メダカを飼育するにあたり、エサ選びは重要になります。
この記事ではミジンコをメダカのエサとして活用するメリットと、その具体的な与え方や管理の方法について詳しく解説します。
そもそもミジンコとは?
大きさが1〜2mm前後のプランクトンの一種です。
環境が良いと自分のクローン(メス)を産んで増え続けます。環境が悪くなるとオスを産み、これとメスが交尾すると耐久卵と呼ばれる、乾燥状態にも耐える卵を産みます。
つまり良い環境ではとにかく数を増やし、「ここはやばいぞ!」と感じると耐久卵を産んで次の世代に託すのです。
確かにその方法なら、全滅はまぬがれそうだね
ちなみにミジンコの目は左右が融合していて、正面から見るとサイクロプスのような顔をしています。トゲがあるのは、ボウフラの幼虫に食べられないためらしいですよ!
次に、メダカのエサとして人気のミジンコを2種ご紹介します。
タマミジンコ
メダカのエサとしてよく利用されるのがこのタマミジンコ。暖かくなると田んぼに発生します。寿命は18日程度です。
タイリクミジンコ
タイリクミジンコもメダカのエサとして流通しています。原産国は中国大陸だからタイリクミジンコで、タマミジンコより少しだけ大きい。寿命は60日程度と長く、増やしやすいのが特徴です。
ミジンコがエサとしておすすめな理由
ミジンコがエサとしておすすめなのは、以下のような理由からです。
それぞれ解説します!
栄養価が高い
タンパク質や脂が豊富で、メダカの健康を維持する上で役立ちます。繁殖の際も十分なエネルギーを蓄えることができます。
嗜好性が高い
人工の餌よりも明らかにメダカの食いつきが良いです。生き物としての「捕食する」という本能を呼び覚まします。
水を汚さない
ミジンコが生き餌であるために、食べ残したとしても水を汚しません。人工のエサは残るとカビが生えて水を悪化させますが、ミジンコはその心配がいりません(ミジンコの大量増殖による酸欠などのリスクはあります)。
飽和給餌が可能
飽和給餌とは、メダカが「常にお腹いっぱい」であるエサの与え方。つまり、常に体力マックスな状態で飼育ができます。繁殖を最大限に行う上で重要な要素となります。
稚魚の餌にもなる
メダカの稚魚(針子)の餌になります。人工のエサを食べてくれなかったり、食べ残しが水を汚したりと何かとむずかしい針子のエサですが、ミジンコは自然と食べてくれるうえに栄養豊富。水も汚さないため、稚魚育成に適しています。
ミジンコをエサにするメリット
ミジンコを与えることで得られるメリットをご紹介します。
メダカが美しく健康に育つ
栄養価が高いエサにより、健康的な体格や発色が期待できます。免疫力も高まり、病気のリスクを減らします。
たくさん卵を産むようになる
産卵はエネルギーを多く使いますが、そのエネルギーをたっぷりと補給します。毎日のように産卵を促したいとき、そのパフォーマンスを最大限に発揮します。
メダカ本来の姿に近づく
逃げる獲物を追うという、捕食の本能を呼び覚まします。本来、生息していた環境に近くなるので、より野生に近い姿のメダカを観察できます。
ミジンコの増やし方
ミジンコは増やせます。ここではミジンコのエサを考え、増やす方法をご紹介します。
それぞれ解説します。
グリーンウォーター
グリーンウォーターに含まれる植物性プランクトンをエサとしてミジンコを飼育できます。自然界でもミジンコが植物性プランクトンを食べることで、生態系のバランスを保っています。
植物性プランクトンは光合成して増えますが、増えすぎるとかえって環境が悪化します。薄緑色で、泳ぐ魚がはっきり見えるくらいが良いでしょう。
一方のミジンコも増え過ぎには注意が必要です。酸欠などが起こり、生命危機を感じると耐久卵を作ってしまいます。そうなると、そのグループのミジンコの飼育が困難になります。
グリーンウォーターではミジンコが短時間で増えるので、こまめな水質管理が大切です。
