物ろ過の能力が高いです。
底面フィルターは生物ろ過による浄化作用を最大限に活かせます。
60cm水槽に8kgの砂利を使用したら、それらに住み着いた大量のバクテリアによって強力なろ過作用を得ることができます。
砂利はろ材専用に作られたわけではないので、バクテリアの定着面積は専用ろ材には劣ります。とはいえ、たくさんのろ材に相当します。
酸素も供給できる
底面フィルターはエアーポンプを併用しますので、酸素もじゅうぶんに供給します。
生体にとって住みやすく、バクテリアが活性化しやすい環境を作ります。
水面に油膜が張りにくいという効果もあります。
底床内に有害物質が発生しにくい
底床内に水が循環するため止水域が出来にくく、有害物質が発生しにくい環境となります。
止水域とは水の流れの少ない領域のことで、酸素不足を生じやすくなります。
酸素不足は硫酸還元を行う嫌気性菌が好む環境でもあるため、水槽での水生生物の飼育にあたっては、止水域が生じないように気をつける必要がある。
引用元:Wikipedia
つまり、増えてほしくない細菌が増殖しにくい環境をつくります。
厄介な藍藻の予防にも効果的です。
稚魚を吸い込まない
外部フィルターなど吸水口が狭いものは急流になるため、稚魚を吸い込みやすくなります。底面フィルターは低床全体で吸い込むため水流が緩やかで、稚魚を吸い込む心配がありません。多少は下の方に引っ張られているかもですが。
ベタなど長いヒレを持つ魚を飼育している場合も、ヒレが吸い込み口に張り付く心配が無くなります。
吸着系ソイル+底面フィルターの組み合わせは、稚魚やエビの繁殖をしている方にも人気のセッティングです。
水槽の外がスッキリする
観賞が主なアクアリウムは、水景が良くても周りの器材がごちゃごちゃしていては台無しです。
底面フィルターはフィルター部分が底床の下に隠れるので、スッキリ・シンプルに設置できます。
外部フィルターはどんっと存在感がありますね。一方、底面フィルターの場合はエアーポンプだけです。
フィルターそのものの存在感は感じさせないのも底面フィルターならではです。
以上が底面フィルターのメリットです。次に底面フィルターのデメリットをお話しします!
底面フィルターのデメリット
底面フィルターには以下のようなデメリットがあります。
解説していきます!
水槽内に煙突が目立つ
底面フィルターから突き出たパイプが美観を損ないます。こればかりは隠しようがなく、どの商品も安っぽいパイプなので高級感がありません。
パイプだけガラス製だったら美しいのに・・・
メンテナンスがしづらい
しっかりレイアウトされた水槽だと、低床の掃除がしづらくなります。
底面フィルターは底床に溜まったゴミを定期的に取り除くことが好ましいです。スポンジフィルターのスポンジをバケツの水で濯ぐと水が真っ黒になるように、物理ろ過のゴミは意外と溜まります。
砂利だとプロホースなどで簡単に排出できますが、ソイルを使っている場合はなかなか大変です。
ゴミが溜まると通水性が悪くなり、水質が変化する事があるためメンテナンスが大切になってきます。
水草水槽には不向き(できないことはない)
底面フィルターで水草水槽をやろうと思っても、
- エアリフト式だとCO2が逃げる
- 底面フィルターは砂利の方が便利
- 底面フィルターのベースに水草の根が絡む
- ソイルの栄養が流出する
- 固形栄養剤が使えない
こういった理由から水草水槽には不向きと言えます。
素直に外部フィルターを選びましょう。
とはいえ、底面フィルターでも水草水槽はできない事はないです。
エアーリフトでなければCO2が逃げにくいので、このようなモーターポンプ式なら水草育成も可能です。
中級者向きである
底面フィルターが中級者向きである理由として、水槽立ち上げ時の水質が安定しにくいところがあります。
他の多くのフィルターは物理ろ過、生物ろ過に加えて、活性炭等を使った化学ろ過という作用があり、これは水槽立ち上げ初期の有害物質や不純物を取り除くのに有効ですが、底面フィルターは化学ろ過は行いません。
バクテリアの繁殖や、底床内に溜まる(見えにくい)ゴミなどを意識しないといけないので、初心者には難しい面もあります。
以上が底面フィルターのデメリットになります。
メリット・デメリットを踏まえて、底面フィルターを使いたい!という人向けに、次の項からはオススメ底面フィルターをピックアップします!
