【アクアリウム】エアレーションの重要性と効果的な方法

アクアリウムを楽しむ上で、水のキレイさやお魚の健康状態は重要です。しかし、水の酸素供給や循環についてはあまり意識されないのではないでしょうか?

そこで今回は、「エアレーション」についてお話ししたいと思います。

エアレーションは、酸素供給や水の循環を良くする効果があり、水槽の状態を改善するのに役立ちます。メリットがとても多いので、知識として覚えておくと役に立つでしょう。

それでは、エアレーションの重要性や効果的な方法、注意点などについてご紹介します。

そもそもエアレーションとは?

エアレーションとは、水中に気泡を発生させることを言います。

一般的には、エアポンプから空気を送り、水中に沈めたエアストーンから細かい気泡を発生させます。いわゆる「ぶくぶく」ですね。その気泡が浮上して水面を揺らすとき、空気中から酸素を取り込むのです。酸素がじゅうぶん溶け込んだ水は、お魚にとって酸欠のリスクが少ない水と言えます。

つまり、ぶくぶくがエアレーションで、酸素を取り込むのはエアレーションの目的ということです。

さらにエアレーションの効果として、

  • 二酸化炭素を空気中に逃す
  • 水中の毒素を空気中に逃す
  • 水流を発生させる

といった効果があります。

エアポンプの役割

SSPP-3S全体

エアポンプは、空気を発生させる装置です。コンセントの交流電源を利用し、エアポンプ内のゴムを動かして空気を押し出しています。空気はエアチューブ内を通り、エアストーンなどに送ります。エアポンプはさまざまな製品がありますが、エアの吐出量や静かさなどが、エアポンプを選ぶ上で重要です。

酸素供給とCO2排出の重要性

生き物は酸素を吸い、CO2を排出します。自然界では酸素は十分に供給されますが、水槽の場合、水が循環していないと十分な酸素が供給されません。お魚は、酸素濃度が低くなると「酸欠」を起こすリスクが高まり、たいへん危険です。お魚を過密に入れている場合は特に注意すべきです。

これを防ぐには、水槽の水に酸素を供給し、CO2を排出することが重要です。まさにエアレーションがぴったり、ということですね。

酸素不足の危険性と兆候

酸素が不足してくるとお魚たちは水面付近に集まり、酸素を取り込もうとします。あっぷあっぷしたような状態です。この状態はすでに危険ですので、すぐにエアレーションをするとともに水換えを行い、酸素を取り込みましょう。

酸素不足は以下が原因で起こることがあります。

  • 水槽に対して生体を過密に入れた
  • 夏場、水温が上がり酸素濃度が薄くなった
  • CO2を添加しすぎた

うっかりミスをしやすいので、油断しないように気をつけましょう!

エアレーションによる水中酸素濃度の向上

エアレーションをすることで水中酸素濃度を適切にすることができます。

エアストーンから発生する気泡から、水面が波打つことで空気中から、それぞれ酸素を取り込んで水中に酸素を供給します。同時にCO2を空気中に排出するので、エアレーションによって水中酸素濃度を適切に保つことができます。

生き物の健康に与える影響

酸素がじゅうぶんあることは魚にとってもちろん良いのですが、バクテリアにとっても好環境を作ります。バクテリアは魚にとって有害なアンモニア等を比較的無害な物質まで分解してくれるので、結果的に生き物の健康維持にも有効と言えるでしょう。

エアレーションの効果的な方法と注意点

ここからはエアレーションの具体的なやり方などについて解説します。まず、エアレーションをするには以下のものが必要です。

  • エアポンプ
  • エアレーションチューブ
  • エアストーン
  • 逆流防止弁

ご用意できたら、設置してみましょう。

エアレーションのやり方、器具の設置

エアレーションの器具の設置から開始までの手順は以下のとおりです。

  1. エアポンプの吐出口に、適切な長さに切ったエアレーションチューブの片側を接続し、もう一方をエアストーンに接続する
  2. エアレーションチューブの途中のどこかに逆流防止弁を接続する
  3. エアストーンを水中に沈め、エアポンプは水槽外の水面より高い位置に設置する
  4. エアポンプの電源を入れたらエアレーション開始

泡が弾けるときの飛沫に注意してください。

エアレーションの強さ

エアレーションによって水面が波打ちさえすれば、酸素供給は行えています。それほど神経質になる必要はないでしょう。ただし水面がほとんど動かないレベルでは酸素供給が十分に行えていない可能性があります。逆に水面が激しく波打つレベルでは魚にストレスを与えたり、体力を消耗させてしまいます。

