ウィローモスの飼育方法、活着、種類について徹底解説

アクアリウム

こんにちは、ラッシュです。

ウィローモスは、レイアウトに欠かせない水草の一つ。近年ではコケリウムの人気もあり、コケ植物であるウィローモスも注目されています。

そんなウィローモスですが、そもそもどんな水草なのでしょうか?コケ植物って、どうやって育てるのでしょうか?

本記事ではウィローモスについて、育て方から種類、活着方法やレイアウトでの活かし方について、幅広くご紹介しています。これからウィローモスの活用をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

ウィローモスは日本にも生息する水生コケ

出典:チャーム公式サイト

水草というと低床に植えるイメージがありますよね。ウィローモスはコケ植物なので低床には植えず、流木や石などに着生(活着)させて育てます。フサフサと繁茂したウィローモスは美しいだけでなく、稚魚や小型魚の隠れ家としても機能します。

育成は容易で、どなたでも挑戦できる水草です。

水槽を彩るウィローモスの仲間10種類

それではまず、ウィローモスにはどんな種類があるのかご紹介します。

具体的には以下の10種類です。

  • 南米ウィローモス
  • ジャイアント南米ウィローモス
  • ウィーピングモス
  • ジャワモス
  • フレイムモス
  • ウォーターフェザー
  • バブルモス
  • オレゴンリバーモス
  • ノコギリカワゴケ
  • プレミアムグリーンモス

ひとつずつご紹介しますね!

育成の難易度はそれぞれ違うので、最初は普通のウィローモスに慣れてから他の種類に挑戦することをおすすめします。

南米ウィローモス

出典:チャーム公式サイト

幾何学的な形状に葉を展開するウィローモスの仲間で、ウィローモスよりも若干明るい色をしています。キレイな形を維持するにはCO2と肥料が重要で、そういった意味では通常のウィローモスよりも育成難易度が若干高めです。

ジャイアント南米ウィローモス

出典:チャーム公式サイト

南米ウィローモスと比べるとやや大型になる、こちらも幾何学的な葉を展開するウィローモスの仲間です。南米ウィローモス同様、育成は簡単ですが美しく育てるにはCO2と液肥の添加が重要です。成長速度は遅め。

ウィーピングモス

出典:チャーム公式サイト

葉がしだれるように広がっていくタイプの一風変わった雰囲気のモスです。折り重なって成長するため、ウィローモスよりも光量を必要とします。そのうえ古い水を嫌うので重なり合った部分の水を吸い出すといった管理が重要になります。

ジャワモス

出典:チャーム公式サイト

ウィローモスより若干幅が狭いこと以外、ほぼ同じのモスです。ウィローモスよりも下葉が枯れにくいといったメリットがあります。育成方法も通常のウィローモスと同じです。

フレイムモス

出典:チャーム公式サイト

フレイム=炎のように、螺旋状に上に向かって伸びてゆくウィローモスです。伸びすぎることもなく、前景に使いやすい種です。低光量にも強いですが、ある程度強い光の方が健康的に育ちます。

ウォーターフェザー

出典:チャーム公式サイト

フェザー=羽毛のように柔らかい印象のモスです。CO2添加が必須となり、ワンランク上の飼育環境が求められます。成長は遅いですが活着力があり、繊細で美しいモスです。

バブルモス

出典:チャーム公式サイト

一見すると普通のウィローモスですが、条件が良いと活発に気泡を上げます。その魅力を最大限発揮するために、強い光、CO2、高性能ろ過フィルターを用意したいところ。高水温には弱いので(27℃以下)夏場はとくに注意が必要です。

オレゴンリバーモス

出典:チャーム公式サイト

大振りでモコモコした質感が魅力的のモスです。ボリュームを増しながら成長します。CO2添加が必須で、光量はそれほど必要としません。こちらも高温に弱いので注意が必要です。

ノコギリカワゴケ

出典:チャーム公式サイト

日本に自生するカワゴケの仲間です。ノコギリのような葉が特徴的。常に水が入れ替わるような環境を好むため、水換えの頻度を上げて育成しましょう。活着力は弱いので、テグスで巻き付けて育てるのがおすすめです。

プレミアムグリーンモス

出典:チャーム公式サイト

明るいグリーン独特な質感が魅力のモスで、ビーシュリンプと共に人気が出てきた種類です。ウィローモス同様に活着もします。美しく育てるには強い光とCO2が欠かせません。ビーシュリンプの繁殖水槽に最適です。

ウィローモスの活着とは?

