メダカが元気に育つためには、水のきれいさだけでなく、水の性質も大切です。
特に、水の酸性やアルカリ性を表す『pH』や、硬さを示す『硬度』がポイントになります。
これらをしっかり管理すると、メダカが快適に過ごせる環境を作ることができます。
このページでは、pHや硬度について分かりやすく説明し、誰でもできる簡単な管理方法をご紹介します。
pH(酸性・アルカリ性の指標)
pHは、水の生き物を飼育する上ではとても重要です。それほど難しくないので、この記事で覚えてしまいましょう。
pHとは?
pHは水がどれくらい酸性またはアルカリ性であるかを示す指標です。pH7が中性にあたります。
メダカに適したpH
メダカにとって理想的なpHは7〜8です。ただし、メダカは適応力が高いため、pH5〜9の範囲でも飼育可能です。熱帯魚の多くが弱酸性を好むのに対し、メダカは中性付近が好き、ということはぜひ覚えておきましょう。
pHが低すぎる場合
水が酸性に傾きすぎると、メダカの粘膜やエラを傷つけ、健康に悪影響を及ぼすことがあります。
pHが高すぎる場合
pHが8.5以上になるとアンモニアの毒性が増し、メダカに有害です。
pHの調整方法
pHを下げる方法
- ソイルを低床に使用する
- ピートモスをネットに入れて濾過槽や水槽に配置する
pHを上げる方法
- 砂利を低床に使用する
- 石をレイアウトに取り入れる
- カキ殻を水槽に加える
これらの方法で、自然に水槽内のpHを理想的な範囲に近づけることができます。
pHを調整する薬剤もありますが、pHが急激に変化することもあり、生き物にダメージ(pHショック)を与える危険があります。使用の際はご注意ください。
硬度(GH)
硬度という言葉は聞き慣れないと思いますが、ミネラルウォーターの硬水・軟水は聞いたことがあるのではないでしょうか。また、水槽のフチやお風呂場の鏡にできる白い汚れも硬度が関係しています。
硬度を意識するようになると、アクアリウム中級〜上級者と言って良いでしょう!
硬度とは?
硬度は水中のカルシウムやマグネシウムの濃度を示す指標で、メダカの骨や卵の形成に重要です。メダカに適した総硬度は5~15°dH程度です。
硬度が低すぎる場合
骨格形成に影響し、卵の殻が弱くなる可能性があります。
硬度が高すぎる場合
メダカのエラや皮膚に負担をかけ、ストレスを与えることがあります。
硬度の調整方法
硬度を上げる方法
サンゴ砂、カキ殻、炭酸カルシウムを水槽に追加する。
硬度を下げる方法
純水やRO水を使い、水道水とブレンドして調整する。
メダカの快適な水質を維持するためのポイント
1. 水質の定期チェック
試薬やデジタル計測器を使い、pHや硬度を定期的に確認して適切な範囲を維持する。
2. 水換えの頻度と方法
定期的な水換えを行う。急激な水質変化を避けるため、少量(1/4~1/3)の水換えをこまめにが基本。
3. 適切な濾過装置の使用
バクテリアが繁殖しやすい濾材を選ぶことで、水質の安定を助ける。
自然の力で水質管理を助ける
自然のサイクルを活用することで、メダカにとってより快適な環境に近づけることができます。メンテナンスの手間も減らせるので、ぜひ取り入れてみてください。
植物の活用
アナカリスやマツモ、浮き草などの水草を使用すると、二酸化炭素の吸収や酸素供給が行われ、水質が安定します。
自然環境の再現
メダカの生息域に近い素材(小石や砂利)を使用すると、より快適な環境を提供できます。
牡蠣殻を取り入れる
牡蠣殻は水質が酸性に傾くと成分が溶け出し、中性〜アルカリ性に戻してくれます。
まとめ
目には見えない水質を考えることで、メダカが今まで以上に健康で元気に泳ぐ姿が見られると思います。
普通に飼育しているつもりだったのに元気がない、病気になってしまった、という失敗も減らせます。
まずは水槽の水質をチェックしてみましょう!先ほどお伝えした、メダカに理想的な水質になっていましたか?
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