メダカの品種改良の基本|知っておくべき遺伝子の法則

アクアリウム
飼育者
飼育者

背中が銀色で、背びれがオレンジで、尾ひれが長いダルマメダカを作出したいんだけど、どうやったらいいの?

メダロット
メダロット

・・・。

こういった疑問にお答えします!

実際にそのようなメダカが誕生するかは別として(笑)、色や特徴が受け継がれる法則があるのです。品種改良を考えるには欠かせない有名な法則なので、ぜひ覚えておきましょう。

品種改良とはいかないまでも、繁殖に挑戦する場合に知っておくと驚きや発見があると思いますよ!

本記事ではできるだけわかりやすくご紹介しています。そのため、補足すべき内容があった場合はご連絡いただけるとありがたいです。

メダカの個性は遺伝子によるもの

楊貴妃メダカがオレンジ色だったり、白メダカが白いのは、遺伝子によるものです。

遺伝子は体の色や形を特徴づける、設計図のようなもの。

品種改良を考える上では、遺伝子が重要になってきます。

  • 生物は2つで1組の遺伝子を持つ
  • 子は親から1つずつ遺伝子を受け継ぐ
  • そこに含まれた情報にしたがった特徴が現れる

これは超基本なので覚えておきましょう!

対立遺伝子とは?

とあるメダカは「体をオレンジ色にしろという遺伝子」を持つとします。

別のメダカは「体を白くしろという遺伝子」を持つとします。

この2匹が交配したら、生まれてくる子メダカの体に対して「オレンジ推しの遺伝子」と「白推しの遺伝子」の2つが対立する形になります。このような場合の遺伝子を、対立遺伝子と言います。

少し難しい言葉ですが、対立遺伝子があるからこそたくさんのバリエーションのメダカが存在するのです。

対立遺伝子をアルファベットで表すと理解しやすい

先ほどの例で挙げた、「体をオレンジ色にしろ」と言う遺伝子をO、「体を白くしろ」と言う遺伝子をWと表すとします。

生物は2つで1組の遺伝子を持つ、と言いました。

ということは、何世代にもわたってオレンジ色しか生まれていないメダカは(O,O)の組み合わせを持っていると考えられます。一方の白いメダカは(W,W)となります。

オレンジと白のメダカの子はどうなるの?

オレンジ色のメダカ(O,O)と白いメダカ(W,W)を交配させるとどうなるのでしょうか?

親から1つずつ遺伝子を受け継ぐのでしたね。

ですので子メダカは(O,W)という遺伝子の組み合わせを持ちます。

厳密には、(O,W) (O,W) (W,O) (W,O)の4パターンがありますが、組み合わせとしては(O,W)となります。

遺伝子の優性、劣性

この時の子メダカは、親メダカのどちらか一方の特徴が表立って現れます。つまり、全てオレンジ色か、全て白色になります。オレンジ色になったとしたら、Oの遺伝子は優性で、Wの遺伝子は劣性となります。

優れているか、劣っているかではなく、特徴が表面的に現れている方を優性、隠れている方を劣性と言います。隠れているとはいえ存在していることもポイントです。

考えやすくするため、優性遺伝子を大文字で、劣勢遺伝子を小文字で表します。

ということで、この例の親メダカは(O,O)と(w,w)だったということがわかります。

孫メダカはどうなるの?

親メダカ(O,O)と(w,w)の子は、(O,w)でした。

では、(O,w)どうしで交配した場合を考えてみましょう。

(O,w)と(O,w)の子は、(O,O) (O,w) (w,O) (w,w)となります。

孫世代にして、オレンジ色になる遺伝子を持たない、白いメダカ(w,w)が生まれましたね!

Oが優性ですので、オレンジ色のメダカと白いメダカは3:1の割合で生まれます。

孫世代で遺伝的な特徴が3:1になることを分離の法則と言います。

まとめ

本記事では、品種改良を考えるにあたって欠かせない知識の、基礎の部分だけをお話ししました。他にも遺伝子の法則はありますが、超基本的なところだけをご紹介しています。これから繁殖に挑戦する方にとって、有益な情報となったのではないでしょうか。もしくは遺伝子に興味を持っていただき、さらに知識を深めるきっかけになれば幸いです。今後もさらに深掘りしていきます!

コメント

タイトルとURLをコピーしました