ウィローモスは流木や石に活着して育つコケ植物。
水草水槽のレイアウトに用いることで、表現の幅がぐっと広がりますね。
また、レイアウトに使う以外にも稚魚や稚エビの隠れ家として活用でき、生存率アップにつながります。
ところで、ウィローモスはどのように巻けば、きれいに活着してくれるのでしょうか?
本記事では、
- ウィローモスの巻き方
- どんな道具を使って巻くのか
- キレイに仕上げるコツ
- 巻いた後のトリミング
について解説します。
この記事を読むことで、うまく活着させる巻き方がわかり、レイアウトや繁殖水槽に活かせるでしょう。
それではどうぞ!
用意するもの

ウィローモスを巻くには以下のものをご用意ください。
- ウィローモス
- ウィローモスを活着させたいレイアウト素材
- 木綿糸
- ハサミ
- トレー
- 霧吹き
それぞれ簡単に説明します。
ウィローモス|最初はノーマルがおすすめ
ウィローモスが無くては始まりませんね。
ウィローモスはカップやジップロックのような密閉できる袋に入った状態で売られています。流通量が多いので、ホームセンターの観賞魚コーナーで手に入ることもあります。
ウィローモスには南米ウィローモスやウィーピングモスといった種類がありますが、基本のウィローモスに比べて少し難易度が上がります。ウィローモスとして売られているものが育てやすく、活着するのも早いので初心者の方にはおすすめです。
ウィローモスを活着させたいレイアウト素材
流木や石など、ウィローモスを活着させるレイアウト素材です。
流木は「アク抜き」を済ませておきましょう。すでに水槽内でレイアウト骨格を組んでいても、それを崩さず巻くこともできます。
小さい溶岩石や苔石に巻きつけた「モスボール」をいくつか作っても、レイアウトに使いやすく便利ですよ。
木綿糸
ウィローモスを固定するために使う糸です。
木綿糸は月日が経つにつれ微生物やエビなどが分解して無くなるため、回収の手間がかからず好都合です。
釣りに使われるテグスで巻くこともあります。これは、南米ウィローモスのような活着が遅いモスに対して有効ですが、普通のウィローモスは木綿糸でじゅうぶんです。
ハサミ
ウィローモスをカットしたり、巻いた糸を処理するのに使います。水草用のハサミでも、文房具のハサミでもOKですが、よく切れる物を使いましょう。
トレー
ウィローモスやレイアウト素材を置くためのトレーです。アクアリウムの作業はたいてい水が滴るので、トレーをいくつか持っておくと便利ですよ!
霧吹き
作業中、ウィローモスが乾燥しないように霧吹きを準備しましょう。
ウィローモスの基本の巻き方

道具が揃いましたらさっそく巻いていきましょう。
先に手順を解説します。ウィローモスを巻くときの手順は、
- 下準備
- 素材に置いていく
- 木綿糸で巻く
- はみ出たウィローモスをカット
という流れです。
ウィローモスを乾燥させないため、一連の作業中は霧吹きなどで常に湿らせるようにしてください。
ウィローモスを巻く前の下準備
ウィローモスを巻きやすく、スムーズに活着させるための下準備をしましょう。
買ってきたウィローモスは、だいたいモッサリとしたかたまりになっているので、1cmくらいの長さに指やハサミでちぎっていきます。
細かく切る理由:ウィローモスは切った断面から新芽が出て、活着しながら成長します。細かくちぎって断面を増やすことで、広い範囲から新芽が出て、効率良く活着させることができます。
ちぎったら後の作業がしやすいように、トレーなどに置いておきましょう。
素材に置いていく
ちぎったウィローモスを、レイアウト素材の活着させたい範囲に置いていきます。霧吹きしながら、水分で貼り付けていく感じです。
重ならないように、薄く貼るのがキレイに仕上げるコツです。レイアウト素材の「欠点」を隠すようにしても良いでしょう。
ウィローモスは強い光を好まないので、水面に近すぎる位置には置かないようにしましょう。
木綿糸で巻く
木綿糸を巻き付けて、ウィローモスを固定します。
初心者が迷いがちな部分ですが、かなりキツくしっかり巻いて大丈夫です。そのくらいでウィローモスは枯れませんし、素材に密着しないと活着できません。
水流やエビがツマツマしても動かないくらいには固定しましょう。
巻き方は以下のように2通りありますが、やりやすい方でOK です。
流木のような棒状の場合
- 糸を長めに出し、糸の真ん中を流木の突起にひっかける
- 糸の両側を流木の裏でクロスするように回し、流木の先端に向かって5mmずつ進めていく
- 全てのウィローモスを固定できたら固結びする
レイアウトの骨格をすでに作った状態からウィローモスを固定するのに適しています。
石の場合
ウィローモスを置いたら糸を10cm程度残し、ぐるぐる巻いていきます。
5mm程度の間隔で進めていき、端の方まできたら適当な出っぱりに糸をかけ、折り返してスタート地点まで戻ります。
最後は固結びして固定。ゴツゴツした石だと糸が切れやすいので注意してください。
はみ出たウィローモスをカット
巻き終えたら、糸の間からひょろっとはみ出ているウィローモスをカットします。
ウィローモスは素材に触れていないと活着しにくいです。まずは活着させることが大切なので、活着しなさそうな部分はカットしてしまいます。
細かいウィローモスの破片が水槽内に散乱するとめんどうなので、一度水没させるなどして破片を取り除きましょう。
お疲れ様です。これで巻きつける作業は完了です!
どうしてもうまくできない、という人は接着剤で固定する方法もあります。
巻いたウィローモスは1カ月程度で活着

注水しフィルターを回し始めたら、1ヶ月ほどで活着します。
木綿糸はいずれ分解されて無くなるので回収する必要はありません。
CO2も添加するとウィローモスの育成がさらに容易になり、キレイに育ちます。
厚みが出たら薄く整えよう
活着したウィローモスが成長し、厚みが出てきたらトリミングをして適度に薄くします。厚くなると下の方に光が届かず、茶色く枯れてしまうことがあるからです。
繊細な作業になるので、よく切れるハサミを使いましょう。
トリミングしたモスの破片は、網やスポイトで取り除きます。破片がどこかへ流れていき、そこで活着することもあります。自然感があっていいという人もいますが、これは好みですね。
水槽内で繁殖の可能性がある場合は、トリミングの前にモスの茂みを少し動かしてみて稚魚がいないか確認しましょう。我が家ではモスの茂みからネオンドワーフレインボーの稚魚が5〜6匹出てきたことがありますよ!
まとめ
ウィローモスの基本的な巻き方はご理解いただけたでしょうか?
植物=植えるものというイメージがあると、「活着」は理解しづらいかもしれません。ですがその特徴を活かすことで、一段と深みのある表現も可能になります。
糸を使って巻くのがどうしても苦手、という人は接着剤を使った方法も参考にしてみてください。ただしデメリットもありますが・・・。
活着について詳しくは以下の記事をどうぞ。
うまくウィローモスを使いこなして、レイアウトに役立ててください。
近くにショップが無い人は、ネット購入がおすすめです。ウィローモスは郵送のダメージに強いので、下手にショップで売れずに残ったものよりも健康な場合があります。
エビ愛好家に人気のウィローモスマットですが、水草水槽において緑の絨毯を作るのにも適しています。もっさりしてくるとトリミングに追われることになりますが、ウィローモス初心者の方はこのような状態から始めるのもありですね。
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