水草水槽のランニングコストと、節約するコツ

水草水槽は魚たちに安らぎをもたらすと同時に、美しい水景は私たちの心も癒してくれます。

しかし、その水景を維持するにはランニングコストがかかります。

水槽用品の電気代やエサ代、その他の消耗品の数々。趣味としてはランニングコストはあまり高くないですが、全て把握してる人は少ないはず。

本記事では、水草水槽にかかるランニングコストについて詳しく解説していきます。

維持費を節約するポイントもあわせてご紹介します!

これから始める人も、すでに初めているが維持費が気になる人もご参考にしてみてください。

水草水槽のランニングコスト

水草水槽を維持するには以下のようにランニングコストがかかります。

水草水槽のランニングコスト項目
  • 魚のエサ
  • 水草の肥料
  • CO2ボンベ
  • 水槽用品の電気代
  • 水質調整剤(カルキ抜き)
  • 水道代
  • 化学濾過(活性炭)

なお、本記事のランニングコストのシミュレーションは、

  • 60cm水槽
  • ソイルを使った水草水槽
  • CO2添加
  • 小型の熱帯魚を30匹程度飼育

といった環境をモデルにしました。

それぞれ解説します。

魚のエサ

エサは魚が健康に暮らすために必要です。1日に2回、数分で食べきれる量を与えましょう。

エサの消費量は魚のサイズや数によって変わりますが、私はADAのAPフード(1,200円)で1年以上は持ちます。

エサ代:1ヶ月あたり120円

水草の肥料

水草の成長には栄養が欠かせません。魚の排泄物や、ソイルに含まれる成分が水草の栄養となります。しかし魚の排泄物では補えない物質や、ソイルの栄養が枯渇してしまった場合は、追肥をして栄養を補うことで水草が健康に育ちます。

肥料も飼育環境や植物によって消費量が変わるので、一例をご紹介します。

固形肥料の定番のイニシャルスティックは、1,200円ほどで数年使える量があります。2年使う計算で1ヶ月あたり60円。

アクアギークのルーツという優秀な液肥は100ml入りでこちらも1,200円ほど。1週間に1度、5mlが適量なので1ヶ月換算で240円。

固形肥料:1ヶ月あたり60円

液体肥料:1ヶ月あたり240円

肥料合計:1ヶ月あたり300円



CO2ボンベ

水草は栄養と光、そしてCO2を利用して成長します。CO2は水槽内で発生する量では足りないため、強制添加をして補ってあげましょう。CO2の添加の方法はいくつかありますが、ここでは一般的な「小型CO2ボンベ式」で計算しました。

小型CO2ボンベはネットで買うと1本500円ほどで買えます。1ヶ月に1本使用するとして、1ヶ月あたり500円。

小型CO2ボンベ:1ヶ月あたり500円

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水槽用品の電気代

ランニングコストと言えば、電気代を抜きに考えられません。水草水槽は、照明、フィルター、ヒーターなどの水槽用品が電気を消費します。

詳細は別記事で解説していますが、シミュレーション結果より、

最も高くなる冬季の電気代は以下の通りです。

機材1日あたりの電気代1ヶ月の電気代
照明9.11円273.3円
フィルター3.72円111.6円
ヒーター59.52円1785.6円
エアーポンプ1.12円33.6円
合計73.47円2,204.1円

そして、それ以外の季節の電気代は以下の通りです。

機材1日あたりの電気代1ヶ月の電気代
照明9.11円273.3円
フィルター3.72円111.6円
エアーポンプ1.12円33.6円
合計13.95円418.5円

電気代(1ヶ月):冬季で2,204円、冬季以外で419円

水質調整剤(カルキ抜き)

水換えの時に、水道水に含まれる塩素を中和して無害な水に変える薬液です。カルキ抜きをしないと、魚やバクテリアにダメージを与えてしまいます。カルキ抜き剤は水換えのたびに消費します。

液体タイプのカルキ抜き(700円)は1年もつと考えて、1ヶ月あたり58円。

カルキ抜き:1ヶ月あたり58円


水道代

水換えの時に使用する水にかかる水道代です。水換えは1週間に1回、水槽の水の1/3の量を換えます。およそ20リットルとして水道代を計算しましょう。

東京の水道代は1Lあたり0.24円として、20Lで4.8円。1ヶ月に4回水換えするとして19.2円。

水道代:1ヶ月あたり19.2円

化学濾過(活性炭)

水槽の水は主にバクテリアによって浄化されますが、それに加えて化学濾過も行うことで、より水質を安定させることができます。

化学濾過の代表的なものは活性炭です。活性炭は2ヶ月ほどで吸着能力が落ちるため、その時は交換が必要になります。

「キョーリン ブラックホール」は強力で定番の活性炭。こちらで計算しましょう。ブラックホールは1,000円ほどで5個入り。1個で2ヶ月持つので1ヶ月あたり100円。

