水槽のお手入れをしていたら何やら小さな泳ぐ生き物が。もしやメダカの赤ちゃん!?驚きや喜びの気持ちもあると思いますが、このままだと他の魚に食べられてしまうので、なんとかしないといけません。次に取るべき行動は?
この記事では、針子を発見した時の対処法や、失敗しない育て方をご紹介します。
そもそも針子とは?
針子とは、生まれたばかりのメダカの赤ちゃんのことを指します。ここではまず、針子について知っておくべき特徴をご紹介します。
- とても小さく、他の魚に食べられてしまうサイズ
- 体はほぼ透明で、体色などの特徴は見られない
- 目と背中が黒っぽく、魚だなと認識できる
- 孵化したばかりの稚魚はヨークサックという栄養が入った袋を有しており、数日間は生きていられる
- よく泳ぐため体力を消耗しやすい(特にフィルター等の水流は体力を消耗する)
- 高水温には強く、40度の水温でも耐える事がある
- 太陽光に当てると成長スピードが上がり、免疫力も高まる
これらの特徴を知っておくだけで、失敗が減りますよ!
針子を発見したら→親魚と隔離する
そのままだと他の魚に食べられてしまうので、針子を隔離しましょう。隔離の方法には以下があります。
・針子を別容器に移す
・親魚と同じ水槽内で隔離する
・親魚を別容器に移す
それぞれメリット・デメリットを解説します。
針子を別容器に移す
針子のみを別容器に移すという選択肢はどうでしょうか。
一見合理的ですが、最も失敗しやすい選択肢といえます。なぜなら針子は体が小さいぶん、移し替えた際のショックや、容器の水質の変化に耐えられず死んでしまうことがあるからです。
針子の育成の成功率を高めたい場合は、以降の選択肢を検討してみましょう。
親魚と同じ水槽内で隔離する
針子が他の成魚に食べられないようにパーテーションなどで隔離したうえで、親と同じ水槽で飼育する方法です。
水が循環するので水質の劣化の心配が減り、針子へのストレスも抑えられます。
針子が少ない場合にオススメの方法です。
稚魚育成用のグッズが便利です。
水槽内にネットを浮かべ、その中で針子を育成します。手軽に設置できるのが魅力です!
親魚を別容器に移す
針子を残し、親魚や他の成魚を別容器に移す方法です。成魚は水質の変化に強いため、別容器に移す際のダメージもあまり気になりません。
この方法は針子の生存率を上げたい場合に向いています。理由として針子が複数いる場合は成長にばらつきが生じ、大きい魚が小さい魚にストレスを与えることがあるからです。
また、水槽内に発生した微生物が針子のエサにもなります。
たくさんの針子を広いスペースで悠々と育てたい場合にオススメの方法です。
サテライトが便利
親魚を移す際にサテライトを使用すると、水質の変化を与えずに隔離ができます。また、続けて卵を産む際に下のスペースに卵が落ちることで、卵を取るのを容易にしてくれます。
針子のエサはなにを与えたらいい?
針子はとても小さいため、成魚用のエサは食べることができません。ヨークサックが無くなった針子には次のエサを与えましょう。
- 針子用のエサ
- ゆで卵の黄身
- 植物性プランクトン(グリーンウォーター)
- その他微生物
それぞれ見ていきましょう。
針子用のエサ
お手軽さで言ったらコレ!ペットショップで針子用のエサとして売られているエサは、粒子が非常に小さく、針子でも食べることができます。
針子用とはいえ成魚でも食べることができるので、エサが残っても無駄になりません。
ゆで卵の黄身
しっかりと茹でたゆで卵の黄身をごく少量、すり潰しながらパラパラと落とします。とても粒が細かいので針子でも食べることができます。
水を汚しやすいので適切な水換えが必要です。針子用のエサが無い時の応急処置程度に考えておきましょう。
植物性プランクトン(グリーンウォーター)
植物性プランクトンが豊富なグリーンウォーターの中で飼育することで、針子のエサ問題は解決します。微生物は針子が食べることができる上に栄養豊富、なおかつ(適切に管理すれば)水も汚しません。
これは針子を育てる上で大事なことですが、針子は運動量が多く、すぐにエネルギー切れを起こします。そのような時にいつでもエサを食べられることが重要です。食べるというより、泳ぎながら飲んでいるイメージです。これが実現できるのが、グリーンウォーターでの飼育です。グリーンウォーター(青水)の特徴や作り方と活用方法
ただしグリーンウォーターはフィルターによってこし取られてしまうため、フィルターを回している水槽では不向きです。
- 10Lの容器に水と濃縮生クロレラを1ml入れてかき混ぜる
- 太陽光が当たる場所に置く
- 水温30℃以下で放置
その他微生物
水槽内には目に見えない微生物がたくさんいます。水槽内で泳ぐ針子を発見した場合は、そのような微生物を食べて生きていた可能性があります。
浮草の根付近、低床に使用した軽石、カキガラの表面など。これらだけでエサを補うことはできませんが、針子の飼育水槽に入れておくと補助的なエサとして期待できます。
PSBという細菌を投入すると、他の微生物を活性化させ、針子に食べさせることも期待できます。少々マニアックなアイテムですが、役に立つシーンが多いので試してみる価値アリです。
【関連記事】PSBとは?ミジンコをグリーンウォーターなしで増やす方法
よくある失敗
針子育成でよくある失敗例をご紹介します。
フレグランスミストや殺虫剤は危険
針子のいる水槽の近くで、フレグランスミストや殺虫剤を使用するのは危険です。霧状の薬液が水槽に入り、致死ダメージを与える可能性があります。
成魚は耐えられても体の小さい稚魚には致命的です。針子の飼育水槽がある部屋では使用しないようにしましょう。
針子をプラケース等で飼育
針子は常にエサがあるのが理想的。ですがプラケースで飼育する場合は、常にエサを入れておくことは難しいでしょう。エサが腐って水が劣化するのを防ぐために、こまめな水替えも必要です。不可能ではないですが、難易度は上がってしまいます。
どうしてもプラケースで飼育したい場合は、大きめのケースを選びましょう。
まとめ
親魚と同じ水槽内で泳ぐ針子を発見したら、親魚に食べられないように隔離しましょう。
隔離の方法で最もオススメなのは、大きめサテライトを設置し、成魚を隔離します。サテライトは汎用性が高く、持って損ナシです。今後のブリーディングで役立ちます。
成魚が多いor針子が少ない→隔離ネットで針子を隔離。
ヨークサックのある・なしに関わらずエサを与えましょう。
エサは「食べたい時に食べられる」が理想です。グリーンウォーターがベストですが、用意がない場合は針子用のエサを与えます。ネットなどで針子を隔離している場合は、浮草など、微生物が住み着いていそうなものを投じます。
針子用のエサを与える場合は1日3回与え、食べ残しはできるだけ取り除きましょう。少量の水換えを頻繁に行い、常にキレイに保ちます(ネット、サテライトの場合は不要)。
針子は運動量が多いため、常にエサを食べられる状態にしてエネルギー切れを防ぐことが大切です。食べるというより飲ませる、取り込ませるという考えの方が成功しやすい。また針子は親魚以上に高水温に強く、太陽光で育てると成長スピードと免疫力がアップします。グリーンウォーターで屋外での飼育が理想的です。
今回お伝えした情報をもとに、針子育成を成功させてください!
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