底面フィルターのオススメ3選
機能がシンプルゆえどれもさほど違いは無いですが、オススメの底面フィルターをご紹介します。
ニッソー バイオフィルター
底面フィルターといえばコレという、定番商品です。数年使用してもベースが変形しにくく、定番という事で信頼性があります。ムダなものが無いので、初めて底面フィルターを試される人にもおすすめです。
本当に丈夫なので、何年にもわたって使い続けたい人に向いています。
GEX マルチベースフィルター
バイオフィルターよりも安くて、拡張性があります。GEXの外掛けフィルターや外部フィルターとの連結が可能で、よりろ過能力をアップしたいという人にはオススメです。逆に言うと、拡張したりしないのならニッソー製のものとあまり変わりません。
パイプの途中の黒い部分が気になるかもですが、低い位置なので簡単に隠すことができます。
外掛け式フィルターに合うように設置しておけば、途中でエアーポンプ式に変更したくなってもリセットせずにできるので、飼育スタイルに合わせて柔軟に環境を変えられるのも嬉しい点です!
エーハイム 底面直結フィルター
エーハイムの外部フィルターと接続して、ろ過能力を大幅にアップします。アロワナ、オスカー、パロットファイヤー等の大型魚や、数百匹の大量の魚を飼育している場合には強力なろ過能力が頼りになりそうです。強大なろ過能力が欲しい、バクテリア定着済みの砂利の資産があるという方にはオススメ。エアーポンプ式ではないのと、適合するフィルターが限られるのでご注意ください。ちょっとお高い気もしますが・・・。
エーハイムの外部フィルター単体でも強力なろ過能力ですが、それに底面フィルターも加わることで非オーバーフロー水槽では最強の濾過になるのではないでしょうか。
あまりオススメしない底面フィルター
逆に、あまりオススメできない底面フィルターを理由付きでご紹介します。
ニッソー スライドベースパワー
エアーリフト式でないのはCO2が逃げない意味で良いですが、ポンプが低い位置にあるので底床に埋もれてしまいます。そうなるとポンプにトラブルがあった際に手の施しようが無くなります。
ポンプが水面付近にあるものを選ぶか、別売りのポンプを買って連結させる方が良いです。下記の記事でその例をあげていますので良かったら参考にしてください。
コトブキ ボトムボックス
エアーストーン要らずというのはメリットですが、エアーポンプのチューブ差込口が低い位置にあるので、底床に埋もれます。もうお分かりですね。チューブが抜けたら詰みます。また、チューブ差込部の小さい穴は経年とともに詰まりやすくなるので、メンテナンス性を考えるとあまりオススメできません。これはあるあるなので覚えておくと良いでしょう。
底面フィルターのよくある質問
底面フィルターのよくある質問をQ&A形式でまとめました。
- ろ過能力が最強の底面フィルターはどれ?
- 底面フィルターのろ過能力を上げるにはどうしたらいい?
- 底面フィルターの排水部から水が出ない!
- 底面フィルターと外掛けフィルターを連結するメリットは?
- 底面フィルターはメダカの飼育にも使える?
- ろ材を低床がわりに使ってもいいの?
- 底面フィルターはソイルでも使える?
それぞれにお答えします!
ろ過能力が最強の底面フィルターはどれ?