ウィローモスは、自身が流されないように石や流木に着生して生活します。

どうやってくっついているかというと、草体の裏側から仮根という細かい根を出し、それを物体表面の小さな穴や窪みに絡み付けるようにして我が身を固定しているんです。

これを活着と言います。

活着しなくても育てることは可能ですが、思わぬところにくっついてしまうことがあります。

ウィローモス活着の方法3選

ここからは具体的な活着のやり方を解説します。

活着するまでは、ウィローモスとレイアウト素材を触れ合わせた状態でしばらく育てる必要があります。その方法として、

  • 糸で巻きつける
  • 接着剤で接着する
  • ミスト状態で乗せておく

といった方法があるので、それぞれ解説します。

糸で巻きつける

レイアウト素材にウィローモスを木綿糸またはテグスで巻きつける方法です。

木綿糸を使用した場合、水中で1〜2ヶ月で溶けてなくなるので最終的には自然な仕上がりに。

いっぽうテグスはいつまでも溶けないため、活着の遅い種類の固定に向いています。

接着剤で接着する

瞬間接着剤でレイアウト素材にウィローモスを直接、貼り付けていく方法です。

接着剤のついた部分には仮根は伸ばせないため、ウィローモスがどのように伸びるかを予測することがキレイに活着させるポイントです。

簡単そうに見えて、それなりに経験が必要な方法といえます。

ミスト状態で乗せておく

水中ではなく、水上の状態で活着させます。

水槽に水を張らずにフタをして温室状態にし、レイアウト素材にウィローモスを乗せた状態で水上育成します。

またはレイアウト素材にウィローモスを乗せてラップで包み、屋外などで育てます。

活着に時間がかかる方法ですが、ほぼ放置で育成できる方法です。

ウィローモスのレイアウトでの活かし方5選

ウィローモスをレイアウトに活かすコツをお話しします。具体的には以下の5つです。

  • 苔むした雰囲気で年月を表現
  • 素材の欠点はウィローモスを活着させて隠す
  • 稚魚の隠れ家にも最適
  • モスボールは素材同士の隙間を埋めるのにGOOD
  • ウィローモスで草原も可能

それぞれご紹介します。

苔むした雰囲気で年月を表現

倒木が長い年月を経て苔に覆われていくように、石や流木にウィローモスが活着していると、遠い昔からそこにあったような雰囲気を感じさせます。より自然なレイアウトが作れますよ!

素材の欠点はウィローモスを活着させて隠す

かっこいい流木なのに、枝先がスパッと切断されていて不自然・・・。そんな時はウィローモスを活着させて隠しちゃいましょう。

レイアウト素材のアラを隠すのにも便利です。

稚魚の隠れ家にも最適

フサフサに繁茂したウィローモスは稚魚、稚エビの隠れ家に最適。微生物の温床にもなるため、餌も供給されます。こういった場所があれば、水槽内の自然繁殖もじゅうぶんにあるでしょう。

ウィローモスのちょっとした茂みをガサガサやったら稚魚が数匹出てきた、というのはわりとよくありますよ!

稚魚を守ることと鑑賞性を両立できるのはウィローモスならではです。

モスボールは素材同士の隙間を埋めるのにGOOD

小さい石にウィローモスを活着させた「モスボール」をいくつも作っておくと便利。レイアウトを組んだ際の素材同士の隙間や、流木の足元に配置すると、ぐっと自然感がでます。石は苔石や溶岩石のような、黒っぽい色のものが使いやすくておすすめです。


ウィローモスで草原も可能

リシアストーンのような薄くて平べったい石にウィローモスを活着させて並べれば、ウィローモスの草原も見応えがあります。ヘアーグラスやグロッソスティグマの絨毯に紛れさせれば、さらに自然感をプラスできます。

ウィローモスは特別な機材がなくても育てられる

ウィローモスは、一般的な観賞魚を飼育する環境があれば枯らさずに育てられます。

ウィローモスは、

  • 高光量を必要としない
  • CO2を添加しなくても育つ
  • 肥料を添加しなくても育つ

といった感じで、育成難易度は低めです。

ですがこれは、枯らさずに育成できる最低限の条件。

フサフサで密に繁茂したウィローモスを目指すなら、次にご紹介する水質を意識してみてください。

よりキレイに育てるのに最適な水質

ウィローモスをキレイに育てるのに重要なポイントは以下の通りです。

  • 弱酸性〜中性の水
  • 水温は20〜28℃
  • ほどよい光
  • CO2添加
  • ろ過がじゅうぶんにできている

それぞれ解説します。

弱酸性〜中性の水

水質にはあまりうるさくないウィローモスですが、アルカリ性に傾くと調子を崩します。

大磯砂利や石をたくさん入れている、貝がたくさんいる場合はアルカリ性になりやすいので、うまく育たないと感じる場合は水質を見直しましょう。

水温は20〜28℃

ウィローモスは日本にも生息するコケだけあって、低水温にも強いです。しかし10℃以下ともなるとほ成長がほぼストップします。

また、夏場に水温が30℃を超えるような場合も危険。これは全水草の共通事項ですね。

冬場→メダカ用・熱帯魚用のヒーターを設置。

夏場→涼しい場所に水槽を置き、冷却ファンや水槽用クーラー、エアコンの冷房などで対策しましょう。

ほどよい光

ウィローモスは強すぎる光を嫌います。

かといって弱すぎると光合成に支障をきたします。

ですので、あまりライトに近い高さに配置するよりは、中層以下の少し光量が落ちる場所に配置するのがおすすめです。

CO2添加

CO2を添加することでウィローモスをより美しく育てることができます。

添加しない環境ではウィローモスの隙間が目立つようになり、どこか痩せ細った印象に。

鑑賞性を重視するなら、CO2添加はおすすめです。効果は歴然ですよ!

