こんにちは。
メダカは古くから人気のある観賞魚で、飼育も簡単なことから金魚と並んで愛されてきました。ヒメダカを始め品種改良も盛んで、その数は500種類を超えるほど。メダカのブリーディングは初心者でも挑戦しやすく、近年人気は高まっています。
ネオンテトラのような熱帯魚と比べると一見地味ですが、「涼」を感じさせる姿や人懐っこい仕草も人気の秘訣でしょう。
とても身近な存在に思えて、野生のメダカを見る機会は減ってきました。現在はメダカは絶滅危惧種になっており、メダカを守ろうという活動も起きています。
そんなメダカを飼育してみませんか?
本記事では、メダカの飼い方についてご紹介していきます!
メダカの特徴
メダカは体長3.5cm程度の小さな淡水魚です。目が高い位置にあることが特徴で、名前の由来にもなっています。背びれはかなり後方にあり、口は水面に浮かぶエサを口にしやすい「受け口」の形をしています。
丈夫で飼いやすく、繁殖も容易です。日本にも生息する魚なので低温には強いですが、10℃を下回ると冬眠に入ることがあります。ヒーターにより適温(23℃前後)を保てば、一年を通して産卵します。屋内でも屋外でも飼育が可能です。
寿命は、野生では1〜2年と言われています。ですが飼育環境下では4〜5年生きた例もあります。
鑑賞する上で特徴的なのは、上から鑑賞する「上見」。というのも、メダカの体(特に背中)にはいくつかの色素があり、その有無や見え方によって様々な体色を示すからです。品種改良でも重視されるポイントとなります。一般的な観賞魚とは違う、メダカならではの楽しみ方ですね!
水槽を選ぼう
どんな水槽で飼育しましょうか?ここではメダカを飼育する水槽の選択肢をあげてみます。
- ガラス水槽:充実した飼育環境を揃えやすく、ゆったり飼育できる
- 睡蓮鉢:屋外ビオトープに人気の睡蓮鉢。浮草を浮かべるのも風情がある
- ボトルアクア(小型水槽):限られたスペースで飼育できる。維持にはちょっとコツが必要!?
- メダカ飼育セット:メダカの飼育に必要なものが揃った安心のセット
様々な水槽で飼育できますが、初心者の方にはガラス水槽か、必要なものがセットになったメダカ飼育セットがおすすめです。なぜなら、全体の水の量が多いほど水質が安定しやすく、メダカの健康管理がしやすいからです。飼育を助ける便利な器具も設置しやすいので、まずはこちらから始めてはいかがでしょうか。
ガラス水槽での飼育方法|必要なものと設置の手順
初心者の方にもおすすめなガラス水槽での飼育についてご紹介します。ちょっと揃えるものは多いですが基本的なものに絞って解説していきます。
水槽を設置しましょう
水槽を置く場所は日光が入らず、寒暖差が少ない場所がおすすめ。水槽は必ず水槽台の上に置きます。でないと重さで歪み、台が壊れることがあります。
低床を敷く
砂利や砂を敷きます。使用前にザルやバケツで低床を濯ぎましょう。暗い色の低床を使うと、メダカの体色が濃くなると言われています。
フィルターを設置
水をろ過するフィルターを設置します。フィルターにはさまざまな種類がありますが、初心者の方には投げ込み式、または外掛け式がおすすめです。その理由は、なんと言っても「設置のしやすさ」。初心者の方はフィルターそのものに慣れてから、外部フィルターなどの大きなフィルターに行くのが良いかと思います。また、メダカは緩やかな水流を好みます。パワーのある外部フィルターを設置する際は水流が強くなりすぎないよう注意しましょう。
水を注ぎ、カルキ抜き剤を投入
水を注いだら、水道水に含まれる塩素を中和するためにカルキ抜きを入れ、軽く混ぜます。まだ生き物や水草を入れる前なので、カルキ抜きは後から入れても大丈夫。生き物がいる状態では、先にカルキ抜きを行った水を入れるようにします。
水草を入れる
水草を入れることでメダカの隠れ場所や産卵床になります。また、水の汚れを吸収して浄化する効果もありますよ!おすすめの水草は、
- マツモ
- アナカリス
- アマゾンフロッグピット
etc…後ほどご紹介します。
照明を設置
昼と夜をメダカに教えてあげることで生活リズムが生まれ、免疫力が上がります。コンセントタイマーを使い、規則正しく管理しましょう。日照時間は一日に8〜10時間が目安です。水草の成長にも重要です。
コンセントタイマーとは、電化製品の通電を時間で管理できる器具です。日々の作業を自動化できるので、持っておくと便利ですよ!