ろ過能力が最強の商品は、コレというのはありません。というのも底面フィルターのろ過能力は、低床や水流に左右されるので、底面フィルターそのものの違いは少ないです。
その中でも、
- 壊れにくい
- 扱いやすい
- 安定している
という点で選ぶとしたら、ニッソーのバイオフィルターではないでしょうか。作りがシンプルなぶん、変形しにくく長く使えます。アクアリストからの信頼度も最強です!
底面フィルターのろ過能力を上げるにはどうしたらいい?
工夫しだいで底面フィルターのろ過能力を高めることができます。おすすめの方法は、
- 多孔質の低床を敷く(セラミック製の砂、細かめの溶岩石など)
- 水流を強くする
- 排水パイプを2本立てる
多孔質の低床を使うことで、バクテリアの定着面積がアップします。
エアリフトはどうしても水流が弱いので、
- エアーポンプをワンサイズアップする
- 水中ポンプを使う
- 他のフィルターと連結する
といった方法で水流をアップすることで、よりたくさんの水をろ過できます。
排水パイプから遠い所は水流が弱くなるので、排水パイプを2本立て、それぞれにエアーを分岐して使うのも効果的です。
底面フィルターの排水部から水が出ない!
エアーストーンの目詰まりが考えられます。
エアーストーンがコケや微生物によって目詰まりすると、十分なエアーが出なくなってしまいます。そうなると水が循環されず汚れていってしまうので、エアーストーンの洗浄か交換が必要です。
エアーリフト式の底面フィルターには起こりがちなので、設置後でもエアーストーンが交換できる製品かどうか、確認しておくことが大切です。
それで解決しない場合は、フィルター側のチューブジョイントの中が詰まっている可能性もあります。やはり洗浄か交換が必要です。
底面フィルターと外掛けフィルターを連結するメリットは?
底面フィルターのデメリットである、「ろ材をカスタマイズできない」問題を解決できます。
ろ過に活性炭を使いたいとか、マジックリーフを入れたいといったときに、外掛けフィルターのろ過層に投げ込むことで好みのろ材にカスタマイズが可能になります。
加えて、水中ポンプで水流が安定しつつ、総水量も少し増やすことができます。
底面フィルターはメダカの飼育にも使える?
もちろん使えます。メダカは他の熱帯魚ほど弱酸性の水質を求めないので、ソイルを使わない環境でも問題なく健康に暮らせます。
グリーンウォーターを使う場合も、化学ろ過を使用しない底面フィルターは水質維持に適しています。
また、水面に浮かべた産卵床にも干渉しないため、ブリーディングの弊害になりません。
メダカ飼育は、底面フィルターのメリットを活かしやすいといえます。
水草水槽でメダカ飼育をお考えならぜひ↓の記事もお読みください。
ろ材を低床がわりに使ってもいいの?
使っても大丈夫です。見た目が気にならなければ、ですが・・・。
60cm水槽の水をろ過するには3リットルくらいのろ材が適切です。60cm水槽では8リットル分くらいの低床を使うので、それをろ材に変えればかなりの表面積が確保でき、高い生物ろ過が期待できそうです。
人工な感じがしてしまうので、あえて使う必要はないでしょう。セラミック製の砂利や溶岩石も多孔質で生物ろ過に適しているのでおすすめです。
底面フィルターはソイルでも使える?
使えますが、1〜2年でリセット期がきます。
ソイルの粒は徐々に崩れ、1年程度で砂のようになってしまいます。そうなると低床環境が悪化、じゅうぶんなろ過ができなくなるので、リセットに迫られてしまいます。
また、ソイルによって水草を育てようにも、
- フィルターベースに根が絡む
- CO2が使いにくい
というデメリットがあります。
底面フィルターにソイルは使えなくもないが、相性はあまり良くないといえます。
まとめ
いかがでしたか?
底面フィルターは使い方によっては強力なろ過能力を得る事ができます。
アクアリストとしての腕を試されるじゃないですが、メリットとデメリットを理解した上でうまく使いこなす事ができれば、お値段以上の効果を発揮します!
ぜひ挑戦してみてください!
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