お金をかけず、CO2添加装置を自作したい場合は以下を参照ください。

ろ過がじゅうぶんにできている

ろ過がじゅうぶんにできている(つまりろ過バクテリアが多いこと)がなぜ大事かというと、魚のフンや餌の食べ残しがバクテリアによって分解され、水草が吸収しやすい栄養に変換してくれるからです。

ウィローモスは水中から栄養を補給します。

ろ過がしっかりできていると、ウィローモスに必要な栄養がきちんと届くのです。

ウィローモスのトリミング方法

ウィローモスは成長が早いため、薄く巻きつけてもあっという間に厚みが出てきます。そんな時はトリミングバサミを使って、丸坊主に切ってしまいましょう。正しく活着していればまたすぐに厚みが出ますし、何よりキレイに成長します。

活着していないところは、切ってしまうという考え方で大丈夫です。

ハサミを入れる前に、茂みの中に稚魚がいないか確認しましょう。

またウィローモスが厚くなりすぎると、

  • 光が届かず内側が茶色く枯れる
  • 通水性が悪くなり、コケ発生の原因になる

上記の観点から、厚みがでたらトリミングをおすすめします。

余ったウィローモスはタッパー・ジップロック・ペットボトルで保管

余ったウィローモスは捨ててしまうのはもったいない、ということで、タッパーやジップロック、ペットボトルで保管するという方法をよく見かけます。

確かにある程度の間は保管ができますが、あくまでも枯らさないで少しの間の保管と捉えた方が良いと思います。増やすことは難しいでしょう。

というのも、

  • 日照条件などの環境は様々
  • 栄養が足りない可能性
  • 増えてほしくない微生物が増える可能性

があるためです。

色々な条件を試してみて、ご家庭で保管する最適な方法を探してみるのも良いかと思います。

ウィローモスのコケ対策はお掃除生体

ウィローモスにコケがついてしまったら、コケがついた箇所をカットするか、コケ取り生体を入れましょう。

コケを除去する薬品はウィローモスにもダメージがあるので危険です。

コケ取り生体は、ヤマトヌマエビが最もパワフルでおすすめします。

適正な数は、だいたい水6Lに対して1匹程度。60cm規格の水槽であれば10匹程度が目安です。

これでもウィローモスについたコケが改善されない場合は栄養が多すぎる可能性があるので、水換えの頻度を増やし、餌を減らすなど対策しましょう。

ウィローモスに関するQ&A

ウィローモスに関するよくある質問をまとめました。

Q
メダカ水槽でウィローモスを使えますか?
A

ウィローモスをメダカ水槽レイアウトに使うことはできますが、メダカは水面付近の草に卵を産み付けるため、繁殖面ではあまりメリットはありません。

鑑賞目的で、日本の川らしい水系を作るには好相性です。

Q
ペットボトルでウィローモスを栽培できますか?
A

ペットボトルなどの容器にウィローモスを入れて栽培することはできますが、あまり再現性の高い方法とはいえません。その理由に、

  • 日照条件などの環境は様々
  • 栄養が足りない可能性
  • 増えてほしくない微生物が増える可能性

といったことがあげられるからです。

様々な条件を試して、良い方法を見つけるのもひとつの方法です。

Q
ウィローモスが茶色くなって枯れる原因は?
A

ウィローモスが茶色くなって枯れる場合は、

  • 光量不足
  • 飼育水がアルカリ性になっている
  • 30℃を超える高水温

上記理由が考えられます。

ウィローモスに厚みが出てくると、光の届きにくい内部から枯れることがあります。

また、飼育水がアルカリ性に傾くと調子を崩しやすいので、弱酸性〜中性の水質を意識しましょう。

Q
ウィローモスボールの作り方は?
A

小さめの石に細かくカットしたウィローモスを貼り付け、木綿糸などで巻きつけます。

または、三角コーナーのネットを切り、ウィローモスを貼った石を包むようにし、ビニタイで縛ります。

石は苔石、溶岩石がおすすめです。

まとめ

ウィローモスについて、広範囲にわたって解説しましたがいかがでしたか?

ウィローモスはレイアウトに欠かせない水草の一つです。じっくり育てるとその美しさに驚かされますよ!

ぜひ、あなたの水槽のレイアウトに活かしてみてください。



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