メダカの室内飼育において、エアレーションは必要?
こういった疑問にお答えします。
本記事では、エアレーションなしでメダカを室内飼育する方法や、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。エアレーションに関連する注意点もお伝えするので、ぜひ最後までお読みください。
そもそもエアレーションはなぜするの?
エアレーション(ぶくぶく)は、水中に酸素を取り込むために行います。
酸素は水に溶けやすいため、水面と空気が触れることで酸素が取り込まれます。エアレーションをすることで、水中で発生させた気泡が水面を動かし、たくさんの水を空気を触れさせることで効率よく酸素供給ができるのです。
つまりエアレーションは、生き物たちに必要な酸素を供給することですね。
メダカとエアレーションの関係性
メダカは他の観賞魚と比べて、エアレーションの重要性は低いと言えます。
メダカは本来、水田や流れの無い池などに生息していました。水が動かない場所は基本的に酸素が少ないですが、そのような環境で生き延びています。
また、体が小さいため1匹あたりの酸素の消費も激しくありません。よってメダカの飼育ではエアレーションの重要性は低いです。
過密でなければエアレーションは不要
一般的な飼育環境で、それほど過密でなければエアレーションは要りません。
水槽にメダカを入れる数は、水1リットルに対して1匹が適正数です。
1リットルに5〜10匹も飼育していれば、酸素が足りなくなり酸欠の症状が出る危険があります。
ほどよい数のメダカを飼育している分には、基本的に酸素が不足することはないでしょう。
酸素を取り込めるフィルターを使えばエアレーション不要
フィルターによって、エアレーションの機能を果たしているものもあります。具体的には、以下のフィルターです。
- 投げ込み式フィルター
- エアリフト式の底面フィルター
- エアリフト式のスポンジフィルター
これらはエアレーション(ぶくぶく)と全く同じことを行っているので、追加でエアレーションをする必要はありません。
また、上部式フィルターも水と空気がよく触れ合うため、エアレーションは必要ありません。
外掛け式フィルターと外部式フィルターは水面があまり動かず、フィルターによっての酸素供給は期待できません。
酸素供給 | フィルター |
---|---|
高 | 投げ込み式フィルター エアリフト式の底面フィルター エアリフト式のスポンジフィルター 上部式フィルター プロテインスキマー付きの外掛け式フィルター |
中 | 外掛け式フィルター |
低 | 外部式フィルター 水中ポンプ式の底面フィルター 水中ポンプ式の内部フィルター |
酸素供給が低いフィルターでも、出水位置を水面より上に設置して水面を波打たせれば酸素供給ができます。
水草があれば酸素供給される
水草水槽など、水草を飼育していれば光合成を行うことで新鮮な酸素が供給されます。水草水槽でエアレーションを行うと光合成に必要なCO2を逃してしまうため、エアレーションはすべきではありません。
ただしこれは十分な水草が植わっている場合ですので、飾り程度に水草を植えても酸素供給は期待できません。また、アマゾンフロッグピットやホテイソウのように葉が水上に出ている浮草からは酸素は得られません。
本格的な水草水槽でメダカを飼育する場合はエアレーションは必要ないでしょう。
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エアレーションをするべき状況
エアレーションをするべき状況は、酸欠のリスクがある時です。具体的には以下の状況です。
- 酸欠の症状が出ている時
- 過密水槽
- 濃いグリーンウォーター
- 夏の高水温時
- CO2を入れすぎてしまった時
- バクテリアを増やしたい時
それぞれ解説します。
酸欠の症状が出ている時
魚たちが水面に集まってアップアップしているときは、酸欠の可能性がありますので、すぐにエアレーションを行い酸素供給します。魚が落ち着いたら、原因を考えて環境を改善しましょう。
過密水槽
メダカを過密に飼育していると酸欠になるリスクが上がります。具体的には水1リットルに対して5〜10匹飼育している場合は危険です。他にミナミヌマエビなどを飼っているとさらにリスクが高まります。適正数は1リットルに1匹以下です。プラケースやトロ舟は適正数を超えやすいので注意しましょう。
濃いグリーンウォーター
グリーンウォーターは植物性プランクトンが豊富な水で、メダカやメダカの稚魚の飼育に最適です。しかし、グリーンウォーター内の微生物が大量に発生すると酸欠になり、一転して最悪の水になることもあります。適正な濃さは、5cm先のメダカがはっきり確認できる濃度です。濃いグリーンウォーターは薄めるか、エアレーションを行いましょう。
【関連記事】グリーンウォーターについて
夏の高水温時
水温が上がると水中の酸素濃度は薄くなります。夏場、水槽の水が30℃近くになるときは注意しましょう。酸欠以前に、高水温は危険ですので、水温を下げる対策が重要です。
エアレーションをして攪拌することで、水温を少し下げることができます。
【関連記事】具体的な夏場の高水温対策とは?
CO2を入れすぎてしまった時
誤ってCO2のバルブを開き過ぎ、CO2が大量に水槽に添加されてしまった場合はすぐにエアレーションを行い、同時に大量の水換えも行います。二酸化炭素が多くなると相対的に酸素濃度が薄くなります。水草水槽を維持していると起こりがちなトラブルです。
バクテリアを増やしたい時
セット直後などバクテリアが少ない状態で、バクテリアを効率よく増やしたい時はエアレーションが有効です。水が動いていない水槽だと立ち上がりが遅くなることもあります。早くメダカの飼育に適した水を作りたい時は、効果的にエアレーションを行いましょう。
針子育成時はエアレーションNG
針子を飼育している水槽や容器では、エアレーションはしない方が良いでしょう。なぜなら水流が強いと針子が泳ぎ疲れて死んでしまうことがあるからです。余裕のあるサイズの水槽で、酸欠になりにくい環境で飼育しましょう。
メダカは流れの少ない場所に生息していたので、不要な水流は避けるべきでしょう。
【関連記事】針子の育て方
まとめ
メダカの室内飼育において、エアレーションはあまり重要でないことがお分かりいただけましたか?
基本的に過密にならなければエアーポンプの出番はありません。
メダカ水槽ではあまり本格的な水草育成もしないと思うので、外部フィルターが選択されることも少ないはずです。結果、エアレーションをせずとも酸素は十分に供給されます。しかし、急なトラブルの時にエアレーションが必要になることもあるので、エアレーション一式は持っておいて損はないでしょう。
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