フィルターを作動
フィルターを説明書に従って正しく作動させ、水の循環をスタートします。まだお魚は入れません!
1週間くらいして水が馴染んだら、数匹のメダカを入れてOK。このときに入れるのはパイロットフィッシュと言って、まだ飼育に適していない水質に耐えるという過酷な役目のメダカです。2〜3匹のメダカを導入します。
お魚導入時は水合わせを行う
メダカを買ってきた袋のまま水槽に30分程度浮かべ、袋を開け、スポイト等で水を少しずつ混ぜ合わせます。袋の水と飼育水が均一になったら、メダカを水槽に放します。この工程を「水合わせ」と言い、お魚を別の水槽に移すときはその都度行うようにしましょう。
2〜3週間後にメダカを本格導入
さらに2〜3週間後、水質に問題がなさそうならいよいよお魚導入です!メダカ水槽が完成しました。
水温について
メダカは日本の四季にも適応していますが、弱い個体は冬を越せないことがあります。一年を通して元気にメダカを飼育したい場合は水温の低下に注意しましょう。また、ヒーターで水温を23℃程度に保つことで季節関係なく繁殖行動をするようになります。
水温 | 行動 |
---|---|
23〜26℃ | 活発に泳ぐ、繁殖行動をする |
15℃ | 活動が鈍る、エサをあまり食べない |
12℃以下 | 冬眠をしてしまう |
メダカ水槽におすすめの水草
メダカの飼育におすすめな水草は以下の通りです。メダカの生態を踏まえてチョイスしました。
- マツモ
- アナカリス
- アマゾンフロッグピット
- ホテイアオイ
- アヌビアス・ナナ
- ハイグロフィラ・ポリスペルマ
- オーストラリアン・クローバー
- ヤマサキカズラ
それぞれご紹介します!
マツモ
水に浮かべておくだけで水質浄化!植える必要がなく、管理が簡単です。程よく上空の視界を遮ることで、メダカのストレス緩和効果も。(魚は鳥を恐れるため)
アナカリス
マツモ同様、管理しやすく水質浄化が期待できる水草。
アマゾンフロッグピット
浮草の一種で、産卵床としても優秀な水草。いつの間にかすごく増えていて困ることも。
ホテイアオイ
屋外飼育の場合は特に相性ぴったりな浮草。その大きさから水質浄化作用バツグン!条件が合えば花も楽しめます。
産卵床にもなり、適度に身を隠す場所もできます。まさにメダカのビオトープ向けの水草です。
太陽光を好むため、室内での飼育は難しいかもしれません。
アヌビアス・ナナ
丈夫な水草として知られるアヌビアス・ナナは低光量でも育てやすく初心者の方にもおすすめです。雑食性のメダカにも食べられにくいのも良い。
小さめの飼育セットでも緑があると雰囲気が変わりますよ!
ハイグロフィラ・ポリスペルマ
メダカ水槽で有茎草を育てたい場合におすすめの水草。成長が早く食害されにくい。
この水草に合わせた環境が必要なため、ちょっとだけ難易度は上がります。
オーストラリアン・クローバー
オーストラリアンのあとは、「クローバー」「ノチドメ」「ヒドロコティレ」など様々な呼び名がありますが同一の水草です。
その名の通り、四葉のクローバーのような葉を展開します。低床に植えずに塊を投げ入れておけば、横にどんどんと広がっていき、四葉のクローバーの絨毯が出来上がります。
メダカに対してあまり関わりの無い草ですが、ミナミヌマエビも飼育している場合、稚エビの良い隠れ場所になり生存率を上げることができます。
ヤマサキカズラ
強力な浄化作用を持つ植物。うまく活用できればフィルター要らずの環境を作ることも可能です。
葉は水上に伸びるので、水槽の枠を飛び出した自然味のあるレイアウトを作ることもできます。
根を張り巡らせるため、メダカの遊泳スペースを狭めないように注意しましょう。
餌の与え方
エサは一日に2回程度、1分以内に食べきれる量を与えます。食べ残したエサは腐って水を汚してしまうので取り除きましょう。スポイトがあるとこのようなちょっとしたメンテナンスの際に便利です。
メダカの体型を日々観察することが大切です。一度痩せ細ってしまったメダカはなかなか回復できません(への字に曲がってしまう程)。エサのあげすぎは禁物ですが、エサにたどり着けない個体がいないように注意しましょう。
メダカと混泳させられる生き物
お魚を飼育していると、種類の違う魚を入れて賑やかにしてみたいものですよね。ですがしっかりと相性を考えないと弱い方がストレスを感じたり、エサを奪われてしまいます。ここでは、メダカと一緒に飼育ができる生き物の選び方をご紹介します。
混泳第一条件は、捕食されないこと
これだけは覚えてほしいのが、お魚は口に入るものは何でも入れてしまうということ。とりあえず口に入れて、食べられるようならそのまま食べてしまいます。ですのでメダカが口に入るような大きいお魚はNGです。同じ淡水魚であるドジョウや金魚も大きくなるとメダカを捕食してしまうので混泳は避けましょう。
エビは古くからビオトープ仲間?
