有茎草とは?草体のつくりや植え方について

初心者向け

有茎草とは、茎がある水草のことです

アクアリウムの水草レイアウトには欠かせない種類で、こんもりとした茂みを作ったり、葉の形や色の使い方次第で様々な表現ができます

美しく繁茂した有茎草をバックに泳ぐ熱帯魚はキレイですよね!

有茎草は比較的成長が早く、増やしやすいのも特徴です

また、水の汚れを吸収するので水の浄化にも効果的です

有茎草のつくり

有茎草について知っておくと便利な知識です

  • 頂芽(ちょうが)

頂芽

成長している茎の先端部分を頂芽と言います

要は水草のてっぺんの部分です

トリミングなどをして頂芽が無くなると、ふつうはカットした部分のすぐ下の節から枝分かれして頂芽が生えてきます。カットした頂芽のある水草はまた植えることでより密な茂みを作ることができます。有茎草はこうして比較的簡単に増やしていくことができます

茎は水草全体を支える細長い棒状の部分です

茎の中には栄養を運ぶ管が通っています

多くの水草は光に向かって茎を伸ばしていきますが、ニューラージパールグラスのように地を這うように匍匐(ほふく)するタイプもあります

葉で光を受け、光合成を行い成長します

葉は茎についていて、偏平で柔らかい。光をたっぷり受けるように展開します。水槽を上から見ると、その面積の広さに気付くことでしょう

光合成で酸素を出すことで、魚にとっても暮らしやすい環境になります

形や色は種類によって様々です。それぞれの個性を活かし、レイアウトを楽しみましょう

ほぼ等間隔になっている茎が区切られている部分です

普通はここから葉や枝分かれした茎が生えます。地中では根が生えます

根は、

  • 低床から栄養を吸い上げる
  • 水草をしっかり固定する

という働きがあります

トリミングをして根が無い水草でも、地中に埋めた節の部分から根が伸びてくるのでご安心ください

有茎草の植え方

下準備として、

  • 鉛やウールがある場合は取り除く
  • 傷んでいる茎や葉をカットする
  • 10〜15cm程度に長さを揃える

スネールは水槽内で大繁殖してしまうと厄介です。購入した水草にくっついていたことで水槽に持ち込んでしまうことがほとんどなので、気になる方は下処理をして駆除しましょう

下準備に加えて、「水草その前に」等の薬品により駆除します

または市販の炭酸水をかけても貝を駆除することができます

ただし貝の卵には効果が期待できません

をしておきます

水草を植えていきます。植えるときは1本づつでも、2〜3本の束でもOKです

水草の下の端をピンセットでつまみ、低床に差し込みます

節が1〜2個、地中に埋まっていれば大丈夫です。だいたい4cmくらい埋めます

少し斜めに角度をつけて植えることで、浮力により抜けてしまうことを防げます

ピンセットを少し開き、差し込んだ時と同じ角度で抜きます

多少、周りのソイルをかぶせます

斜めになっていても光に向かって上に伸びていくので問題ありません

地上(水中)に出る部分が短すぎると成長が遅いか、うまく育たないことがあるので、10cm以上の水草を使用するのが望ましいです

写真は乾いたソイル+有茎草の水上葉で行っていますが、水を含んだソイルの場合も要領は同じです

植えるときのコツ

有茎草を植栽するときのコツは以下の通りです

  • 植える作業は一回で済ませる
  • 一気に差し込む
  • 水草に負担を与えない

水草は痛みやすいので、抜けたり植えたりを繰り返すと成長に影響が出ることがあります

できるだけ、植える作業は一回で済ませましょう

植えるときに遠慮がちにゆっくり差し込むと、ソイルが崩れて水草を押さえる力が弱くなることがあります

水草は一気にぶすっと差し込みます

植えられた事を水草に悟られない」ような感じでテンポよく植えていくのがコツです

有茎草の選び方

葉の形や色によって、有茎草がレイアウトに与える印象が変わります。アクアリウムは自由ですが、ご参考までに掲載します

葉の大きさ

葉が大きいほど手前に見えて、葉が細かいほど奥まって見えます。これを利用して奥行き感をダイナミックに演出できます。もちろん、気に入った水草がよく見えるように配置するのもOKです

葉の色の濃淡

色の濃淡によってグラデーションさせて左右への流れを演出したり、交互にバランス良く配置して自然な感じを演出したり

流木や石の印象を和らげる

流木や石の後方に配置してシルエットの強さを抑えるには、あまり細かい葉の水草よりも流木のカーブや石の窪みにあった葉の大きさの水草がオススメです

赤系水草を差し色に

ワンポイントで赤系の水草を配置するのもアクセントになります。その際は水槽の横幅の三分の一の左右どちらかに配置すると自然なバランスになります

赤系水草は肥料を要求するので、ちょっとだけ難易度が上がります

育成中のトラブル

有茎草に起こりがちなトラブルです。水槽ごとに環境が違うため原因は一概には言えませんが、一般的なものをいくつかご紹介します

茎が間延びする

節と節の間がやたらと長く伸びて格好が悪い・・・

光が弱いと、水草はとにかく光をたくさん受けるために茎を伸ばすことがあります

光量は十分か、他の水草の陰になっていないか確認してみましょう

葉がやたらと大きくなる

葉が2倍にも3倍にも大きくなってしまう・・・ハイグロフィラ等でよくあります

CO2を添加していないことが原因であることが多いです

CO2を添加することで、密で規則正しい姿に成長しやすくなります

葉が落ちる

水草の栄養が足りない場合は、自ら不要な葉を落とすことがあります

固形・液体栄養を添加が有効です

栄養の中でも特に不足しがちなカリウムは補充液を低コストで自作もできるので、よかったらお試しください

葉に穴が空く

ヤマトヌマエビが葉を食べている可能性があります

有茎草の葉は柔らかいものが多く、エビによる食害が考えられます

コケが落ち着いているなら、現場のヤマトヌマエビの動員数を減らしましょう

育たない・枯れる

水質があっていない可能性があります

アルカリ性に傾きすぎていませんか?

多くの水草は弱酸性・軟水を好みます

新しめの砂利を使用している場合は弱酸性になりにくいことがあるので、水質をキープしやすいソイルの使用をオススメします

CO2の添加も弱酸性の水を作るのに効果的です

まとめ

かんたんにまとめますね!

有茎草は、茎がある水草のことで、

  • 頂芽・・・成長中のてっぺんの部分
  • 茎・・・棒状部分で中に栄養を運ぶ管がある
  • 節・・・葉がついてたり、分岐点だったり、根が出るところ
  • 葉・・・葉っぱ。栄養を吸収、光を受けて光合成をする
  • 根・・・根っこ。栄養を吸収する

といったつくりになっています

茎は真っ直ぐ上に伸びるものや、地面を這うように匍匐するものもある

頂芽を落とすと、切ったところの下の節から枝分かれする → 繰り返すことで増やせる

有茎草は成長が早く、水を浄化する効果もある。酸素も出すので魚が快適に暮らせる

植えるときは水草にダメージを与えないよう、一回で、一気に、「植えられた事を水草に悟られない」ように植えていくのがコツです

有茎草は増やしやすく、繁茂したときの美しさはひとしおです

ぜひ有茎草もチャレンジしてみてください!

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