化学濾過のろ材:1ヶ月あたり100円


ランニングコスト結果|最大約3,600円

これまで挙げてきたランニングコストをいったんまとめましょう。

  • エサ代:1ヶ月あたり120円
  • 固形肥料:1ヶ月あたり60円
  • 液体肥料:1ヶ月あたり240円
  • 肥料合計:1ヶ月あたり300円
  • 小型CO2ボンベ:1ヶ月あたり500円
  • 電気代(1ヶ月):冬季で2,204円、冬季以外で419円
  • カルキ抜き:1ヶ月あたり58円
  • 水道代:1ヶ月あたり19.2円
  • 化学濾過のろ材:1ヶ月あたり100円

合計すると以下のような結果になりました。

合計:冬季で約3,601円 冬季以外で1,816円

あくまで、大雑把な計算です。水槽サイズや飼育する生き物によって大きく変わります。

電気代とCO2ボンベが、そこそこ高いですね。次からは、ランニングコストを抑えるポイントを解説します。

ランニングコストを抑えるためのポイント

水草水槽のランニングコストを抑えるポイントをいくつかご紹介します。

具体的には以下の項目です。

  • エサ代を抑える方法
  • 肥料を他のもので代用する
  • 小型CO2ボンベはコスパが悪い
  • カルキ抜きを使わずに塩素除去を行う
  • 水槽用品の電気代を節約

それぞれ見ていきましょう。

エサ代を抑える方法

自然発生する微生物がエサになります。

水草やレイアウト素材が豊富にあると、エサとなる微生物や虫が自然発生することがあります。魚はこれらを捕食するので、人為的に与えるエサを少なくすることができます。

日頃から注意深く観察し、微生物が沸いているようならエサの量を調節してみましょう。魚が痩せていくようなら通常どおりエサを与えます。

肥料を他のもので代用する

水草の成長に有効な肥料ですが、工夫次第でコストを抑えることができます。

液体肥料と固形肥料の場合に分けて解説します。

液体肥料は自作できる

水槽内で不足しがちなカリウムは、カリウム水溶液を自作して添加することで、大幅にコストを削減できます。カリウム水溶液の自作については、別記事で解説しています。

新品ソイルを固形肥料の代わりにする

固形肥料は主に、ソイルの栄養が枯渇した時に栄養を補うために追肥します。

水槽をセットした際にソイルが余っていたら、そのソイルをひとつまみ、水草の根元にパラパラと巻いてみましょう。栄養が溶け出し、固形肥料の代わりになります。

栄養を含まないソイルの場合は、効果がありません。

小型CO2ボンベはコスパが悪い

CO2を添加する方法の中でも手軽で人気のある小型CO2ボンベは、実はあまりコスパがいいとは言えません。小型CO2ボンベではなく大型CO2ボンベ(通称ミドボン)を使うと、初期費用はかかるものの圧倒的にランニングコストを抑えることができます。

扱い方を間違えると大事故の危険性があるので、中級〜上級者向けです。

ミドボンは、酒屋さんかガス屋さんで扱っているので、導入をお考えの方は相談してみてください。

ミドボン

水槽用品の電気代の節約

アクアリウムにかかる電気代の節約ポイントについては別記事で解説していますので、ご参考にしてみてください。

特に電気代の高いヒーターの使用を抑えることで節約につながるといったことをお話ししています。

カルキ抜きを使わずに塩素除去を行う

水道水のカルキ抜きは専用の薬剤を使わなくても、汲み置きや煮沸によってカルキ抜きが可能です。煮沸はガス代がかかりますが・・・。

水槽サイズが大きいと大変な作業にはなりますが、小型水槽であればじゅうぶん実践できる節約方法です。

下記記事で、カルキ抜き剤を使わない方法も解説しています。

おわりに

いかがでしたか?もう一度ランニングコストをまとめてみましょう。

内訳は以下の通り。

  • エサ代:1ヶ月あたり120円
  • 固形肥料:1ヶ月あたり60円
  • 液体肥料:1ヶ月あたり240円
  • 肥料合計:1ヶ月あたり300円
  • 小型CO2ボンベ:1ヶ月あたり500円
  • 電気代(1ヶ月):冬季で2,204円、冬季以外で419円
  • カルキ抜き:1ヶ月あたり58円
  • 水道代:1ヶ月あたり19.2円
  • 化学濾過のろ材:1ヶ月あたり100円

合計は以下の通りです。

合計:冬季で約3,601円 冬季以外で1,816円

あくまで概算です。一般的な水草水槽では、多くみてこれくらい、といったところだと思います。

ランニングコストを把握して余裕を持って管理しましょう。

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