アクアリウムは楽しい趣味ですが、水草を思うように育てるのは難しいものです。水草を健康的に育てるためには栄養が不可欠。その栄養の一つにカリウムというものがありますが、必要な栄養であるにもかかわらずカリウムは水槽内ではほとんど供給されません。人の手で添加してあげる必要があります。
そこで今回は、そんなカリウム水溶液を自作することで、コスパ良く水草の栄養補給をしていこう、という記事になっています。
幸いなことに、カリウム水溶液に関しては自作が可能で、しかも誰でも簡単に作れてしまうのです。水草を健康的に育てたい方はぜひどうぞ!
カリウム水溶液とは?
炭酸カリウム粉末を水に溶かしたものです。水草の液体肥料として利用できます。水草の栄養の一つであるカリウムを水槽に供給するために使用します。
カリウム水溶液の重要性
カリウムは水草の成長に必要な栄養素の一つですが、普通に水槽を維持していてもカリウムは供給されません。水槽外より、人為的にカリウムを添加する必要があります。
カリウムを添加することで水草が健康的に育ち、美しい水景を楽しませてくれるでしょう!
カリウム水溶液を自作するメリット
カリウム水溶液を自作するメリットは、なんといっても安く作れることです!
アクアリウムの液体肥料は消耗品で、だいたいどれも1,000円以上はしますね。ところがカリウム水溶液に関しては自作が可能なうえ、かなり安く作ることができます。アクアリストの多くがカリウム水溶液を自作しています。
カリウム水溶液を作るのに必要なもの
カリウム水溶液を作るには以下のものが必要です。
- 炭酸カリウム粉末
- 精製水
- プッシュボトル
- ロート
- 計量器
それぞれがどういったものか、見ていきましょう。
炭酸カリウム粉末
水草の栄養となる、カリウムの粉末です。カリウム粉末は街では手に入りません。ネットで購入します。チャームさんでも購入できますので、何かアクアグッズを買うときに一緒に買ってしまいましょう。
精製水
精製水とは、不純物を除去した純度の高い水のことです。水道水をそのまま使うとカリウム水溶液が劣化しやすくなるため、こういった純度の高い水を使います。
精製水はドラッグストアで手に入り値段もお手頃ですが、代替え品として水道水を沸騰させてから冷ました水でもOKです。
プッシュボトル
添加する際はプッシュタイプの容器が安全で便利です。100均などで手に入ります。毎回、正確な量が出せるものを選びましょう。
カリウム水溶液の作り方
ここからは具体的な作り方を解説します。流れは以下の通りです。
- ボトルの容量に対して10分の1の炭酸カリウム粉末を用意
- ボトルに炭酸カリウム粉末を入れる
- ボトルに精製水を注ぐ
- キャップを閉めてよく振る
- 冷ます
①ボトルの容量に対して10分の1の炭酸カリウム粉末を用意
例)ボトルが500mlなら炭酸カリウム粉末を50g
写真のボトル容量は180mlなので、炭酸カリウム粉末は18gです。
②ボトルに炭酸カリウム粉末を入れる
ロートや、チラシを折り曲げたものなどで、こぼさないように注ぎましょう。手で触れないように気をつけてください。
③ボトルに精製水を注ぐ
精製水、または沸騰させてから冷ました水でもOKです。炭酸カリウム粉末の10倍量の水を入れます。
④キャップを閉めてよく振る
ボトルにフタをして、よく振って炭酸カリウム粉末を溶かします。水をパンパンに入れると混ざりにくいので、水を半分くらい入れて一度混ぜると良いでしょう。
このときに溶解熱が発生しますが、問題ありません。
⑤冷ます
冷ましたら、カリウム液肥の完成です!
カリウム水溶液の注意点
カリウム水溶液はpH10以上の強アルカリ性です!飼育水に多量に添加するとpHが急上昇し、生き物たちにpHショックを与えてしまう危険があります。pHは1上がるだけでも魚にとってはだいぶ居心地が変わってきます。生き物のためにも適量はしっかりと守りましょう。
また、カリウム水溶液に触れないように気をつけて作業してください。目を擦ったりするのも危険です。皮膚についた場合は流水で洗い、異常があるようなら医師に相談してください。
保管の際にも、しっかりと内容がわかる容器に入れて保管しましょう。料理用と間違えて家族の人が使ってしまったという事例があります。
カリウム水溶液の添加の仕方
60cm水槽の場合ですと、1日に1回、1mlを添加します。水草が多い場合は3mlまで増やせます。それ以上の量を添加するとpHの急上昇により、生体や水草にダメージを与える危険があります。
おすすめのタイミングは、朝照明をつけたときです!その後の光合成に必要な栄養を補給してあげましょう。
水草繁茂には固形肥料もおすすめ
カリウムを添加して水草が調子づくと、ぐんぐん栄養を吸収することで次は低床の栄養が不足してきます。
液体肥料を与えるようになったら、次のステップは固形肥料がおすすめです!
栄養系ソイルには水草の根っこに働く栄養が含まれていますが、半年ほどで無くなっていきます。その後は固形肥料を添加して栄養を補いましょう。
カリウム水溶液を自作して、コスパ良く水草を元気に育てよう
いかがでしたか?カリウムの重要性と、作ると安くて意外と簡単だということがお分かりいただけましたでしょうか?
不足すると水草の成長に影響しますので、ぜひカリウム水溶液の作り方をマスターしましょう。
液肥を与えるようになって、一歩中級者に近づきました。水草育成のレベルも上がったはずです!色々な水草に挑戦してみましょう。
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