鶏糞ペレット
ミジンコの飼育容器に鶏糞ペレットを入れることで、鶏糞をエサとして微生物が発生し、それをミジンコが食べます。
グリーンウォーターよりもミジンコの増えすぎを防ぐことができます。つまり管理がしやすいということです。デメリットはニオイ・・・。
鶏糞ペレットは100円ショップでも入手できます。
ドライイースト
イースト菌を水に溶かすことでミジンコのエサとなる微生物が発生します。
水2Lに対して耳かき1杯くらいのドライイーストを基本とし、様子を見ながら調整してください。
ドライイーストはスーパーで手に入ります。
ミジンコを増やす際の注意
ミジンコを管理し、増やす際の注意点をお話しします。具体的には以下の3つです。
それぞれ見ていきましょう。
水温25℃前後を保つ
ミジンコは20℃以下の環境では活動が弱まります。増殖をさせるためには25℃前後を保ちましょう。
ミジンコはカルキに弱い
ミジンコは水道水に含まれるカルキ(塩素)に弱いです。水を換える・継ぎ足すときはカルキ抜きを行いましょう。
増え過ぎに注意
ミジンコは環境が悪くなると耐久卵を産み、増殖がストップします。逆にいうと耐久卵を産ませてはいけないということです。
ミジンコ水槽の環境に気を配る必要があります。一つのバロメーターとして、以下のような現象があります。
- ミジンコトルネード
- 背中に胡麻
ミジンコトルネード
何かの技名みたいですが(笑)、大量のミジンコが集まって渦を巻いたようになる現象です。
ミジンコが増えすぎて環境が悪化しています。いったん、ミジンコをエサとして大量に消費してしまい、水換えもして環境を改善しましょう。
背中に胡麻
ミジンコの背中に胡麻をつけているように見えたら、それは耐久卵ですのでその水は適応不可な水ということです。半分以上取り替えて様子を見ましょう。
ブラインシュリンプよりもミジンコが良い理由
ブラインシュリンプもメダカのエサとして人気ですが、稚魚の段階で与えすぎると早く大きくなりすぎるということがあります。それの何が問題かというと、メダカの体色が乗ってくるよりも早く体が成長してしまい、本来のバランスの取れた姿ではなくなってしまう可能性があるためです。
とはいえ、とても優れた生き餌です!
ミジンコの入手
ミジンコを手に入れるには以下の方法があります。
それぞれ見ていきましょう。
生きたミジンコを買う
ペットショップや通販で生きているミジンコ入りの飼育水を購入できます。
耐久卵を買う
ミジンコの卵の状態で購入し、飼育容器に入れます。水質が合えばミジンコが孵化します。
採取する
田んぼや池で、プランクトンネットを使って自然から採取します。思わぬ微生物が採取できるかもしれません。コスパは悪いですが、おもしろい体験ができそうですね!
ミジンコエピソード
過去にミスト式という方法で水槽を立ち上げた時の話ですが、セットから2〜3ヶ月して水を入れた時、大量のミジンコがソイルの中から発生しました。おそらく耐久卵がソイルに混じっていたのだと思います。駆除用にメダカを数匹入れたのですが、エンドレスに食べ続けていました。メダカは満腹を感じないというので、あまりにも食べ過ぎるとどうなるか心配でしたが問題なかったです。笑
まとめ
いかがでしたか?ミジンコが優れたエサとなることがお分かりかと思います。
観賞魚のエサは充実していますが、生き餌に勝るエサはありません。健康面はもちろん、捕食の本能を呼び覚ます意味でもミジンコはおすすめです。
また、思うように産卵してくれないときも有効です。もしグリーンウォーターをすでに管理しているなら簡単に導入できるので、一度与えてみてはいかがですか?
驚くほど活発なメダカが見られるかもしれません。
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