メダカの販売サイトを見ると、黒い容器に入っていること、多いですよね。
「メダカの色を引き立てるため?」
それもありますが、実はメダカの色をより濃く発色させるためなんです。
メダカは周りの色に、自分の体色を合わせています。これを背地反応と言います。
保護色という言い方が馴染みがありますが、メダカ業界では「背地反応」が好まれて使われます。
なぜ背地反応が起こるの?
メダカは周りの環境に体色を合わせることによって、敵から見つかりにくくしています。
背地反応は、メダカが捕食者から身を守るための重要な手段です。
そもそもメダカはなんで色があるの?
メダカの体の表面(鱗や皮膚の下)には、色素胞(しきそほう)と呼ばれる特別な細胞があります。この色素胞の中には、色素顆粒(しきそかりゅう)という小さな粒が入っています。
色素胞の中の色素顆粒が動くことで、メダカは体の色を変えることができるのです。
メダカの色素胞は4つだけ
メダカは、黒、黄、白、虹色の4種類の色素胞を持っています。メダカの色彩豊かな体色は、これら4種類の濃度やバランスによって表れています。
この中でも、体の色を変えるのに一番重要なのは黒色素胞です。
ちなみに朱色〜赤色をしたメダカも、上記4つの色素胞の組み合わせにより赤く見えているだけなんです。赤い色素胞が無いなんて信じがたいですよね!
背地反応を見る方法
メダカを一晩黒い容器で飼い、その後白い容器に移します。黒い容器にいたメダカは体色が黒くなり、白い容器に移すと数分で体色が白っぽくなります。これはメダカが黒い環境に馴染むために黒くなり、白い環境に移ると白くなることで、環境に適応しようとする反応です。
ブラックメダカのように、どのような環境でも同じ色を保つ種類もいます。
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背地反応のメカニズム
メダカは自分がいる環境を「光」で判断します。実際には、水中に差し込む光と、地面から反射する光、つまり上と下からの光を目で感じます。この情報が脳に送られ、環境の明るさを判断します。
メダカが白い環境に置かれると・・・交感神経が刺激され、ノルアドレナリンという物質が分泌されます。これにより、黒色素胞が一カ所に集まってきて体色が白くなります。
メダカが黒い環境に置かれると・・・交感神経が抑制され、ノルアドレナリンの分泌が止まります。脳下垂体からホルモンが分泌され、黒色素胞が広がり、体色が黒くなります。
白い環境だと、メダカにはちょっとストレスを与えているかも
目から以外の情報による背地反応
目からの情報のほかに、色素胞が直接光に反応して色が変わることもあります。
強い光が当たると直接反応して色素顆粒が広がり、紫外線から体を守ると考えられています。私たちの日焼けみたいですね。
まとめ
改良品種の美しい色は、4つの色素胞が関係しています。それらは神経やホルモンの影響も受けています。特に、環境に応じて体の色を周りに合わせる反応を背地反応と言います。
飼育する容器の色でメダカの体色が変わって見えます。本来の色は変わりませんが「ショップでは色が濃かったのに自宅水槽に移したら色が薄くなった」といった事になりかねません。逆にあなたが販売する側のときにもが配慮が必要です。
また、今後ブリーディングに挑戦するような場合には、今回の情報は重要になってきます。
美しいメダカの色彩への知識を深めて、よりメダカの世界を体験してください。
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