お掃除生体として知られるヤマトヌマエビやミナミヌマエビとは相性が良いです。特にミナミヌマエビは、ビオトープのタンクメイトとして古くから愛されています。メダカは稚エビを捕食し、エビはメダカの死骸を食べる分解者となるので、ミニチュア生態系の形成に役立つでしょう。メダカが興味を持ってエビをつつくことはありますが、お互いにそれほど関与せず、エビは淡々と水槽内のコケを取ってくれますよ。
時々「ヤマトヌマエビがメダカを襲った」という投稿を目にすることがありますが、弱っているメダカを襲うことはあり得ます!元気なメダカの場合はたとえ寝ている間でも襲われることはほとんどありません。ただし何かに挟まって身動きが取れない魚に対しては容赦なく襲いかかるので注意しましょう。
熱帯魚とは水質的に相性が悪い
次は、ネオンテトラなど熱帯魚と混泳させる場合です。基本的にメダカは温和な性格なので、性格面では混泳は問題ありません(相手の魚による)。しかしながらメダカは中性という水質を好み、一般的な熱帯魚は弱酸性の水質を好みます。好む水質が違うお魚を同じ水槽に入れるということは、どちらかが我慢する形になります。本来の美しさも発揮できないでしょう。そういった意味で、理想の水質が違うお魚との混泳はおすすめしません。
プラティとは相性良し
プラティも古くから愛されており、品種改良も盛んな種。ミッキーマウスプラティといった可愛らしく存在感のある種もあります。プラティは卵胎生メダカと呼ばれることがありますが、メダカとは遠縁の種です。とはいえ、好む水質が中性~アルカリ性とメダカに近いため、同じ水槽で飼うことができます。水温は20~28℃に適応しますので、メダカ用のヒーターを使用していれば問題ありません。
少し体格差があるのでプラティによる圧を感じないように、隠れる場所や十分なスペースを確保しましょう。
意外性で選ぶバジスバジス
何やら聞き慣れない名前かとは思いますが、この見出しの表題の画像のお魚です。熱帯魚ですが15℃〜の水温で飼育でき、中性付近の水質を好みます。スネールイーターとしても知られ、水槽に爆発的に増えてしまったスネールの駆除にも役立ちます。一方でエビも捕食対象になってしまうので、ミナミヌマエビなど小さいエビも飼育している場合は注意が必要です。
ストップアンドゴーと表現される、スス〜っと泳いでピタッと静止するような泳ぎ方をします。
バジスバジスは人間の顔を覚えると言われており、ペットとしての可愛さもあります。また、メダカ同様に周りの環境が暗い色だと体色が濃くなります。とても興味深い性質を持った熱帯魚と言えるでしょう。
バジスバジスも温和(というかマイペース)な性格のため、メダカとの混泳は一応可能です。「一応」としたのは、バジスバジスの性格は個体によって開きがあり、荒っぽく攻撃的な性格の個体もいるためです。個性を見極めながら混泳を試みてみましょう。
まとめ
ここまでで、メダカの飼育について解説しました。メダカのかわいらしさにぜひ癒されてください。今回はガラス水槽での飼育についてです。その他の水槽については今後追加していきます。
コメント