目安としてはエアストーン上の水面は良く動き、エアストーンから遠いガラス面側の水面はほとんど動かないくらいが良いかと思います。

エアストーンの位置

エアストーンの設置位置ですが、どこに設定しても結果はあまり変わりません。見た目や手入れのしやすさで決めちゃいましょう。設置位置をどこにすべきかは、別記事で詳しく解説しています。

エアレーションの時間帯と頻度

エアレーションの時間帯は、以下のケースで変わってきます。

  • 生き物がメインの水槽
  • 水草を育てるためにCO2を添加している水槽

生き物メインの場合は、基本的に常にエアレーションをしていて問題ありません。

水草を育てるためにCO2を添加している水槽では、日中は水草が酸素を発生させているためエアレーションは必要ありません。消灯後、水草が酸素を発生しなくなったタイミングでエアレーションを行います。ライト消灯(エアレーション開始)→翌朝ライト点灯(エアレーション停止)というルーティーンで行いましょう。

水面の循環と泡の効果

エアレーションにより、わずかながら水が循環する。

エアレーションによって水が循環することで、油膜防止の効果があります。水面に発生する油膜は、死んだ微生物と言われています。エアレーションで水面を揺らすことでこれら微生物の死骸を攪拌し、バクテリアなどによって分解してもらいます。

エアレーションの注意点と解決策

エアレーションをする際に起こりがちなトラブルと対処方法をご紹介します。具体的には以下のような項目です。

  • 騒音や振動の問題への対処方法
  • 水跳ねへの対処方法
  • エアレーションシステムのメンテナンスと清掃
  • 逆流防止弁は消耗品

騒音や振動の問題への対処方法

エアポンプは構造上、本体内部が振動します。多くのメーカーはこの問題を認識したうえで製造していますが、多少の振動音はしてしまいます。これが壁や床を伝って響くと、睡眠の妨げなど支障をきたすことがあります。対策としては、

  • できるだけ静かなエアポンプを使う
  • エアポンプをどこにも触れないように吊り下げる
  • エアポンプの振動を増強しない材質(大理石など)の物の上に置く

ことです。

静かなエアポンプとしては、水作の製品が定評があります。

水跳ねへの対処方法

水面で泡が弾ける時、水槽外まで飛沫することがあります。量はわずかでも一晩中エアレーションするとそれなりの量が飛び、水槽台や床を痛めてしまうことがあります。エアストーン付近の上部に、隙間ができないようにフタをすることで飛沫対策ができます。

他には、ケース内だけでエアレーションを行える商品も飛沫対策に有効です。

エアレーションシステムのメンテナンスと清掃

エアポンプ内のゴムパーツは経年劣化する消耗品です。エアーの出が悪くなったと感じたら当該パーツを交換しましょう。多くのメーカーは、純正の交換部品も販売しています。

また、エアチューブも水アカや異物によって詰まりがないか、定期的にチェックしましょう。詰まっているとエアを送る際に圧がかかり、チューブが抜ける恐れがあります。そうなるとエアストーンより水が逆流し、水槽の水が流れ出るという大惨事になりかねません。逆流防止弁に頼り過ぎず、日々のメンテナンスをしっかり行いましょう。

逆流防止弁は消耗品

逆流防止弁は、数年で劣化して機能しなくなることがあります。一つの逆流防止弁を使い続けることは避け、一年程度を目安に交換するようにしましょう。

逆流防止弁は信頼できる国産メーカー品をおすすめします。

まとめ

エアレーションには酸素供給と水の循環を良くする効果があるとお伝えしました。これらのメリットは、

  • 酸素供給をして酸欠を防ぐ
  • バクテリアが活性化して水を浄化する
  • 油膜を除去する
  • CO2や毒素を空気中に逃す
  • 生き物の健康維持にも効果的

といったことでした。

エアレーションは基本的に常に行っても良いですが、水草を育成している場合はライトをOFFにしている間だけエアレーションするようにします。

生き物を多く飼育している場合は酸欠に注意し、酸素濃度が低くなりそうであればエアレーションを活用してください。酸欠の症状が見られた場合はすぐにエアレーションをし、水換えも行いましょう。

水草水槽の場合、CO2添加時に誤って大量のCO2を入れてしまうミスが起こり得ます。そのような時の対策になるので、エアポンプは一つは持っておくことをおすすめします。

本記事でエアレーションはマスターできたと思います。飼育スタイルに合わせて、エアレーションを活用してください!

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