今回は、木酢液を使った黒ヒゲ苔駆除の方法をご紹介します。
黒ヒゲ苔といえば、アクアリストを悩ませるコケの一つ。
長期間、維持している水槽に発生しやすいと言われています。
ひとたび発生すると、「ここにも。あ、ここにも」という感じに、
どんどん増えていってしまいます。
長く維持している水槽だからこそ、レイアウトは崩したくないですよね。
そこで今回は、木酢液を使ってレイアウトを崩さずに黒ヒゲ苔を駆除する方法をご紹介します。
そもそも木酢液とは?
今回使用するのは「木酢液」というものですが、この木酢液って何に使うものでしょうか?
木酢液とは、主に園芸で植物の育成や土壌の改善に使用されるものです。
pHは1.5〜3.7と強い酸性の液体です。
木炭や竹炭を作る際に発生する煙を冷やして作られます。
独特な(それこそ煙のような)臭いがあるので、苦手な人もいらっしゃるかもしれません。
この木酢液を黒ヒゲ苔に塗布することで、急激に酸性に引き下げてダメージを与え、枯らしてしまうというものです。
木酢液を使って黒髭コケを駆除しよう
では、どうやって塗るのが良いでしょうか?
具体的には、以下の2通りがおすすめです。
- 筆で塗る
- 注射器で点滴する
黒ヒゲ苔の発生箇所によって使い分けると良いでしょう。
それぞれ解説していきます。
木酢液を筆で塗る方法を解説
筆で塗る方法は、黒髭コケにしっかりと塗れるため、確実に除去したいときにおすすめです。
筆で塗る方法|やり方
- 木酢液を水で2倍〜4倍に薄めた水溶液を用意する。
- 水槽の水位を下げ、黒髭コケを空気中に露出させる。
- 筆で直接塗る。
- 水草が露出している場合は乾燥に気をつけながら、5分程度おく。
- 水位を戻す(木酢液を洗い流す必要はありません)。
あとは、しばらく様子を見てみましょう。
うまくいっていれば、黒髭コケが赤く変色するのですが、これは枯れたことを意味します。
枯れた黒髭は柔らかくなり、ヤマトヌマエビが食べられるようになります。
残りはヤマトヌマエビにキレイにしてもらいましょう。
注意点
塗布後1日経っても黒髭コケが黒いままの時は、木酢液が効いていません。もう一度、塗布量を増やすか濃度を上げてやってみてください。
水草に塗布する場合は、4倍の希釈液からやってみてください。少なからずダメージがあり、水草によっては枯れることもあります。
アヌビアスやミクロソリウムなど、葉が硬い水草は比較的大丈夫です。
注射器を使って木酢液を塗る方法を解説
注射器を使う方法をご紹介します。
注射器を使うと黒髭コケに木酢液をピンポイントで点滴でき、水を抜いたりレイアウトを崩したりしないで黒髭コケの駆除ができます。
ここで使う注射器とは、こういったものです。
100円均一で買ったものです。医療用とかではありません。
スポイトでも代用が可能ですが、注射器の方がよりピンポイントで打てるので、水槽への影響を考えると注射器が最適かなと思います。
注射器を使った方法|やり方
- フィルターを止めます(水流を止めて木酢液が流れないようにする)。
- 木酢液の原液を、注射器で吸い上げます。
- 注射器の先端を黒髭コケに近づけ、直接かけます。
- フィルターを再始動します。
これで、同様に黒髭が枯れてヤマトヌマエビが食べられるようになります。
注意点
この方法だと、筆で塗るようにはたっぷりと塗れないので、確実性は低くなります。
他の水草にかかってしまったとしても、筆者の経験上、枯れるまでには至りません。ですが水槽の環境はそれぞれ違いますので、少量で様子を見ながら行ってください。
木酢液はヤマトヌマエビに影響はないの?
ヤマトヌマエビを飼われている方は多いと思います。
水質に敏感な彼らがいる水槽で、強い酸性である木酢液を使用しても大丈夫でしょうか?
実際に私の60cm水槽では、4〜5ヶ所の黒髭コケの処理を数日繰り返してもエビは死にませんでした。
ただ、小型の水槽ですと僅かな量でも水質に影響しますので、安全とは言い切れません。
黒髭コケ発生の予防方法
黒髭コケがそもそも発生しにくい環境を目指したいところですね。
黒髭コケは、
- 硬度が高めの水質の時に発生しやすい
- エサに含まれる成分を栄養として増殖
- 水流が強い箇所に発生しやすい
と言われています。ですので、
- 砂利よりもソイルを使う
- エサを与えすぎない
- 活性炭などの化学濾過を活用する
- 水流を分散させる
これらを意識することで、黒髭コケ発生の抑止につながります。
硬度については、以下の記事で解説しています。
まとめ
黒髭コケはどんな上級者でも発生してしまうやっかいなコケですが、対処法を知っていて早めに対策をすれば問題ありません。
黒髭コケが発生しにくい環境を意識しつつ、発生してしまったら今回ご紹介した方法をお試しください。
コケ対策に欠かせないヤマトヌマエビの適正数については以下の記事に掲載しています。
快適なアクアライフを!
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